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【スポーツで人は死ぬ】 サッカー中に起きた脳震盪


こんにちは。魂男です!

カタールW杯は神の子メッシ率いるアルゼンチンが優勝しましたね!

史上最高の決勝戦とも呼ぶくらい激アツな試合展開でした。

この決勝戦のみならず、刺激ある1ヶ月になりましたね!


さて皆さんはタイトルにもある 脳震盪 をご存じでしょうか?

W杯でも何人かの選手が脳震盪による負傷交代をしていました。

今回は私自身がトレーナーとして対応した受傷例をもとに脳震盪について話していこうと思います。


脳震盪とは


脳震盪とは
頭部に直接的な打撃や急激に頭部が揺すられ、
それらによって起こった脳組織への「ひずみ」が脳の機能障害をきたし
精神活動が障害されること  

です。

症状としては頭痛・意識消失や精神の混乱(ぼーっとする)、
感情が荒くなったり、健忘(記憶がなくなる)など
様々です。

一見、普通に見えたとしてもコミュニケーションを取ろうとすると、
呂律が回らなかったり、訳のわからないことを言っていることもあるので、
時間をかけての観察が必要になります。


脳震盪の危険性

まず初めに、脳震盪の疑いがある場合には、すぐに運動を中止しなくてはなりません。

なぜなら人が死んでしまう からです。

受傷後の脳内血腫スピードによっては、脳ヘルニアという状態になり
意識障害、呼吸停止に陥ります。

病態が悪化すれば救命率は50%以下とも言われています。

なのでスポーツ中のみならず、
頭を打ったりした後、明らかに様子が変だなと判断した場合は医療機関を受診してください。

またその時は大丈夫だと判断しても、時間経過とともに様子が急変することもあるので注意が必要です。

過去にもスポーツ現場において、脳震盪による死亡事故は多発しており、
どこで起きてもおかしくないと考えられます。

実際にあった脳震盪

私自身トレーナーとしてサッカー現場に携わっており、
何度か脳震盪の対応経験もあります。

症状は本当に様々で、試合終了後に症状が出た選手もいれば、
受傷と同時にその場に倒れた選手もいました。


私がトレーナー学生の時に対応した話です。

サッカーの試合中、空中のヘディングの場面で自チームの選手(K選手)の頭と
相手の頭がぶつかってしまいました。

タイミング的にはK選手が遅れて飛んだため、こちらのファールになってしまう場面ですがそんなのはトレーナーとして関係ありません。

試合は止まり、すぐにK選手の元へ駆けつけました。

K選手は頭を抱えて「痛い痛い」と発しており、
私は脳震盪時の対応マニュアルに則り対応しました。

ちゃんと受傷シーンを説明できるのか。
体をいきなり動かすのは危険ですから、まずは何があったのか本人から聞きます。

本人は痛みが強かったのか呼吸を荒げながら必死に説明してくれました。

その後、歩けることを確認してピッチ外へ。

その後、評価を進んでいく中で
頭痛・試合以前の記憶消失(健忘)・吐き気、目の瞳孔が泳いでいる
といった症状を確認しました。

緊急性が高いと判断し、他のスタッフと連携のもと119番への連絡をしました。

その1分後、K選手は症状が一気に悪化し横向きになります。

意識がどんどん薄くなっていき、何度か嘔吐もしました。

当時の私は、意識を保たせるためにK選手にずっと話しかけており
目を瞑らせたら終わりだと思い、その時はとにかく必死でした。


自分の対応が本当に合っているのかも自信が持てず、
「早く救急車来てくれ!K選手が死んでしまう。。」
とただただ思っているだけでした。


救急車の到着後、救急隊に情報を引き継ぎ、近くの病院へと搬送されました。

結果的に大事には至らず、k選手も脳震盪の復帰プログラム
を経て、無事に競技復帰できました。


この経験は私のトレーナー人生にとって大きな教訓になりました。

スポーツで人は死ぬ ということ。

そしてそれを助けるのが我々トレーナーの仕事 ということ。

あの場面で手が震えていた私。
もしあの時K選手が死んでいたら?
もっと知識があれば。勉強していればやれることはあったんじゃないか?

あの時のことを振り返るとスポーツ現場は危険な場所
という認識が強くなります。

今ではその意識が日々の勉強へのモチベーションにもなっています。

トレーナーとして、
選手の命とキャリア生命 の両方を守るのがトレーナーだと考えています。

日本・世界の医療とスポーツ科学が日々進歩していくように
一日一日を私自身学びに注力していきたいと思います。


また最後になりますが、頭部の怪我は本当に危険なものです。
何度も言いますが、少しでも怪しいなと感じた際には迷わず医療機関を受診してください。

脳震盪を疑うことが死亡事故防止に繋がると強く思っています。


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