オーディオブックで、自律型人材の基盤を。パーソル総合研究所 萱野社長に聞いた人材育成における「聴く読書」の意義
「耳で聴く本」として近年利用者が増えているオーディオブック。
日本最大級のオーディオブックサービスの「audiobook.jp」は、法人向けプランの「audiobook.jp 法人版」も提供しており、現在130社以上で導入いただいています。
今回は「audiobook.jp 法人版」導入企業の一つであるパーソル総合研究所 代表取締役社長 萱野 博行(かやの ひろゆき)さんに、導入してからの社内における反響や、社員教育におけるオーディオブックの利用意義についてお話をうかがいました。(インタビュアー:オトバンク 代表取締役会長 上田渉)
音声のインプットが社内の情報感度をさらに高める
上田:「audiobook.jp法人版」を導入いただいたきっかけについて、改めて教えて下さい。
萱野:弊社はシンクタンクを基盤としながら、企業様向けにコンサルティングや人材開発・組織開発のサービス提供しています。お客様の業界や業種は多岐に渡り、専門性を深める一方で、幅広いお客様の業種業態に対応する必要もあります。外部支援の立場から、人や組織の課題を解決する際には、広く世の中や一般に向けた興味関心のアンテナを持つことが大切です。その中で、「社員の情報感度を高める」というのは常に重要な事項だと感じてきました。
2022年に上田会長とお会いする機会があり、ご著書の『超効率耳勉強法』を拝読しました。その中で書かれていた「聴覚でインプットするほうが向いている方もいる」という話に興味を持ったんです。
私はもともと読書が好きで、本を紙で「読む」のが当たり前でした。
しかし、もしかしたらオーディオブックが社員の情報感度を上げるツールになるかもしれないと思い、まずは個人で登録しました。実際にオーディオブックを使い始めたら、「これはいいな」と。再生速度も上げていき、1.5倍、1.7倍などのスピードで聴くことができるようになりました。
上田:まずはご自身で活用されたんですね。
萱野:社員にも展開したいと感じたので、2023年から「audiobook.jp法人版」をパーソル総合研究所の社内で活用すると決めました。
導入を決めた理由としては、まず冒頭にお話した、社員の情報感度を高める一助になると感じたからです。オーディオブックというテクノロジーをうまく活用した新しい学びのサービスに触れる機会を作ることで、社員のインプットの感度を高めることに期待しました。
もう一つは、試していくなかでもしかすると私たちの事業とうまく連携できる未来もあるのではないかと思ったんです。そこで、まずは導入してみようということで、スタートしました。
上田:実際に試して効果を感じた上で、社内展開してくださったとのこと、大変嬉しいです。導入されてから社内の反響はいかがですか?
萱野:想像以上に活用されていますね。早速インプットの習慣が身についているのを実感しています。
具体的には、「福利厚生の施策の中でオーディオブックが一番気に入っている」や、「本を定期的に読む習慣が定着して嬉しい」といった声があがっています。また、オーディオブックをきっかけに、本を読みたくなって、紙の本の読書習慣が身についた社員もいます。
社内SNSで「オーディオブッククラブ」が誕生
上田:私は「作品と出会うきっかけづくり」も、大変重要だと感じています。御社は独自に選書して、アプリ内で掲示するなどの取り組みもされていますが、社員の皆様へのサポートや独自の取り組みなどがあれば、ぜひその点もお伺いしたいです。
萱野:社内で特に良い取り組みだと感じているのは、「オーディオブッククラブ」という活動です。社内SNSのTeams上で「オーディオブッククラブ」という組織を作っており、運営担当者が活動の中心となり、オーディオブックを軸に様々な交流をしています。
例えば、Teams上で「今月読んだ本」を順番に共有し合います。そこから、「僕も読みました」というリアクションがあり、会話が広がることもあります。
自分一人では手に取らないような本との出会いにも繋がるので、新しい気づきが得られるようです。定期的なインプット機会の醸成や、社内交流の活性化に寄与しているなと感じますね。本の感想を通じてコミュニケーションすることで、価値観の共有にも繋がるので、より深い交流にもつながるのではないかと思っています。
経験依存が「自律型人材」の壁
上田:会社が成長するためには、社員一人ひとりが自ら学ぶことが欠かせません。こうした「自律型人材」の育成に悩まれている企業も多いと思いますが、なにかヒントはありますか。
萱野:とても難しい問いですよね。「自律型人材」といわれてから、おそらく30年くらいになると思います。90年代に経団連が「能力型人事主義」を打ち出しました。そのときには「自律型人材」という言葉ではなく「キャリア自律」等と言われていましたが、「自律」というキーワードが出てきてから、すでに数十年経っている。それくらい育てるのが難しいということだと思うんですね。
大手企業の方からも「自律型人材を育てたい」とご相談いただくこともありますが、一生懸命育てている時点で自律というよりも依存型人材ではないかと思うんです。何に依存するかは人によってで、会社だったり、上司だったり、あるいは環境に依存して流されてしまったりいろいろとあります。ですが、一番多いのは、「自分の経験に依存してしまう」ケースだと思います。
上田:「経験依存」ですか。たしかに、自分の成功体験や失敗体験に引っ張られてしまうというのはよく聞きます。
萱野:経験に学ぶことはもちろん重要です。
ですが、これだけ環境が大きく変わる状況にあるので、経験や成功体験だけに依存するのではなく、多様な価値観で考えて判断できるようになることもすごく大切だと思います。自分の僅かな経験に判断根拠を依存するのではなく、新しい情報に触れることが必要になってきます。
そのためには、他者からフィードバックを受けることや、専門領域の文献に触れることもそうですが、やはり広く世の中に興味関心を持つことが非常に大事なのではないでしょうか。そのためには、新聞や雑誌もそうですが、やはり書籍がすごくいいなと思っているんです。自分の興味関心に限らず、多様な書籍に触れていく。
経験に依存しないためには、情報が重要です。情報基盤があって初めて自ら考える判断できる行動できる人材になっていくんだろうなと思っています。
上田:経験に依存せず、常に新しいことを学ぶ姿勢がとても重要ですね。我々もオーディオブックのサービスによって少しでも学びの環境づくりに貢献できるよう努めていきたいです。
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ビジネス書や自己啓発書を中心に15,000点以上ものタイトルを全て音声で好きなだけ聴くことができる法人向けのオーディオブック聴き放題プランです。通勤中や家事中、就寝前など、耳のスキマ時間に音声を再生するだけで読書ができるため、学習のハードルがぐっと下がります。
日本の人事部「HRアワード2022」で優秀賞を受賞するなど人材育成のツールとして高く評価され、現在130社以上にご導入いただいています。
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