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誰も道具の奴隷になることはできない (第2部:ビデオゲーム編)

最近、忍足 みかん(Twitter:@mikanoshidari)氏の代表的な著書『#スマホの奴隷をやめたくて』の新バージョンである文庫版を購入したり、一方で、世界中の多くの人が遊んでいる、と同時に、課金やプレイのマナーに関するトラブル報告が特に目立つビデオゲーム『Fortnite』の運営・開発元事業体に懲罰金が課される時事があったりしたので、過去にこれらのことに触れたnoteの拙稿も再編成する時期になったと感じた。
本稿では、前述の目的を踏まえて、ひとがビデオゲームやWebサービスといった、いわゆる「ICTサービスの奴隷になる事象」に関する私見を述べていきたい。
第2部は「ビデオゲーム編」だ。

第1部「スマートフォン編」はこちら

『Fortnite』については、お子様がいらっしゃる親御さんなら、その名を聞いた瞬間身構えてしまうだろう。子どもをゲーム行動症にさせ、子どもから多額のお金を吸い取る超問題作として、世界中で名を轟かせているからだ。
その問題となる事象の背景の理解に必要なので、まずは『Fortnite』の概要を紹介する。

Fortniteフォートナイト』ってどんなゲーム?

本校執筆時点で特にキッズに大人気のビデオゲーム『Fortnite(CEROでは15歳以上、ESRBでは13歳以上、PEGIでは12歳以上推奨)』は、自分が操作するキャラクターを少し後ろから離れた視点で見ながら操作し、戦争ごっこを行うゲームだ。

補足:CEROは日本国、ESRBは主にUSA地域、PEGIは主にEU地域で流通されるビデオゲームのレーティング指標の名称。それぞれでレーティングの基準は異なる。

Fortniteのプレイ画面

ゲームのメインは「バトルロイヤルモード」だ。これを選んでゲームを始めると、自身を含めてプレイフィールドに最大100人のプレイヤーが放り出される。バトルロイヤルモードの勝利条件はたった1つ。それは、自分もしくは自分が所属しているチームのプレイヤーを最後まで生存させることだ。プレイフィールドには、相手をプレイフィールドから退場させるために必要な武装と、自身の立ち位置を有利にするための素材がそこかしこに配されている。それらを状況に応じて活用し、生き残りを図る。
一試合は25分程度で終わるように設計されている。
『Fortnite』は、その素材の活用の仕方に特色がある。素材は、ゲームタイトルの「Fort (Fortress=砦)」にもあるように、秘密基地よろしく防衛・攻撃拠点を構築するため、あるいは、移動の支援の足場作りのために使う。従来の戦争ごっこゲーム(『DOOMドゥーム』など)は、運営側が用意したプレイフィールド内の障害物しか防衛や移動支援の手段として使うことができなかったが、『Fortnite』ではそれを自由にプレイヤーが構築できる。

その意味では、『Fortnite』は、国内では子どもから排除されて久しい「建築廃材やガラクタが散らばっている空き地で秘密基地を作って戦争ごっこをしていた、昔のキッズのリアル世界での外遊び」をデジタル空間に再現した作品といえる。これが、プレイの自由度を拡張するよう機能し、ユーザーに好評だったため、爆発的な大ヒットにつながった。

『Fortnite』は、対戦目的以外でも楽しめる。「パーティーロイヤルモード」では、対戦以外のイベントが開催されており、対戦が苦手な方やゲームに関心がない方でも楽しめる空間になっている。実際、星野 源氏ら著名アーティストのライブコンサートも行われている。固有のプレイフィールドを使いプレイヤーが自由にミニゲームを作成・公開できる「クリエイティブモード」の成功も相まって、『Fortnite』は、メタバースサービス分野を牽引するリファレンスモデルとして注目されている。

『Fortnite』の特徴的なシステム

1.課金体系

『Fortnite』の課金体系(Free-to-play)は、ゲームの進行に影響を与えないように構築されている。日本国内のスマートフォン用ゲーム市場でいまだに採用が多く、コンプリートガチャなどの深刻な法的問題を起こした課金体系(Pay-to-win)は、『Fortnite』では採用されていない。そんな『Fortnite』の課金体系は、下表のとおりだ。

『Fortnite』は、作品自体のライセンス価格は0円なので、運営側は、ゲーム内で開発費を回収し利益を確保する必要がある。そのために設けられたゲーム内購入システムで扱う商品には、以下の2つがある。いずれも、一定額のゲーム内通貨と引き換えに入手できる。

