中国語を一年間本気で学んだ凡人の記録
はじめに
この文章を書く目的は、おすすめの勉強方法を共有するとか、言語学習について指南するとか、そういう殊勝なものではありません。"一年間の勉強内容やかけた時間をまとめることで、これまでの勉強方法を一度立ち止まって検査して、二年目以降の勉強に生かす"ことが目的です。「こんな文章を日本語で書いているくらいなら、少しでも勉強した方が良い」というツッコミを、もう一人の自分に入れられながら、可能な限りで書いていこうと思います。
自分は人と喋ることでものを考えることが苦手なので、文章を書く次第です。多分この文章を書くことで、今後に向けて良い勉強方法が思いつくのではないかと思っています。「それならこんなとこで人に見せないで、自分のスマホのメモアプリの中にでも書けば良いのでは?」とおっしゃられているそこのお兄さん、どうかそんな酷いことを言わないでください。拜託。
とりあえず時系列順に、やり方・続けた期間・やった頻度・かけた時間・どれだけ意味があったかを、思い出せる範囲で全て書いていこうと思います。(これ以降は、時短の意味も込めて、ですます調をやめて書くので、ご注意ください。)
最初期(-1年目)
本noteのタイトルには「一年間」と書いてあるけれど、実際に中国語の勉強を始めたのは2年前。その期間の勉強は、かけた時間も少なく、本気度も自分の中で低かった(英語も同時に勉強していて、そちらに重きを置いていた)ので、勉強していた期間に含めなくても変わらないくらいだと思っている。でも、ここを抜かすと嘘になってしまうため、マイナス1年目として、やったことを記録しておく。
Duolingo
方法:アプリの指示通り(単語、作文、リスニングの回答を選択肢から選ぶ、マイクを用いたスピーキング機能もあり)
期間:半年間
頻度と時間:ほぼ毎日ログイン、5分〜30分程度、全レッスンをコンプリートするまでやった
語学力への貢献度:★☆☆☆☆(1/5)
賛否両論あるアプリだけれど、言語に触れる最初のハードルを下げるという点ではとてもよかった。何から始めて良いか分からない状態の時にはぴったり。コロナが落ち着いたら台湾に行く、というふわふわした状態で、少なくとも毎日中国語に触れる機会ができたのはこのアプリのおかげ。ただ、繁体字の選択ができなかったり、中国語に特化したアプリではないため、中国語を学ぶ方法としてはイマイチ。
改訂新版 紹文周の中国語発音完全マスター
方法:CDを聴きながら真似をして発音
期間:1ヶ月(日本で)と3ヶ月(台湾で)、半年ほどの空白期間あり
頻度と時間:1周約1時間を40周程度(後半は1.5倍速などを使用)
語学力への貢献度:★★★☆☆(3/5)
僕とほぼ同じ境遇(20代中盤で突如中国語を学び始める)で勉強した先人からのお勧め本。前半は、中国語で用いる母音、子音、声調の全パターンを一音ずつ学べる。口の形の写真と、口の開け方や舌の位置がわかる人体断面図解付き。後半は、それらを組み合わせた単語。意味の並びではなく、同じ音を使うという理由で大量に並べられているため、土地(Tǔdì)の次に努力(Nǔlì)が来たりするのが面白い。中国語圏のラッパーはこの本で韻の踏み方を学ぶらしい。 一時期仕事の昼休みの時間に、事務所のテラスに座り、田んぼに向かってひたすら発声することを狂ったようにやっていたので、同僚から面白がられた。台湾に来てから、自分の発音が全く伝わらないことに気づいたので、100回くらいやったろう!と意気込んでいたけれど、40周するころに、もう少し良いやり方がありそうだと思い中止した。
新ゼロからスタート中国語 会話編
方法:CDを聴きながら真似をして発音、文法の練習問題を一通り解く
期間:2週間
頻度と時間:一周
語学力への貢献度:☆☆☆☆☆(0/5)
ブックオフで拾ってきたもの。書き込みが全くなく新品同様な姿を見て、かつての持ち主に思いを馳せた。本の内容は悪くなかったのだけれど、続かず一周で終わり。内容はほとんど覚えていない。
中国語単語de会話BOOK―この一冊でいろいろ話せる!
