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『天使の翼』第12章(61)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~
わたしは、ごくりと唾を飲み込んだ。
『見て!』
エリザは、彼女の首筋の鱗を、バリバリ、バリバリと立てて見せた。
わたしは、あっ、と声をあげていた。
子供のデビルの鱗は指先ほどの大きさだったが、彼女の鱗は、改めて見ると優に30標準センチはある。立った鱗のしたには、毛のようなものが密生していた――
『デビルは、思春期を迎える頃、子供のころあった鱗とは別に、大きな鱗が生えてくる……そして子供のころあった鱗は毛に変わる』
わたしは、思わず笑っていた。エリザが『思春期』って言ったように聞こえたから。
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