課金対象1:スキン
プレイヤーキャラクター(以下、アバター)のオリジナリティーを強化させるアイテム群。アバターの外観、エモート(勝利した時、相手を称える時など特定のシーンで発動できるアバターの挙動)などの選択肢を拡張できる。アイテムの種類は多岐にわたるので、本稿では「スキン」と表現する。
所有するスキンの選択肢が多いほど、ゲーム内で「これが自分」というオリジナリティーを出せるため、ゲーム内における自身のアイデンティティーをより強固に確立、かつ、喧伝できる。
初めて『Fortnite』を起動したときに使用できるアバターには、特徴に乏しいスキンを被せられているので「これが自分」というアイデンティティーをゲーム内で確立しにくい。このため、初期スキンのプレイヤーはすぐに判別できる。スキン単体でも獲得できるが、課金体系表を見ればわかるように、相応のゲーム内通貨が必要だ。
サブスクリプションプランを契約したユーザーに対しては、契約/更新時のシーズンで配布されるスキン1点が無料で進呈される。
「シーズン」については後述する。

課金対象2:バトルパス
一般的には「シーズンパス」と言われる、『Fortnite』専用のゲーム内チケットを指す。これを取得することによって、バトルパス取得者限定ミッションにアクセスできたり、バトルパス取得者限定スキンを入手できたりする。このため、バトルパスを取得して遊ぶ方が、より多くのスキン、より珍しいスキンをより迅速に獲得できる利点がある。実際、バトルパスを取得して遊べるミッション経由でないと取得できないスキンも多くある。バトルパス単体の課金額に少し金額を上乗せすれば、アバターの初期レベルの強化といったほかの特典も付与される。
サブスクリプションプランを契約したユーザーに対しては、契約/更新時のシーズンで使えるバトルパスが自動で付与される特典が与えられる。
価格を抑えたい方向けには「スターターパック」の選択肢がある。ただし、バトルパスは別途購入になるため、スターターパックだけでは、得られるゲーム内アイテムが少ない欠点がある。

2. シーズン制の採用

シーズンが変わると、ゲーム自体に大規模更新がかけられ、獲得できるスキンが刷新される。と同時に、すべての登録ユーザーのアバターのレベルがリセットされる。バトルパスは買い直しが必要になる。

シーズン制自体は、名称こそ違うが、昨今ではこのシステムを採用している作品が増えている。シーズン移行時に全ユーザーのゲーム内レベルを初期化してゲームの鮮度を蘇らせることで、新規プレイヤーが参入しやすくなる利点があるからだ。ゆえに、シーズン制は、ビデオゲームをサービス化するための施策の1つといえる。

3. セキュリティー強度を高めると特典がもらえる

『Fortnite』にもアカウントの乗っ取りを防ぐため、サインイン時の認証工程を複雑化するシステムを備えている。『Fortnite』では、多段階認証が採用されている。これを設定したユーザーは、運営側からのお礼として、認証者限定スキンなどの報酬が与えられるほか、「ギフト」として、ほかのプレイヤーにスキンをプレゼントできるようになる。これ自体はよい施策だ。ただ、後者の特典については、後述する「運営側では予期されていない運用」がされている。

現在のキッズが課金している真の対象とは

以上、『Fortnite』のゲームシステムについて簡単に解説した。実は、ここまでの段階で、キッズが多額のお金を投入してまで『Fortnite』にハマる理由が散りばめられている。
まずは、以下の文章に注目いただきたい。

初めて『Fortnite』を起動したときに使用できるアバターには、特徴に乏しいスキンを被せられているので「これが自分」というアイデンティティーをゲーム内で確立しにくい

人間なら、コミュニティーや集団において、自身の存在や立ち位置を確立したいと感じるものだ。それは、ゲームコミュニティーでも同様だ。ゲーム内のプレイヤーは人間が操作するからだ。特に、集団の中で目立ちたいと思うキッズにとって、この特徴は堪える。
初期スキンの外観は得てしてダサい。それなのに、クラスメートの多くが遊んでいる。この環境において、初期スキンで無問題と割り切れるキッズはどれほどいるか、あなたがキッズだったらと仮定して考えていただきたい。まずはそこで課金してしまうだろう。「これが自分」というアイデンティティーを少しでも確立するために、だ。

ゲームコミュニティーといっても、最初のうちは「一緒に遊ぼう」と声がけされたり、誘ったりしたクラスメートが多いはずだ。これは、ゲームコミュニティーで確立したアイデンティティーの立ち位置が、ほぼそのまま、リアル世界における学級内の自分の「それ」に投影されることを意味する。

学級内の人間関係の状態は、グループとの関係性と、グループ内のヒエラルキーで構築される。グループとの関係において一定のアイデンティティーを確立できれば、人は、他者との差別化に移行するものだ。ここに『Fortnite』のシステムが絡んでくる。バトルパスだ。他者と差別化し、より目立つために、バトルパスを取得し、そのうえで、より珍しいスキンをより早く獲得しようとする。それが成功すると、学級内や学級内グループで自慢できるし、より上位のヒエラルキーに移動できる。あとは、その地位を維持、向上させるために、もっと多くの、もっと珍しいスキンをいち早く入手する-のサイクルをひたすら繰り返す。それは課金総額を跳ね上げる。