方法:電車移動の時間に眺める
期間:3日
頻度と時間:一周
語学力への貢献度:☆☆☆☆☆(0/5)
ブックオフで拾ってきたもの2。イラストと漢字と発音記号がセットになっている。これも続かずで、一通り見てそれ以降開いていない。中国語初心者にとっては、発音記号を見て頭の中で再生される音と実際の音に、大きな開きがあるため、あまり意味がない。
中国語を歩く: 辞書と街角の考現学
方法:読む
期間:2日
頻度と時間:一回
語学力への貢献度:★☆☆☆☆(1/5)
ブックオフで買った(拾ったというには少し値が張った)。タイトル通り、中国の町を歩いて見つけた漢字から、その意味やルーツを辿っていく。読み物として面白かったけれど、教科書的な使い方はできない。意味を知るとものを覚えやすくなるので、貢献度は多少なりともあると思う。ただ、漢字に意味があるのは日本人ももちろん知っていることなので、驚きみたいなのは少なかった。
初期(1-3ヶ月目)
カッコ内の〜ヶ月目の意味は、台湾に住み始めてから立った時間。台湾に来てみて、台湾人の会話が全然聞き取れないことと、自分の発音が全く伝わらないことにやっと気づいた。この期間は、友達を作ることとか、仕事場に慣れることとか、台湾国内を見て回ることに忙しくて、あまり勉強の時間を取れなかった。この時点では、まあ半年くらいしたら何となく喋れるようになるかな〜など、根拠もなくかなり楽観的に考えていた。一年後、こんなに伸び悩んでいるとは思いもよらずに。仕事場のみんなが賢くて優しかったので、初期は英語でコミュニケーションを取れてしまい、甘えてしまっていたのも良くなかった…。
台湾に移住する
方法:ワーキングホリデービザを取り、飛行機のチケットを買う
期間:1年
頻度と時間:-
語学力への貢献度:★★★★★(5/5)
これは勉強方法というかいまいち分からないけれど、これを抜いて語ることはできない。手段自体が目的で、台湾に就職したい会社があって、そこでインターンをしながら中国語を勉強するという方法を取らせてもらった。周りの知り合いは98%くらい台湾人なので、どこに行っても何をしていても勉強になる。環境の力って本当に大きい。
みんな言うことだと思うけれど、自分で話しかけたときが一番勉強になる。台湾においては、本当にありがたいことに、日本人は結構歓迎されるので、あまり恐れず積極的に話すようにしていた。おかげでたくさんの友達ができた。
映画鑑賞
方法:中国語字幕で映画を鑑賞(たまにブツブツと小声で真似してみる)
期間:1年
頻度と時間:1年で100本程度
語学力への貢献度:★★★★☆(4/5)
これについては別でまとめているけれど、一番楽しかったし、一番時間をかけたし、一番続いた勉強方法。かけた時間が多すぎたため、効率が良かったかと言われると否だが、語学力には大いに役立ったと思う。いわゆる「教科書では学べない」中国語が学べる。時代物だったり特殊なシチュエーションだと、普段絶対遭遇しない単語に出会うので、効率の面ではドラマやyoutubeを見た方が断然良いと思う。
拼音クイズアプリ
方法:アプリのクイズを解く
期間:3週間
頻度と時間:朝の10分ほど
語学力への貢献度:★☆☆☆☆(1/5)
youtuberさんが紹介しているのを見てダウンロードした。無駄な機能のないシンプルなアプリで、結構使いやすいし聞き分けの勉強になる。ログインの記録が残ったり、正解率が出たりなど、達成感的な要素が全くなく、すぐに飽きてしまった。台湾人にやらせてみたら結構間違えていて、それも信用しなくなってしまった要因の一つ。あと音質が悪い。
単語暗記カード
方法:Ankiアプリを使用して、学んだ単語を記録して、見直す
