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気にする?気にしない?チャットのコミュニケーションにおけるマナーやお作法の話

改めて考える「コミュニケーション」の本質とは?

昨年からコロナ禍の影響で新たにチャットツールを利用する企業が増えてきたのではないでしょうか?これまで社内の連絡であってもメールを使っていた企業がチャットツールという、円滑なコミュニケーションツールを導入するケースが増えてきました。

これまでは対面でコミュニケーションを取っていた状況から一変し、チャットやウェブ会議、電話などを組み合わせて対応するケースが多いのではないかと思います。ウェブ会議は対面の延長として違和感なく導入できたという声は多く聞きますが、チャットについてはどうでしょうか?

相手の反応をうかがって、声や表情でのコミュニケーションをするものとは異なり、チャットは文字のみでのコミュニケーションとなります(補助としてスタンプやGIFはありますが)。

そのため、これまでのやりとりとは異なり、「思ったように意図が伝わらない」「相手を困惑させたり怒らせてしまった」などの経験をした方も少なくないはずです。

なぜこのような「ミスコミュニケーション」が起こるのでしょうか。ここで「コミュニケーション」の意味を改めて考えてみましょう
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①社会生活を営む人間の間に行われる知覚・感情・思考の伝達。言語・文字その他視覚・聴覚に訴える各種のものを媒介とする。

―広辞苑から引用
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言うまでもないことですが、「知覚・感情・思考の伝達」と一口に言っても「うまいやり方」「下手なやり方」それぞれあるものと思います。皆さんの身近にもコミュニケーションがうまい人、下手な人、それぞれ具体的に思い浮かべる人が何人かはいらっしゃるかと思います。

勝手ながら、個人的な経験からすると「うまい人」は下記の点がよくできていると感じています。
1.コミュニケーションの目的が明確
2.相手の自分の立場を考えて適切な言葉を選択している
3.慇懃無礼までいかない、適度に丁寧な言葉づかい

1.は、なぜコミュニケーションを取るか本質的な内容になっていると考えています。一方、2.や3.はハウツーのお話(ハウツーといっても言葉づかいやマナー講師の需要もあるくらいですから、最低限必要なスキルと考えています)。

敢えて優先度をつけてしまうと、
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1>>>>>>2,3
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と考えています。仕事上で何か自分が成し遂げたい内容があって、そのために人に話しかけたり、教えを請うたり、確認するというコミュニケーションを取るわけです。うまいコミュニケーションは、そのやり取りをすることによって「何を実現したいか?」が非常に明確なケースが多いように感じます。2.と3.は所謂、マナーのお話です。どこまでマナーを気にするかは相手によっても違うと思いますが、掘り下げて考えてみたいと思います。

社内チャットにまでマナーを持ち込むべき?

メールでのコミュニケーションでは、社内であっても「お疲れ様です」などの枕詞を入れることが一般的かと思います。チャットではわざわざそんな言葉をいれないことが多いと思います。昔は相手を慮る言葉としてメールのはじめにつけたものがいまでは形式化したものかと思います。ビジネスチャットの登場は、このような形式化したものを不要にするきっかけになったのではないかと思います。

円滑なチャットを考えるヒント

①文字を丸くする
まずは、以下の文章を見比べていただけますでしょうか。

【A】
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打ち合わせの御相談

〇〇部門の××で御座います。先程は相談に乗って頂き有難うございます。詳しく御相談させて頂きたく、打合せを設定致しております。宜しくお願い致します。
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【B】
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打合せのご相談

〇〇部門の××でございます。さきほどは相談にのっていただきありがとうございます。詳しくご相談させていただきたく、打合せを設定しております。よろしくお願いします。
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正直、少し極端な比較となりますが、内容は同じものの受ける印象はだいぶ違うのではないでしょうか?対面でのコミュニケーションは言葉のチョイスだけではなく、表情や声色などで対話を補足していますが、文章ではそのような補助は使えませんので、どのような文章とするかによって、受ける印象を演出しなければなりません。2つの文章を見比べたときに【B】よりも【A】の方が事務的で、どこか突き放した印象をうける方もいらっしゃるかと思います。

見た目で損することがないように見え方を工夫して、硬すぎない文面を心がけてみるとよいかと思います。

②マナーではなく何を伝えたい/実現したいかを考えてみよう
①のヒントはいわば小手先のやり方かと思います。改めて強調しますが、何を伝えたいか、そのコミュニケーションによって何を実現したいか、ということが何より重要です。普段の仕事のなかで、ご自分が所属するチームの目的や評価指標、個人の目標などから逆算して何をすべきかを考え、施策に落とし込む。様々な業務で、一人だけで賄える仕事の幅は限られています。同僚の、他チームの、あるいは社外のメンバーを巻き込んで自分の為したいことをことを実現しようとしたとき、そのコミュニケーションにはおのずと、ビジョンが、説得力が、適度な謙遜や節度のある言葉遣いが備わってくるのではないかと思います。

少しでも普段の社内チャットでのコミュニケーションに難しさを感じている方に、少しでも考えるきっかけになればと思います。

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