セキュリティーの強化ですら、そのサイクルに組み込まれている。以下の文章に注目していただきたい。

設定したユーザーは、「ギフト」として、ほかのプレイヤーにスキンをプレゼントできるようになる

このシステムの実際の運用状況を述べる。簡単に書くと、クラスメートが、二段階認証を終えた人からのギフトに「たかる」ようになるのだ。一度ギフトを与えると、学級内、もしくは、グループ内メンバーの友好度は上がるが、と同時に、この行為は、それを維持したり向上させたりするために、より多くの、より珍しいスキンを調達しなければならないスパイラルに自らを自動的に嵌める。クラスメートやグループ内メンバーが、それを期待しているからだ。ゆえに、ギフトを常時提供しないと友好度が下がり、仲間外れにされがちだ。
ゲームシステム上、バトルパスはシーズン更新ごとに1枚取得すれば十分なのだが、それでは、より多くの外観映えするスキンを迅速に取得できない。これをするためには、スキンを取得するために課金する以外の選択肢はない。結果として、課金総額を跳ね上げる。
つまり、人間関係のヒエラルキーを維持するために、二段階認証による特典が運用されている。『Fortnite』運営側は、安全にゲームを楽しんでほしいためにこの特典を用意したはずだ。だが、実際の運用方法は全く違っていたのだ(このような事態はゲーム制作者なら誰でも遭遇する可能性がある)。

学級内での人間関係が壊れて仲間外れになることは、昔も今も変わらない学生や生徒の最も懸念すべき悩みの1つだ。今のキッズの場合、それを維持する道具として『Fortnite』が運用されている。
以上の事実から、キッズは、一見『Fortnite』に課金をしているように見えるが、実はそうではない。キッズが課金している真の対象は、リアル世界での学校生活における人間関係ヒエラルキーの向上/維持なのだ。

これを一笑に付してはいけない。現在は、学校生活で重要な人間関係の維持のために『Fortnite』が触媒として使われているだけで、ここまで述べた「システム」は、近代学校制度という社会が始まったときから存在しているからだ。最近、その社会の在り方に新しい選択肢が生まれた。オンライン空間だ。
COVID-19の爆発的な感染拡大対策として普及した自宅勤務(在宅でのオンライン授業の受講)環境は、学級というリアル空間でのコミュニティーの形成過程をデジタル空間に体現させる事象を促進させた。『Fortnite』は、その空間の1つになっている。外遊びが制限されている中でオンライン空間にできた、友人と忌憚なく遊べる数少ない環境までもが大人の手で奪われたら、子どもは精神的に壊れてしまうだろう。

だから、大人がすることは、『Fortnite』を子どもから排除することではない。堂々と、偽りなく、マナーとルールを守って遊べるように案内することだ。

ここで、第1部における以下の文面を振り返っていただきたい。


ビデオゲームやスマートフォンをはじめとする道具やテクノロジーに、善悪はない。加えて、道具やテクノロジーは、使用者の意思を反映させたり拡張したりして出力する器でしかない

Fortniteに比肩する面白さを持つ同ジャンルの作品は多くある。『Apex Legendsエーペックス レジェンズ』、『スプラトゥーン』、『VALORANTヴァロラント』…、それでもなお、フォートナイトが多くのキッズから選ばれている。その背景は、すでに説明した。学校という社会に生きている以上、子どもの悩みに横たわる背景も世界共通だからだ。
日本では、キッズのバイブルと評される男性児童向け漫画雑誌がFortniteを推す特集をしばしば組んでいる。Fortniteに関心がなくても、クラスメートのコミュニティーから外され、下手を打てばいじめを受ける恐怖の事態が想定されるなら、漫画雑誌を介して強制的に関心を振り向けざるを得ない。結果、子どもは、Fortniteが稼働するICT機器とセットで保護者に導入を要求するか、こっそりとそれらを買ってしまうかもしれない。そして、『Fortnite』のプレイ画面に張り付いてしまうことになる。『LINE』の既読無視による人間関係の崩壊を恐れて、若い女性がスマホに張り付くのと同じように。

『Fortnite』は、その運用の形態から、キッズの人間関係の構築システムを投影した器でしかなかった。それは、覆すことのできない現実だ。
ゆえに、以下のことだけは確実に言えるだろう。

『Fortnite』からではなく、「クラスメートもしくはゲームコミュニティー内のフレンドに嫌われたくない」という子どもの内心から湧く“恐怖心”と、学級内もしくはゲームコミュニティー内の人間関係という“ゲーム空間を通してつながっている人間”から、子どもを『Fortnite』の世界に隷属させる、見えない枷や鎖が生えている。

この2つが、子どもを「Fortniteの奴隷」にさせる真犯人である

-と。

さいごに:訴訟を提起した側には“本当に”落ち度はないのか?

