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MUP WEEK9 【論理的思考スキル 前編】

今日の結論:
【「掛け算の法則」スキルがあっても論理的思考スキルがなければ無意味 】

今回は論理的思考スキルについてお話ししていきますが、そもそも論理的思考スキルとはなにかということをまずお伝えします。

論理的思考スキルは俗に「ロジカルシンキング」とも呼ばれています。
このロジカルシンキング(論理的思考スキル)とはビジネスを行う上でとても重要なものです。
これは「掛け算」の関係で、どんな100点満点の資料を作れるスキルを持っていようが論理的に話したり組み立てたりする思考力が0だと、この100点の資料も【100×0=0】になってしまうんです。
これはビジネスの世界では全く生きていけません。
実際にこの論理的思考スキルをどうやって身につけていくのかという部分を今回話していきます。
この「論理的思考スキル」はかなり重要になってくるので前半と後半に分けて話します。
前半の部分では、
【どうやってこのスキルをつけていくのか】
後半の部分では、
【このスキルを生かしてどうやってビジネスを設計していくのか】
このパートだけで実際に企画書程度のものははかけるようになります。

はじめに言っておきますが、かなり難しい分野です。
難しいからこそ重要な部分ですので一緒に学んでいきましょう。

【ラーメン屋の売上と利益】

みなさんはラーメン屋に行きました。
・座席数は13席です。
・場所は浜松町駅付近です。
・従業員数は3人です。
・ラーメンの価格は650円です。

では、みなさんに問題です。
このラーメン屋の売上と利益はいくらぐらいでしょうか?

先を読まずに一度考えてみてください。


答えはこうです。





売上は誰にも分からないです。

答えの前にそもそも、この問いに答えが合う人はいません。
ただ、この論理的思考スキル(ロジカルシンキング)のベースとなるような考え方というのは、「答え」の正解・不正解ではなく「考え方」の正解・不正解を見る思考力(フェルミ推定)というものが大事です。
売上いくらですか? →100万円です。
ということを聞いているのではなく、
なぜこの100万円という答えにたどり着いたのか?
どのようなロジックでそこにたどり着いたのか?
この100万円が正解・不正解ということではなく、そのロジックが正解なのか不正解なのかということが重要なのです。

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まずは、ラーメン屋の売上に関する要素というものを書き出してみます。
答えの正解・不正解でないのであれば数字は入れません。
この売上はいくらなのか、利益はいくらなのか。このグラフの書き方というのが必要です。
次に要素分解をしていきます。
売上が立つのに【平日の売上】と【週末の売上】というのはまず大きく違います。
その次に【ランチ】と【夜】というのも客単価でその売上も違ってきます。
なのであれば、【平日のランチ・夜】【週末のランチ・夜】と4つに分解ができます。

次に、実際に売上に関係してくるものは【席の回転数】【来店数】【客単価】です。
これがその1日の売上に関係するもので、それが月の売上になるのであればそこに【営業日】も追加されます。そして【原価】【コスト】というものが【経費】になります。全体的な【売上】と【経費】が出たら【売上-利益】=【利益】が出ます。このように要素分解してください。
このフレームワークさえ作っておけば「このラーメン屋の売上はいくらですか?」と聞いた時にここに数字を入れていくだけの作業で正解が見えてくるようになるのです。


【顧客の視点を論理的に証明したり、追求することはビジネスでは必要不可欠】

例えばみなさんがラーメン屋を出店する時に、「なんでこの立地がいいんですか?」と聞かれた時に、なんとなく…と答えるオーナーが多いです。
それだと間違いなく潰れます。
じゃあ「なんでこのサービスをやるんですか?」「なんでこの事業をやるんですか?」と聞かれて、なんとなく…ではなく「〇〇だから〇〇ですよ」と論理的な思考の説明や証明をすることが必ずビジネスを成功に導きます。

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このようにフレームワークさえ作っておけば、そこに数字だけ当てはめれば答えは出ます。
ロジカルシンキングというのはこの式の正解・不正解であって、答えの正解・不正解というのは結果論なので今は見なくていいです。
一番大事なのはこの【式】をわかっておくことです。
そうすることでどんなビジネスにも対応できていくのです。