期間:3ヶ月
頻度と時間:(全盛期は)ほぼ毎日20分ほど、計500枚ほど
語学力への貢献度:★★☆☆☆(2/5)
英語勉強時代に下の本を読んで知った方法。7ヶ国語が話せる著者が、一貫してankiというサービスを使用することを勧めた本。電子版シャッフルカードが作成できるソフトで、単語と画像を、母国語を介さずに紐付けるように学ぶ。この本もAnkiアプリもとても理にかなっているし良かったのだけど、作るのが面倒になってきて、アプリを開く時間が段々と減り、気づけばゼロになっていた。理論と実践には常に開きがある。
ポッドキャスト
方法:中国語のポッドキャストを聞き流す
期間:1ヶ月目〜今まで
頻度と時間:平均毎日一時間くらい
語学力への貢献度:★★★★☆(4/5)
さっき映画といったけれど、かけた時間はこちらが最多。でもかけた集中力は最少。あまり勉強だと思わずに、気軽に聞き流すようにしている。中国語に囲まれているという状況になれるために、耳が暇なときは極力聞くようにしていた。ランニング中も、旅行中も、ときには仕事中でさえも。聴きとれるレベルにまだ達していないので、内容をほとんど理解していなくて、あまり身になっている気はしていない。でもあとから効いてくると信じている。好きな声が見つかると楽しく聴ける。
以下にメインで聞いていたものをあげておく。ta建築は今現在聞いているものだけど、他4つは、一番最初に出たものから、当時でていた最新エピソードまで全部聞いた。一年という時間の重みを感じる。オススメは雙語newsで、中国語が喋れる日本人男性と、日本語が喋れる台湾人女性のお喋り。ずっと楽しそうなのと、内容も台湾文化や日本文化を知れるのが楽しい。どちらかの言語で言ったことを、必ずもう片方の言語に翻訳するので、初心者にすごく優しい。
プレゼンの機会を設ける
方法:プレゼン
期間:-
頻度と時間:2回(2ヶ月目、10ヶ月目)
語学力への貢献度:★★★★★(5/5)
幸運なことに、ワーキングホリデー中の仕事場で機会を設けてもらい、全編中国語で自分のことを発表する時間をもらった。30人くらいの台湾人にじっと聞かれながら、下手くそな中国語を披露するのには相当勇気がいる。そのため準備もかなりしっかりとおこなった。
1回目は台湾に行って1ヶ月くらいで、自己紹介+自分の作品集について説明する会。発表時間は10分ほど。日本語で原稿を書き、翻訳アプリなどを用いて翻訳したあと、友達(同期)に仕事終わりの3時間×4日くらいかけてかなりじっくり内容を添削してもらって作った原稿を、その同じ彼に原稿を読んでもらい(本当にありがとう)ボイスメモに残し、それを聴きながらひたすらにシャドーイング。口をついて出てくるくらい練習したかったのだけれど、時間がなくてそこまでできなかった。
2回目は、10ヶ月目くらいのとき、旅行で見てきたものを発表するという内容。時間は20分ほど。中国語で直接原稿を作成し、ChatGPTを用いて発表に適した自然な表現に直してもらい、更に中国語の先生(後述する家庭教師)に原稿を添削してもらって原稿を製作した。また、音読さんというサイト(1回目のときは思いつかなかった、すまない友達…)で、原稿を読み上げた音声(ちょっと機械っぽいけれど、かなり高性能)をダウンロードし、それを聴きながらシャドーイング。2度目ともあって、原稿とパワポの制作が短時間化されて、練習に多くの時間を費やせた。書いてみて気づいたけれど、驚くほど効率が増している。