冒頭にも書いたが、『Fortnite』の開発・運営事業者であるEpic Games社は、ユーザーの保護者から訴訟を提起されている。

特に、2022年12月に提起された訴訟については、その直後、Epic Games社に対してUSAの政府機関が懲罰金を科す時事があったことから注目を集めている。制裁金の一部は、当該訴訟の和解金に充てられる可能性があるからだ。

「なんだ、やっぱ『Fortnite』ていうかEpic Gamesって会社、悪辣ゥ~」と感じた方は多いだろう。それはある意味的を得た感想だ。なぜなら、『Fortnite』のユーザーインターフェース設計の方針やゲームサーバーと送受信するデータの通信内容の一部が、法令に抵触していたからだ。前者は「ダークパターン」と呼ばれており、これに従ったユーザーインターフェース設計は、すべての情報通信サービスの開発事業者にとって禁忌とされている。

ビデオゲームのレーティング制度は当然ご存知ですよね?

『Fortnite』では、ダークパターンに基づいて設計されていた個所で、ユーザーの意思にそぐわない課金行為を故意に誘導していた。つまり、超高額課金の問題に関しては、Epic Games社にも原因があったのだ。

ダークパターンは事業体の経営方針に起因する問題だ。このことから、『Fortnite』自身がダークパターンを生んだと解釈してはならない。

参考:『はじめて学ぶ ビデオゲームの心理学』

にも」とお茶を濁した表記にしたが、これには理由がある。当該時事を扱った記事を精読すると「13歳未満の未成年ユーザーが~」とあるはずだ。翻って、『Fortnite』のレーティングは概ね13歳以上に設定されている。
記事内の当該表記は、保護者がレーティング制度やペアレンタルコントロール機能について無知であるか、それらを知っていながら故意に無効化している運用環境が多いことをEpic Games社が掌握していることを物語っている。

「無知」に関する日本の状況を鑑みれば、カナダでも相当数の運用環境にあてはまるだろう。

一方、法令違反の内容には、ペアレンタルコントロール機能の設定画面へのアクセスを故意に分かりにくくしたことが挙げられてはいる。ただし、その程度のことはWeb検索すればすぐ調べられるので「設定する意思がない」とも言える。日本の現状からみても、訴訟を起こした側の8割程度の人は、ここで門前払いを食らうだろう。

家庭内ルールを決めて、実運用は当然されていますよね?

加えて、家庭内ルールをきちんと決めてきちんと運用していたかに関しても問われる。ICT教育で得られる一般的な知見に従い、家庭内ルールには課金関係の内容も含まれているとEpic Games社は当然判断するだろうからだ。そこが「シロ」でないならば「すべきことをしていない状態で糾弾している」ため、逆にEpic Games社から糾弾される。
日本での状況を鑑みれば、カナダでも「シロ」の状態である運用環境の数はあまり期待できない。

つまり、原告団のうち8割程度の人は、証言台にすら立てない(と推測する)。

ここで聞きたい。日本国で同様の訴訟が提訴され、あなたが原告団に参加すると仮定した場合、あなたは、原告団の1人として、Epic Games社に糾弾される材料が全く存在しない原告として、証言台に立てる資格があるのかどうかを。
上のリンクから閲覧できる、惨憺たる数字が並んだ統計調査の結果を見て「愚問なりッ!我が家では関係ないわッ!!」と堂々と言えるだろうか。

日本国内で訴訟が提訴されないとしても、本稿で述べた「お子様がFortniteの奴隷になる真の原因」から目を背けていると、家庭内におけるICTサービスの運用ルールの本番運用を始めた刹那、エラー(ルールが簡単に破られる事象)が頻発する。そのエラーを防ぐには、正確、かつ、最新のICTの知識を学ぶとともに、Fortniteにかかわらず、子どもが普段遊んでいるビデオゲームを、可能ならお子様と一緒に遊んで、ゲームの特性や、お子様のプレイスタイルを知ることが最適解となる。そこで得られた知見は、守りやすく、かつ、破る気を起こしにくくする運用ルールの構築に大いに貢献するからだ。
それについては、機会を改めて述べたい。

最後に、大事なことなので、もう1度書く。

道具やテクノロジーには、「罪」も「善悪」も、ない。

参考資料など

  • セリア=ホテント(著作)/山根 信二(監訳)『はじめて学ぶ ビデオゲームの心理学』(福村出版)

  • 新 清士『メタバースビジネス覇権戦争』(NHK出版)

  • 吉川 徹『ゲーム・ネットの世界から離れられない子どもたち』(合同出版)






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