Study77.「ジャガイモ」ポタージュをおいしくする食材はなに?
今回の実験ではジャガイモポタージュをより美味しくするために、どの食材が合うのかを見ていきたいと思います。このポタージュは植物性の食材にこだわっているので、このことを考慮して合わせる食材を考えてみました。
※この実験は、冷凍ポタージュスープ「朝のひとくちめ」の開発に向けて行っています。
この記事は、地元の農家さんのことをみなさんに身近に感じてもらうことを目指して活動する学生団体「Kitchen Worcar(キッチンワーカー)」の佐々井と中川と渡部が、野菜Laboと共に実験から執筆まで行っています。同じ東広島で「食・農業」というキーワードで地域を盛り上げているパートナーです。Kitchen Worcarの活動について知りたい方はこちらのリンクから
まず、ジャガイモポタージュに合わせる食材をペーストにします。
使用する食材は以下の通りです。
・マッシュルーム 30g
うまみ成分であるグルタミン酸が豊富で、洋風のポタージュに合いそう
・クルミ 40g
ポタージュに香ばしさを加えてくれそう
・タマネギ 100g
他のジャガイモ料理を考えてもタマネギは美味しくなりそう
・シイタケ 60g ・エノキ 100g
この 2 つはコンソメなどの動物性の出汁の代わりに考えてみました
これらをペーストにしていきます。
マッシュルーム
米油2gとともに丸ごと弱火で15分炒めます。マッシュルームを丸ごと炒める理由は、切ってしまうとそこから変色していくからです。
粗熱を取ったあと水54gとともにミキサーで撹拌します。できたペーストを小さな気泡ができる程度の火加減に常に調節して、焦げ付かないように混ぜながら水分をできるだけ飛ばします。
ペーストの最終的な重さは25.2gでした。
クルミ
米油は使わず弱火で5分香りが出るまで炒めます。
粗熱を取った後、クルミだけでミキサーにかけましたがうまく回らなかったので、水43gほどとともにミキサーに入れます。
ペーストの最終的な重さは82.9gでした。
タマネギ
薄めにスライスをしてから米油3gとともに全体的に透明になるまで弱火で6 分炒めます。続いて、水100gを入れて3 分ほど弱火よりの中火で煮ます。この後の工程で、ミキサーをかけるときにある程度の水分が必要なため、写真くらいの水分を残します。
粗熱を取った後、ミキサーにかけます。
ペーストの最終的な重さは132gでした。
シイタケ
原木栽培のシイタケを用意しました。調理する前から小さなアリが2、3匹てくてく歩いていました。アリが来るほどおいしいシイタケなのだろうと思って 6、7 mm程度にスライスしてから米油 3gとともに炒めました。
すると、中から虫が 1 匹、2 匹、3 匹......!!（8 匹は出てきたかな?） 思ったよりたくさん出てきたので、今回の実験で使用するのはやめておきます...。
エノキ
半分に切ってから米油3gとともに弱火で炒めます。この時、しなしなになっても焦げ付かないようにさらに炒め続け、11分炒めました。この後、水を 50g程度加え、弱火よりの中火で2分煮ました。タマネギ同様、ミキサーにかけるため、水分をある程度残します。
粗熱を取った後、ミキサーにかけます。
最終的な重さは127gでした。
使用量、米油、最終重量をまとめると下のようになりました。
出来上がったペーストは、下のようになりました。
（左上：タマネギ、右上：ジャガイモ、左下：マッシュルーム、下中央：クルミ、右下：エノキ）
1 つ色が気になりますね...
ジャガイモペーストと作ったペーストが美味しくなるか合わせてみます。
マッシュルームペーストは色がついてしまう
マッシュルームはもともと白っぽく、変色しないように丸ごと炒めたりしたのですが、最終形態で写真のような色がついてしまいました。ジャガイモペーストに入れると色が変わってジャガイモポタージュではなくなってしまいますね。風味も合うかと思ったのですが何も感じませんでした。
クルミペーストは思ったほど香ばしさが感じられない
香ばしさが欲しかったのですが、香ばしい風味、味ともに感じられませんでした。ジャガイモペーストの威力が強いのでしょうか?
タマネギペーストは分量を考えたら美味しくなりそう
量が多すぎるとジャガイモの味よりタマネギの味が勝ってしまいます。ただ、ジャガイモの風味とタマネギの風味は予想通り合っておいしいです。
なので、ジャガイモポタージュに するため、ジャガイモの味が分かるように調節しながら入れるとおいしいジャガイモポタージュになりそうです。
エノキペーストは出汁としての役割を果たしてくれそう
マッシュルームやクルミペーストのようにエノキ自体の味はしません。しかし、出汁としての働きを発揮してくれたのか、ジャガイモペーストだけと比べると少し塩味が強くなっているように感じます。出汁のせいか、風味が合っているからか分かりませんが、感覚的においしいです。
それぞれのペースト自体は味を付けると美味しくなる
合わせる食材のペーストには塩などの味をつけていなかったので、それぞれに塩を少量入れてみると美味しくなりました。
使えそうなものとそうでないものが分かれたが、味を付けたら美味しくなる?
味と風味が抜群にあっているタマネギと出汁としての力を発揮してくれたであろうエノキは、ジャガイモポタージュを美味しくするために入れる分量なども調節してみる必要がありそうです。
マッシュルーム、クルミは思ったよりおいしさを引き上げてくれませんでした。しかし、それぞれのペーストは味としての塩を少し入れると美味しくなったので、味を付けた状態でジャガイモペーストと合わせてみたくなりました。
次は、合わせる食材のペーストにも味をつけて検証してみたいと思います。
＜ジャガイモに関する過去の記事＞
Study.32ジャガイモをおいしいポタージュにするには。（失敗中）
Study33.ジャガイモをおいしいポタージュにするちょっとしたあれこれ。
Study34.ジャガイモをおいしいポタージュにするちょっとしたあれこれ。2
Study42.ジャガイモペーストの冷凍方法・解凍方法（1／2）
Study43.ジャガイモペーストの冷凍方法・解凍方法（2／2）
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