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インドに入る前と入った後

2016年10月10日。
一時帰国はしたが、トータル80日間のインド旅が幕を閉じる。

とはいえ、また来たくなったら戻ってこればいいと思っている。

当初、インド訪問の目的は、「ガンジス川で沐浴」「タージマハル」「民族衣装のサリーを着る」この3つ。(いくら怖くてもこれだけは頑張って達成して来よう)そう心に決めていた。

そして、入国したインド初日。
私は、インド3回目の訪問の日本人女子と一緒だったが、彼女が私に言う。「見て見て、みんな見てる!」。(そんなバカな)と思って周りを見渡すと、黒い肌に大きな瞳のインド人達が私達の方をガン見!しかも、私達がそれに気づいているのに全く視線をそらしてくれない。これが1つ目のカルチャーショック。

親切な駅員さんが、電車の指定席へ案内してくれ、私達は無事にバラナシ行きの電車へ乗り込んだ。電車は走り出した。席は満席、私達の隣にはインド人家族もいて和やかな雰囲気。

インドの電車の中は「チャーイ・チャイ・チャイ・チャーイ」とミルクティーを売る声や「サモサ・サモサ・ガラムサモサ」と出来立て熱々のサモサという食べ物を売る声、女装をして商売をする大きなインド人男や、出来損ないのパフォーマンスをしてチップをせびる子供など、いろんな人物が登場する。

私達もチャイとサモサを買う。周りのインド人も買う。子供がゴミを私の向かいの男性に渡すと、男性は窓の外にポイッと捨てる。子供の母は子供に「ほら、"ありがとう"と言いなさい」と言ったしぐさを見せ、子供は男性に「ありがとう」と言う。インドでは線路がゴミ箱。見ると外はゴミだらけ。ただし捨てるにもタイミングがあるような気がする。これが2つ目のカルチャーショック。

友達がインド人家族と仲良く話している。この子は本当に誰とでも仲良くなるのが上手だ。私達が「バラナシに行く」と言うと、周りのインド人数人も色々話をして来た。しかし、まだまだバラナシには着かない。どんどん夜が深まっていく。朝一にネパールを出発して、ローカルバスを乗り継いでインドに辿り着いた私達も疲れがピークに達している。

うとうとしつつ、ぼんやりしていると目の前に"V"から始まるバラナシらしき看板が見えた。(え?バラナシ?!でもみんな私達がバラナシに向かっているって知っているはずなのに言わないから違うのかな)寝ている友達を起こし「ねぇねぇ、バラナシ着いたっぽいんだけど違うのかなー」2人で注意深く窓の外を見ると、止まる直前にやはりバラナシと書いてある看板を発見。慌てて荷物を抱えて電車から降りた。インド人、散々目的地を聞いてくる割に着いても教えてくれない。これが3つ目のカルチャーショック。

そして、私達は無事に最初の目的地・バラナシに着けたのだが、私があまりにも怖がっていて「インドを地獄だと思っているの?」と聞かれるほどだった。

それだけ恐れていたが、いざ入国したインドは、女性のサリーがいたるところになびくカラフルな国。街中の色使いやデザインも可愛く見ているだけでワクワクする。ベジタリアンの割合が多く、ご飯は野菜とスパイスが中心で健康的。話しかけてくるインド人はどうであれ、道を聞けばちゃんと教えてくれるし、私が怒っても平然としていて、悪い言い方をすると鈍感、良い言い方をすると器が大きいというか大らかな人が多い。

"ネパール人はインド人より笑顔がいい。インド人はニコニコしない"とも噂では聞いていたが、これは全く違う結果だった。インド人は冗談やギャグが好きだしよく喋るし笑う。そしてスーパーポジティブな人が多い。きっと、そういう話をしていた彼の"騙されないぞ"という表情から、相手の顔もこわばっていたのではないかと思う。ただし、インド人はカメラを向けると笑わない。真顔で写真に写りたがる。その理由を聞いてみたところ、「インド人は写真を撮るとき真剣だからだ」と言う。

一時帰国し、2度目のインドでは、南から入りハンピまで行ったら、一気に北上し、陸路入国できる時期が限られている「レー」「ラダック地方」やヨガで有名な「リシュケシュ」を訪れる予定を立てていた。

しかし、西インドやラジャスターン地方などが気になり、素通りするのが惜しく経由することにした。私がラジャスターン地方に入る直前に、「レー」「ラダック地方」は冬季に入り陸路は封鎖された。

私は「レー」「ラダック地方」に行くのは諦め、冬が来る前に、次の行先に決めていた中央アジア・キルギスに向かうことにした。インドを満喫してかなりギリギリの時期になってしまっていた。

インドに行った旅人は、2つの派閥に分かれやすい。
「インド大好き派」「インド大嫌い派」
私は、間違いなく前者の「インド大好き派」。

正直、ゴミだらけだし、男の人は至る所でおしっこしていて臭いし、牛も牛の糞も至る所にあるし、人は多いし、物乞いは多いし、リキシャーやトゥクトゥクのドライバーはチップを要求してきたり、ふっかけてきたり…

面倒くさいのに、インドという国は人を虜にするスゴイ国。
また行きたいけど、次に行く勇気がなかなか沸かない国でもある。

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※2016年6月2日~28日、8月18日~10月10日 インド
「Over30女子バックパックでアジア周遊」

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