準備の時間、練習の時間、本番の発表時間、すべての時間が素晴らしく語学の伸びに繋がったと思う。語彙力、発音、聞き取り、作文能力、人前で喋ることの慣れなど、多くの方面に対して同時に学習できる点で、とても効率が良い。ただ、そのような機会を設けること自体がとても難しいのが、この勉強方法の欠点。もしこれを毎月1回とかで続けられたら、素晴らしく伸びる気がする。また、本番の様子を録画することで、自分で後日見るなどして悪いところを改善できたら、もっと良かったと思う。そこまではできなかった。
Youtube
方法:Youtubeを見る
期間:1ヶ月目〜今まで
頻度と時間:平均毎日30分くらい
語学力への貢献度:★★★★☆(4/5)
頑張って中国語のyoutuberを見るようにした。語学の学習指南系、日常生活をドラマ仕立てにした群像劇、マイクの前で一人がたりの芸を披露する芸人(?)、知識を共有してくれるものなど。本当は、面白いチャンネルを見つけて、観たくて堪らないという状態になれるのが一番なのだけれど、そこまでのチャンネルに出会えておらず、結局日本人のyoutubeを見てしまうのが悩み。3ヶ月ほど前に、日本人のyoutubeのチャンネル登録を全て解除し、おすすめに出てくる動画を片っ端から「興味なし」ボタンを押して、中国語チャンネルばかりが並ぶオススメ欄を作り出してからは、見る頻度を少しあげられた。「見るべきもの」を「見たいもの」に寄せていくことの難しさを感じる日々。
↓メインでみているチャンネル(勉強目的で)
↓見たいと思って見られる唯一のチャンネル
中期(4-7ヶ月目)
中国語を使ってコミュニケーションを取れる時間が増えてとても楽しい瞬間と、(仕事の時間など特に)台湾人同士が喋っている内容が聞き取れなくて会話に参加できない、とても辛い瞬間が、ジェットコースターのように訪れる毎日だった。新しいことを覚えたり聞き取れる部分が増えてウキウキしていると、議論内容の9割くらいが分からなくて死にたくなったり、感情の起伏が激しくて結構精神的にきつかった。住んでいる場所の景色の良さとか、周りの人に恵まれなかったら、早々に諦めて帰国していたかもしれない。様々な面で助けてくれた方々へ、ありがとう。
完全マスター中国語の文法[改訂版]
方法:読む、練習問題を解く
期間:1ヶ月(日本で)、1ヶ月(台湾で)、一年ほどの空白期間あり
頻度と時間:一回
語学力への貢献度:☆☆☆☆☆(0/5)
買ったのは最初期だけれど、読み終えたのは中期。文法も大事だけれど、(中国語においては特に)聞き取りと発音に比べると圧倒的に優先度が落ちるため、あまり意味がなかった。台湾に行くのに、中身が簡体字なのを買ってしまったのも失敗の原因。本の感想が詳細すぎて、ここで書くことがない。
當代中文課本を利用した家庭教師の指導
方法:家庭教師の家に行く
期間:8ヶ月
頻度と時間:2週に1回ほど、1回2時間
語学力への貢献度:★★★★★(5/5)
5ヶ月目くらいから現在まで続けている家庭教師の指導。普段は語学学校で仕事をしているプロの先生なんだけれど、人づてに紹介してもらったため、学校を挟まないことで割安、かつ1対1でみっちり指導してくれるので、効率の面でかなり良い。発音が間違っていると、正しい発音になるまで何度もやり直させてくれるのがありがたい。自分で勉強しているだけだと、発音は特に気づき辛いので。また、文法についても例を用いて、噛み砕いて説明してくれる(中国語)ので、理解しやすい。授業の時間だけでなく、教科書の予習と、2時間の授業を録音して、次の週までに聞くなど復習をすることで、2時間以上の価値がある。授業が近づいてくると、それなりのお金を払っていることもあって、無駄にできないという気持ちが働き、勉強を開始するのが良い。モチベを保つという大事な役割にも一役買っている。教科書は現在4冊目に突入して、かなり文語的な文法が多くなり、日常で用いない言い方が多くなってきたのが少し悩み。
