謙遜と言う名の嘘
私がキルギス入りしてから3日後に初雪が観測され、その後は曇ったり、雪が降ったり、ずっと冴えない天気が続いていた。
そんな中だったが、ウズベキスタンビザ取得の申請をしに行った。ビザの受領は3営業日後。その日までの間、奇跡的に晴れの日が当てはまったので、私はルームメイトと4人で小旅行へ行くことにした。
行き先は、透明度世界二位の湖・イシク・クル湖のそばの「カラコル」だ。
ゲストハウスで迎えた出発の朝、予定時刻を大幅に過ぎて出発し、降車場所を間違えて、乗り継ぎに失敗し、カラコルに着いた頃には真っ暗だった。
そんな中、友達から推薦してもらっていたゲストハウス「ホステル・ドム」は、これまでにない清潔感と設備の良さ、朝ご飯のボリューム等、パーフェクトで大満足だった。いつも汚い最安値の宿に泊まっている私だが、キレイだとやっぱり嬉しいのである。
さらに、ここカラコルの名物料理「アシュランフ」が、これまで食べた中央アジアになかった味わいの料理でおいしく値段も格安(約75円)なことに驚いた。酸っぱ辛いスープに、冷麺とところてんがのっている。しかし、入っているところてんの太さによってこの料理のおいしさはかなり左右される。
ベストシーズンであれば、アルティンアラシャンでハイキングをしたり、イシク・クル湖の湖畔でのんびりしたり、遊牧民のテント(ユルタ)がある光景が見られたりするのだが、私達は今すでに極寒の季節にいる。
とりあえず太陽のある日は狙ってきていたので、日のあるうちに、木造のホリー・トリニティ大聖堂やドンガンモスク、バザール、足を延ばしてイシク・クル湖、キルギスのグランドキャニオンと呼ばれているスカスカという観光地を巡った。
そして、翌日、ホームであるビシュケクのゲストハウスでの沈没生活を再開する予定だったのだが、私は思いのほか早くビシュケクを離れることになるのだった。
私がこの頃感じていたこと。それは…
「日本人は超ウソつき」だと言うこと。
私が日本人に「英語、結構話せるの?」と聞くと「全然喋れない」とかいう返事がたいてい帰ってくる。しかし、いざ外国人が来るとすごく流暢に英語を話す。
私の“英語話せるレベル"の基準が低いのか、どれだけ話せれば「全然喋れない」と言わなくて済むのか、この「全然喋れない」という表現がすごくひっかかるようになって来ていた。それだけ話せるなら「ある程度は~」とか「日常会話程度なら~」という表現に変えてもいいんじゃないかと思ってしまう。
そんな戸惑いを感じながらも、「全然喋れない」という彼らには随分助けられ、楽しい思い出ができた。心から感謝しております。
※2016年10月15日~17日 キルギス・カラコル
「Over30女子バックパックでアジア周遊」
いただいたサポートの使い道は今後の旅資金とさせていただき、皆様に旅情報や体験談を共有させていただきます。