【コペルニクスの地動説思考がビジネスでは最重要】

人間っていうのは自分中心に物事が回っているとなぜか考えてしまう生き物です。
例えば、昔の人は「地球を中心に惑星が回っている」という天動説を唱えていました。
地球が太陽に「なんで俺の周りをぐるぐる回っているんだ」と言うんだけれども、太陽からしたら「いや1人で回っているのは君だよ」という話なんです。
実際に「ここに出店すれば絶対成功するだろう」という「〇〇だろう」という考え方や自分の事業に対する思い込みというのはワクワクしてしまうものであり、情熱的になってしまうものです。
しかし、一回冷静になって考えてみてください。
みなさんがショッピングに行って、なにか服を買おうとした時にそこで買わずに冷静になって、1日待ってみてください。
それが一回冷静になって考えてみると実はいらない服だったりします。
他には、「あの子めちゃめちゃ可愛いな」と思っていたけど一回冷静になって話してみたり見てみたりすると、「いや、ちょっと違ったな」ということもあると思います。
このように人間っていうのは、一時的な感情でマインドがヒートアップしてしまい、なぜか自分が思っている以上のことを想像してしまいます。
ですので、自分の事業に対する思い込みは一旦捨ててください。
そして、「自分の見える視点というのは決して正しくない」と常に疑い続けてください。
この【疑う】とは何かというと、先ほど言ったことで
【顧客に視点を論理的に証明、追求すること】
これがビジネスを行う上で最も重要なことなのです。

【人は物事をドラマチック化してしまう習性がある】

なぜ自分の事業がうまくいかなくなってしまうのか?
それは、人間というのは思い込みを頭の中で「ドラマチック化」してしまう習性があるからです。

では、みなさんに質問します。
【世界で予防接種を受けられていない子供達は何%いるでしょうか?】
→「A :20% B :50% C :80%」

この世界ではテロリストの爆撃だったりと色々な子供たちが難民になったりなど、ものすごく多くのネガティブなニュースが流れています。
世界で予防接種の受けられない子供達は何%か?
→正解は【20%】です。

おそらくみなさんは半分ぐらいかな?80%ぐらいかな?と思っていたのではないでしょうか?
実は世界で予防接種を受けられない子供達は20%です。
言ってしまえば、他の80%の子供達は予防接種を受けられているんです。
これは、世界の状況を自分の頭の中でただドラマチック化してしまっているからです。
先程と同じ質問内容で、『ハンス博士の質問正解率』というものがあります。
どんなに高学歴だろうが、学者だろうが、政治家だろうが、どんなに頭のいい人達に同じ質問をしても「10%」ぐらいの人しか正解しません。
これがなぜかというと、やはりドラマチックに物事を見る本能が人間にはあるからなんです。
私たちというのは実際に爆撃された被災地の映像だったり、飢餓で苦しむ人たちをテレビの画面上で見てしまうと、「世界はこういうものなんだな」と脳に埋めつけてしまうのです。
しかし、一旦冷静にデータで見てみるとしっかり80%の子供が予防摂取を受けられているというのが現実なんです。

このような思い込みというのは絶対に捨てないといけません。
【自分の考え=正しい】ということではなく、人の考えというのを人の考えとマッチングさせて、それを倫理的に証明していくことがビジネスで100%うまくいく条件です。


【捨てないといけない思考】

この条件を成立させるためには2つの「本能」を捨てなければなりません。
1つ目は【分断本能】2つ目は【ネガティブ本能】です。
この2つの本能を捨てないと何もうまくいきません。

ではまず、【分断思考】から見ていきましょう。

私たち「人」っていうのはなぜか物事を2つに分けたがります。
例えば、
【金持ちor貧乏】
【先進国or途上国】
【幸せor不幸】【勝ち組or負け組】
【サラリーマンorフリーランス】
などこのように物事を2つに分けたがるのです。

しかし、実際には【金持ちと貧乏】この2つに分けられるほどこの世界は単純ではありません。

【金持ちor貧乏】
→日本なんて中間層がほとんど
【先進国or途上国】
→どんどん途上国も先進国に近づいてきている
【幸せor不幸】
【勝ち組or負け組】
→人の価値観による
【サラリーマンorフリーランス】
→サラリーマンやりながらフリーランスを兼業している人もいる

このように世の中は単純に2つに分けられません。
「黒」か「白」という前にその間には「灰色」だったり「ホワイトグレー」だったりとグラデーションがあります。
だからこそ【グラデーションの理解】というのはビジネスでは絶対に必要不可欠なんです。

【まず人間の分断本能をなくすことが大事】

じゃあなぜ2つに分けているとビジネスが成功しないかを説明します。

例えばみなさんが飲食店を作りたいとしましょう。
飲食店は立地がとても重要ですよね。
立地が大事だと思った時になぜか2つに分けてしまうのが【交通量】です。
【交通量が多い=良い】【交通量が少ない=悪い】というような分け方を多くの人がしてしまいます。
しかし、「交通量が多いということにネガティブな面はないのか?」
ここを疑う人がいません。
「交通量が少ないことにポジティブな面はないのか?」
ここを考える人も少ないです。

例えば、交通量が多いとどうなるでしょうか?
・家賃が高くなる
・人がたくさん必要になる=人件費などのコストが上がる
これはネガティブな面です。

じゃあ反対にポジティブな面で、交通量が少ないとどうなるでしょうか?
・家賃が安くなる
・人もそこまでいらない=コストが下げられる
・デリバリー系にも専念できる=店舗に来てくれた人には質のいい接客ができる