単語集(台湾華語単語 つぎへの1400)
方法:文面を見ずに音声を聴く→理解できればチェックを入れる、分からなければ聞けなかった部分をメモしながらもう一度聞く、を繰り返す
期間:2ヶ月
頻度と時間:全盛期は毎日1時間ほど、5周くらいした
語学力への貢献度:★★☆☆☆(2/5)
台湾華語の単語集を台北で購入。「最初の1000」もあるのだけど、来て半年くらい経っていたので、流石に不要だろうとこちらを購入。難易度的にはちょうど良かったのだけれど、5周くらいした頃に飽きが来て、ここ3ヶ月くらい開いていない。飽きとの戦い。
付箋単語学習
方法:大きめの付箋に単語、発音、それが表す絵を描き、毎日目にする場所に貼り付ける
期間:4ヶ月目〜今まで
頻度と時間:週に一回くらいまとめて、現在100枚くらい
語学力への貢献度:★★★★☆(4/5)
youtubeかどこかで学んだ方法。何回も目にするけど理解できてない単語とか、気に入った単語とか、時には文法のことなど、大きな字で書いて生活の中で目にするようにしていた。母国語の訳を書かずに、絵と直接結びつけることを心がけた。小さな字で書くとだんだん見なくなることに、中盤くらいで気づいて、以降は付箋を大胆に消費するようにした。本を読んで登場したお気に入りのフレーズなど、自分の部屋に好きな言葉が増えていくのが楽しいので、結構続いている。
google翻訳&検索内容のスクショ
方法:日常生活で言葉を調べたときに、スクショしておき、たまに写真アプリ内のスクショ一覧を眺める
期間:4ヶ月目〜今まで
頻度と時間:スクショはほぼ毎日、見るのはほんのたまに
語学力への貢献度:★★☆☆☆(2/5)
ankiアプリに飽きてきた頃に始めた。スクショするだけなのでかなり楽なんだけど、それを見返すのはやはりかなり億劫。google翻訳で調べると発音がすぐに表示されるので良いのだけれど、訳が結構めちゃくちゃなので、あまり信用しないようにしている。昔の頃のスクショを見ると、今では当たり前に使っている単語が結構あって、自分の成長を知れるのが嬉しい。
HiNative
方法:単語の微妙な違いや文法の疑問を質問したいときに
期間:1ヶ月
頻度と時間:質問したいときだけ
語学力への貢献度:★☆☆☆☆(1/5)
これの魅力は人口の多さ。質問をすると結構すぐに返ってくる。でも、ChatGPTに聞いた方が早いことが多くてだんだんと使わなくなる。ここでのやり取りは、いちいちアイテムを贈りあったり、ベストアンサーを決めたり、お礼を言ったりと、結構面倒。人の温かみはあるのだけれど。現代人はどんどん時間にシビアになっている…。
後期(8-12ヶ月目)
当初の予定では、ここらへんで仕事上の議論はできるようになっていたかった。実際は、日常会話でも聞き返さないと分からないくらい。これはすごく不思議なんだけれど、一対一で、こちらの目を見て話してくれれば何を言っているか大体は分かるのに、どこかから突然呼ばれるとか、誰かと誰かが話しているのを聞くとかが、まだとても難しい。だから、積極的に一対一で喋る時間を取るようにしていた。大人数の中で立ち回るのは、日本語でさえ難しいから。
後期は逆に、自分の能力に半分諦めがついてきて、焦ることを止めようと思えたため、精神的にはキツさを減らすことができた。色々方法を変えてきたけれど、幸い中国語の勉強自体は続けてこられているから、自分に自信を持つことを心がけていた。
中文日記
方法:中国語で日記を書く
期間:8ヶ月目〜今まで
頻度と時間:週に一回くらい、一回30分くらい
