色々考えさせられた~パッドマンを観た感想~

先日、久しぶりにインド映画を観たい!!という衝動に駆られ、Netflixをさまよっていたら「パッドマン」という映画にたどり着いた。

日本では2年前に公開された映画で、当時観たいな~と思っていたけど劇場で観ることができなかったから嬉しかったが、あとから相当なショックを受けた。

生理用ナプキンをインドに広めた男性のお話なんだけど、物語は2001年の話なのにインド人女性の生理期間の扱いが酷すぎて驚いた。そもそも、女性自身が生理がなぜ来るのか、どのようなメカニズムで血が出るのか分かっていなかった。生理の間は「穢れ」とされ家の中に入れてもらえず、外にある隔離小屋や家畜小屋で生活することになる。

生理用ナプキンはほとんど普及しておらず、価格はとても高かった。女性たちは古布を使ってその時期をやり過ごす。不衛生であると同時にそれが原因で不妊になったり、命を落とすこともあるそうだ。

劇中で主人公は妻にナプキンを買って渡そうとする。ナプキンの価格は55ルピー。およそ78円くらい(2020年11月26日現在)。日本の感覚に合わせると1000円以上するものになる。それを街の薬局でまるでクスリの売買のようにこっそり渡され、家に持ち帰る主人公。ナプキンを渡されると妻は「宝くじにでもあたったの?早く返してきて!」と突き返した。

妻のためにナプキン開発に勤しむようになるのだが、男性はもとより、女性にも理解を得られず村を追放されてしまう。こういった状況が2000年代の世界で起きていたなんて。小さな島国に住み、恵まれた環境でノホホンと過ごしている私にとってとてもショックだった。

のちに彼は安価で衛生的なナプキンの製造に成功するのだけど、5億人も女性がいる国だけどすぐに普及するとは思えない。この映画を観たあとに2018年製作のドキュメンタリー映画を観たのだけど、年寄りの女性は生理のメカニズムは神のみぞ知ると言っているし、若い女の子はナプキンのつけ方すら知らなかった。月経のせいで学校に通えなくなり、そのまま退学してしまう子もいるらしい。

さらにショックを受けた。日本にいてそんな状況に出会ったことがない。非常にデリケートな問題ながら、映画のテイスト的には色々考えさせられながらも最後までちゃんと観れる映画だった。主人公のサクセスストーリーに絡めたちょっとした恋愛要素やナプキンを作って売る仕事を女性に与えることによって社会進出も促しているシーンがあったからだ。

私がすぐにできることはないかもしれない。でも、こういった状況が世界にはあるんだということを知ることができただけでも勉強になった。30年以上毎月付き合っていかないといけないことだから本当に毎月お疲れ様。私たち。

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