このようにネガティブなことだけではなくお客様とWinWinになることも多いです。
実際に飲食店で競合に負けているところは、売上は高くてもその分の材料費や人件費などの経費が増えることによって倒産してしまうことがほとんどです。
逆に、交通量が少ない街中でなぜかすごい長く続いている中華屋とかありますよね。
そういうところは売上は少ないですがその分経費も少ないです。

そもそもビジネスというのはどれだけ売り上げを出せたかではなく、どれだけ売り上げたものを残すかが重要です。
このように【交通量が多い=良い】【交通量が少ない=悪い】と2つに分断していると何もうまくいきません。
分断したものをもっと細分化してグラデーションを考えてみてください。
だからこそ一つ目の【分断本能】というものは捨てなくてはいけないのです。


【ネガティブ本能】

2つめの本能は先ほどお伝えした通り【ネガティブ本能】です。
ネガティブ本能とはなにか。これは【共感】です。
人間は色々なことに共感しますが、共感する時には「ネガティブ」なことにとても敏感に反応します。

例えば、『保育園落ちた死ね事件』覚えていますか?
これはなにかというと、自分の子供が保育園に入れなくてSNSで「保育園落ちた死ね」と投稿したら同じお母さんたちがすごい共感して、一気にバズったというものです。
しかし、「保育園入れたよかった!」というのは投稿しても決してバズりませんよね。
人っていうのはネガティブなことにはものすごく敏感でとても多くの共感が得られます。
例えば、世界中ではよくテレビで感染症だったり子供の死亡率だったり戦争での死者数だったりとネガティブなことが放送されます。
しかし、実際には感染症というのはとても減っているし、子供の死亡率も半分ぐらいになっているし、戦争の死者数というのも第二次世界対戦の頃と比べるとほんの数%になっています。

このように、いいことに目を向けないで人々はメディアに騙されてしまっているのです。

メディアというのはネガティブセンサーのコントロールのスペシャリストです。
例えば、交通事故を起こして子供が1人亡くなってしまったとします。
このようなニュースってたまに目にしたことありませんか?
このニュースで重要なことは「交通事故が起きたこと」「子供が1人なくなってしまったこと」この2つがニュースで知るべきことです。
しかしメディアというのはそこで、なぜか遺族のインタビューだったりお母さんが泣いているシーンを撮ったりするのです。
だけれどもそれは本質的には必要ないものですよね。
【交通事故で子供がなくなった】これだけ分かればニュースです。
【お母さんが悲しい】というのは事実的にはいらない要素です。

じゃあなんでこのように放送するかというと、先ほども言ったように「大衆」というのはネガティブなものに共感したり興味を示すからです。
だからこそお母さんが泣いているシーンで共感や興味を獲得して視聴率を上げるのです。
このようなものが画面上で「ネガティブ」に放送されるから私たちというのは「この世界はどんどん悪くなっている」とネガティブなイメージを持ってしまうんです。
自分の目に入るものは絶対にいつでも疑わないといけません。

とてもいい例があるので紹介します。
2018年にソフトバンクで大規模な通信障害が起こったことを覚えていますか?

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メディアでもニュースでも
【ソフトバンク 通信障害後の5日間で1万件以上の解約】
と報道されましたが、これについてちょっと冷静に考えてみましょう。
実際に調べてみると、このようなデータが出ました。
日本には1億7000万回線があります。そのうちの23%が『ソフトバンク』です。
ということは『ソフトバンク』は日本で4000万回線ぐらいとなります。
年間の解約率は2%ですので年間で78万2000件の解約があります。
この年間78万2000解約を365日で割ると1日あたり2142件の解約になります。
ということは5日間で1万件解約というのは普段から起こっている事であり、通信障害のせいではないということがわかります。
このようにメディアというのはなぜかネガティブなことを発信しよう発信しようと必死なんです。
だからこそ普段見るもの普段聞くものを一回疑ってみてその下調べをして、このようにロジカルに考えてみてください。
そうすることで事実がわかり、データ化できる。データ化することで成功するのです。このようにビジネスは作っていかないといけません。

先ほども言いましたが、メディアの裏付けというものがとても重要です。
泣いているお母さんの映像を見て「かわいそうだな」と思う、自分の感情や感覚を定量化して証明してください。
これがこの論理的思考スキルでは重要であり、むしろそのものです。


次回予告:【論理的思考スキル 後編】

前編で話した内容を通じてこの後サービスの設計をしていきます。
感情に流されずにサービス定量化してロジカルに設計していくとどんなサービスでも、今後みなさんがどういうことをやろうとしてでもうまくいくということを次回詳しく話していきます。

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