語学力への貢献度:★★☆☆☆(2/5)
頻度が少なすぎる。もっと沢山書いて、いろんな表現を使うことができれば、伸びそうな気がするのだけれど…。
Super Test
方法:アプリの問題をとく
期間:2週間
頻度と時間:寝る前と起きた後15分ずつくらい
語学力への貢献度:★☆☆☆☆(1/5)
中国語能力テストの過去問から出してくれるので、テスト対策としてすごく良いのだけど、無料でできる範囲が少なすぎた。1ヶ月数千円かかるのは、続くか分からないこともあり、ハードルが高かった。これも繁体字がない。
中文楽曲を歌う
方法:中国語の好きな歌(できるだけはっきりと発音しているもの)を見つけ、その歌詞をネットからメモアプリへコピーして→それを見ながら一緒に歌う→意味が分からなかった部分を調べてそのメモの下部に画像付きで情報を書き込む→何度も歌う
期間:2ヶ月
頻度と時間:散歩中(週に3回くらい)、4曲×30回くらい
語学力への貢献度:★★★☆☆(3/5)
中国語には声調があって、歌になるとメロディーが優先されて結構めちゃくちゃになるので、貢献度は低め。ただ、散歩をしながら大声で歌っているとかなり楽しいし、一つの歌という完結したものを、意味・発音・メロディーを全て知るという体験が素晴らしい。
ディクテーション
方法:中国語の教科書の本文を見ずに、音声を聞いてメモアプリに書き出す
期間:11ヶ月目〜今まで
頻度と時間:授業の予習として、(現在)教科書本文7回くらい、一回にかかる時間は2時間ほど
語学力への貢献度:★★★★★(5/5)
もっと早く始めるべきだったと思っている勉強方法。日常生活で、知っている単語なのに聞き取れない経験がたくさんあるのだけれど、それがなぜか分からなかった。でも、この勉強方法をおこなうと、例えばjとzhの音を聞き分けられてないとか、2声と3声がごっちゃになっているとか、inとingをまた間違えたとか、そういうことがいちいち見えてくる。自分の苦手な部分がわかるので、対策を練られるようになる。それをどう矯正するかまでは見えていないけれど、大きな一歩だと思っている。あと、何度も聞き直してやっと意味が通って分かった瞬間とか、達成感があってとても楽しいのも、続けられそうな理由の一つ。
聞き取りだけじゃなくて、文字を打つのも早くなっていくのも◎。文字をたくさん打つと、中国語において沢山使う音と、あまり使わない音が少しずつ分かってくる。英語においてzとかqが、pとかlに対して全然使わないように。
今は教科書でやっているけれど、今後は映画の好きなシーンとかでやる予定。「ディクテーション→発音して暗記→暗唱」をやりたい。
中文読書
方法:中国語の本を読む
期間:1ヶ月目〜今まで
頻度と時間:月に一冊くらい、現在15冊ほど
語学力への貢献度:★★★★★(5/5)
最初は建築関係の写真が沢山ついている本や、子供向けの字の大きめな物語から始めた。後半は、好きな小説の中国語訳を。今は、建築や小説などの得意なジャンルなら、知らない内容でも結構理解できるようになってきた。始めた時期はかなり初期なんだけど、かけた時間は圧倒的に後期に分類されるのでここに書いた。日本語で読んだことがある小説だと、中国語で読んだ言葉が勝手に翻訳されるので、いちいち調べなくても理解できるのが良い。特に小説の会話文など、「こういうことを言いたい時は、こういう言い方をすれば良い」が分かるのが、とても良い。オーディオブックと一緒に読めたら一番良いのだけれど、好きな小説、台湾華語ver.の翻訳、その翻訳の音声のセットがなかなか見つけられない。簡体字訳のオーディオブックは結構見つかるのだけれど…。
