『天使の翼』第12章(28)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~
ふと、SSIPの制帽に目が行った。……なかなか粋じゃない……。もしかしたら、デラ殿下の軍服姿が念頭にあったのかもしれない。かぶってみる。ちょっとゆるい……目深だが、まあいいか。
わたしは、自分自身の肩掛け鞄、そして、ギターのことを考えた。何でもかんでもは、持って行けない。また、あまりに身動きがしずらくては、目的地に辿り着く時間にまともに響いてくる。バランスが大切だ……
食糧の入った背負い鞄・水の入った背負い鞄・救急キット……ニードル・ガン……
……うーん、消去法?……ニードル・ガンはやめだ――わたしらしくない……救急キットは、中身を選別して自分のカバンに突っ込んでしまおう……水―食糧、水―食糧……水は、中身を分割できない――水の入った背負い鞄はそのまま背負っていく……必然的に食料は、自分の肩掛け鞄に突っ込んでいくことになった。
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