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今、今を残し続ける(脚本家 島川柊)

突如やってきました、連載最終回です。
最初から半年間のお約束でしたから、わかっていたことなのですが。初めて頂いた演劇についてのコラムで、手探り上等、一度も書き慣れることなく、体感突如の有り難き6か月でした。

毎月冒頭で、編集部さんから頂いているお題を発表してから書いてきましたが、今月のお題、勘のいい読者の皆さんは想像がつくんじゃないでしょうか。
そうです、「演劇と未来」です。流石です。
別れは出会いの始まり。
失敗は成功のもと。
花は桜木、人は武士。
最終回は未来の話。
に決まってるやんな。

演劇ほど、食っていけない、と言われる世界はないのではないかと思います。
飛び込んでみれば本当にその通りで、正攻法や安全策などなく、だからこそ面白いのですが、具体的な自分の道という意味での未来みたいなものは、はっきりと見えた試しがありません。
いつもメガネ曇ってるかメガネ割れてるかで、視界が悪いです。あ、大丈夫ですよ、全然大丈夫です。

と言いつつ私は今まで、演劇を書きながら、
現代を生きている一人として、人間の「未来」を必死で見つめようとしてきたと思います。
今を分析して残すことこそ、未来について考えることに直結すると思うからです。

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