読書をしていて思うのだけれど、リーディングのスキルは結構高い気がする。昔から耳があまり良くなくて、いろんなものを観察して生きてきたので、それが中国語にもつながっていると思う。目で学んだことを、聞き取り(耳)とか発音(口)にどう生かすかを考えなければ。
二年目に向けて
まとめとして、書き出した一年間の勉強を概観することで、二年目にやるべきこと・意識することを考えてみる。
悪いやり方を変えて、良いやり方を続ける
一年目もそうだけれど、飽きたり(面白くなかったり)、効率が悪いと思ったら、容赦無く違う方法に変える方がいいと思う。自分の性格的にも間違ったやり方じゃない気がする。
逆に良いと思ったものは、継続して続けられるよう工夫する。例えばプレゼンは、会社の人に相談して機会を自ら作るとか、ディクテーションと映画を組み合わせて同時におこなうとか、中文読書の音声を手に入れられる方法を探すなど。このnoteの目的も、やり方をどう変えるか見定めるためだから。
台湾人になりきる
考え事をするときに日本語を使ったり、無意識に日本語の曲を聴いたり、日本人のyoutubeを見たりすることを極力やめるべき。完全に台湾人をインストールすることが、一番の近道。驚いた時は哎呀〜だし、文末で哈哈哈と笑うし、ノックの音は叩叩叩だし、嫌なことがあったら幹と言おう。このnoteでも、中国語で書いた記事の投稿でもできたら良いかもしれない。二年目は中国語の書籍を30冊くらい読みたい。(適当にいま調べたところによると、台湾成人は平均で5冊ほどしか本を読まないらしいので、読書量にかけては台湾人より台湾人になれそう。)
好きな人を作る
好きな人ができたら、その人の言葉は絶対に聞き取りたいし、自分の気持ちは正しく伝えたくなると思う。気持ちのパワーを利用しない手はない。こういうのは待っていれば自然に発生するという平成初期的な考え方だったけれど、「世はまさにマッチングアプリ時代」と言っても差し支えないし、時代に乗るのもときには大事だと言い聞かせ、航海に出てみたい。恋愛関係だけじゃなくて、言語交換マッチングアプリみたいなのを使って、話したくなるような相手を見つけたい。
おわりに
書き出してみて、こんなに大量の勉強をしていたんだと感慨深い。やっぱり客観的に見ても、やってきたことに比べての語学力の低さに驚く。昔から五教科の中でも英語が飛び抜けて苦手だったし、なんとなく分かっていたことなんだけれど、今までは勉強時間が少ないからだろうみたいに言い訳をしていた。違う言語といえど、一年間本気でやってみてこれなので、もう言い訳はできそうにない。恥ずかしいけれど、全部さらけ出してみた。ここまで正直な語学学習記録は、なかなか見れらないのではないかと思う。こんなものを書かずに裏で努力して、あたかも苦労せずに語学をマスターしてるかのように見せた方がカッコいいんだけれど、自分のために、中国語で苦しむ同士のために、ネットの海に漂流させておくことにする。
「言語を全くのゼロから意識的に学ぶ」という体験は結構面白くて、帰国子女だったり、ミックスルーツだったりと、自然に学んだ人にはできない体験なのではないかと思う。と同時にかなり時間もとられて辛いので、羨ましくもあるのだけど。
ディカプリオ(映画『タイタニック』のジャック)の言っていた、「人生は配られたカードで勝負するしかない」(うろ覚えです)という言葉の通り、凡人には凡人なりのやり方があると思って、自分を励ます日々。また一年後にこれをみて、あの頃の中国語力はまだまだだったなと笑って見られるように、またここから一年頑張ろうと思う。
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