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インディアンウソツカナイ

これは、私がインドに入国する前、インドを旅した友達がくれたアドバイスであり、すでにインドを旅した人たちがよく言うセリフである。

インド人に「右に行け」と言われたら"左に行け"。
インド人に「左に行け」と言われたら"右に行け"。

このインド人は全てのインド人を指している訳ではなく、自分から話しかけて注意を引こうとする怪しいインド人を指している。

遂に、私が"騙しのメッカ"だと思っているデリー、正確に言うと、ニュー・デリー駅に電車が到着した。

デリーに到着する前に何度も確認したものがある。
それはインドの日本人宿・サンタナが提供していた注意喚起マップである。

嘘つきインド人が多く出没する場所や、ホームから宿がある地域へストレートに出るルート、騙しのパターンなど、これまで多くの日本人が被害に遭って来たことをよく理解し作られたものであった。

これを何度も確認し"とりあえずサンタナまでは話しかけられても一切無視"を心に決めて、駅を出る。

"コンニチワー!""トゥクトゥク!"、ちらほら声は聞こえてくるが、思ったより話しかけて来るインド人は少なく、あっけなく日本人宿・サンタナには着いた。

レセプションで、管理人の日本人の男の子に価格を聞き、部屋の雰囲気を見せてもらう。デリーの宿は、部屋の割に値段が安くなく、私は次の中央アジアのためにお金をできるだけ残したかったので、目を付けていたもう一つの宿に宿泊にすることにした。

インド出国まであと4日。最後までぼったくられないで過ごせるか、無事に着いてホッとしているがまだまだ不安だった。

デリー2日目。
デリーではみっちり観光することは考えていなかったが少しだけ観光することにした。メトロを使い、「コンノート・プレイス」という地域へ向かう。

すでに私のスマホのプリペイドSIMは切れているが、最近GPSの調子も安定している。

メトロの出口から地上に出て、オフライン地図を参考にまずは"ジャンタル・マンタル"という天文台へ向かう。

"ジャンタル・マンタル"は、ジャイプルのものの方が大きいらしいが、特に天文学に興味がない私は、(デリーの方が大都市とミスマッチで絵的におもしろそう)という理由であえてデリーで見ることに決めていた。

歩いていると1人のインド人に話しかけられた。
「この道には観光地も大きなバザールもないよ。ここを曲がってまっすぐ行って左に行くと観光案内所があるからそこで相談するといい。僕の言ってること理解できてる?来て!」と右の方角を指された。「あ、そうなの。サンキューサンキュー」と言って右に行こうと思ったが、(オフライン地図でさっき確認したのに違っていたのかな)と思い、再度確認したら自分が歩いていた方向で間違いなかった。するとインド人は「君、地図見てるのかい!?」と言って去って行った。

危うく引っ掛かりそうになったが、この「コンノート・プレイス」はこう言って偽の観光案内所に連れて行き、高額なツアーに申し込ませる詐欺が横行している地域なのである。

引っ掛からなくてよかったが、この名物的な"嘘つきインド人"に会えたことは私にとって記念である。しかし、今ほとんどのバックパッカーはオフライン地図を使っているからもうその手法には限界があると思う。

無事に目的地"ジャンタル・マンタル"に着いた。予想通り、ビルとの組み合わせがいい感じ。表記してある解説は英語だし、日本語でもバカな私にはたぶん理解不能。

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あとは、高級なお店が並ぶ通りを一通りぶらりと周り、再び地下鉄に乗って無事に騙されることなく、デリー2日目は幕を閉じた。

デリー3日目。
今日のミッションは、空港までのルートの予習。
フライトは早朝だし、当日に大きな荷物を持って迷ったり、騙されることのないようにしたいからだ。

再び、インドの日本人宿・サンタナが提供していた注意喚起マップを確認しながら、それに沿って空港に直行するエアポートメトロのニューデリー駅を目指す。

最初にニューデリー駅に着いて宿に向かった時は、正直(なんでこんなところで騙されるの?)と思っていたが、エアポートメトロのニューデリー駅から宿に向かうまでのルートはなかなかややこしいものだった。

初めてインドに来て、エアポートメトロでニューデリー駅に降り立ち、到着早々騙される人が多いのは納得できる状況だった。

デリー4日目。
いよいよ明日インドを発つ。その前に増えた荷物、もういらないものを日本に送りたかった。ついでにお土産も入れようと昨日のうちに買っておいた。段ボールは宿の近くに無造作においてあったものを組み立てずに持ってきた。

インドを旅した旅人達のブログを参考に地下鉄に乗って郵便局のある地域へ。デリー初日に日本人の男の子とその友達のインド人と一緒に行った、シク教の寺院・バングラ・サヒーブ・グルドワーラーの近辺だった。

しかし、郵便局が見つからない。ぐるぐるぐるぐる回ってようやく辿り着いた。噂通り、白い布に包んで私の荷物は送られていった。

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また私は慌てていたのか、ふと自分のバッグの中を見ると、もう不要になるから日本に送りたかった「地球の歩き方・インド」が残っていて愕然とした。もう遅い。

これで、デリーでのミッションは完了した。
明日の朝インドを発ち、初の中央アジア・キルギスへ向かう。

※2016年10月7日~10日 インド・デリー
「Over30女子バックパックでアジア周遊」

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