『天使の翼』第11章(85)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~
「あなたのような著名な学識者と、今回の任務の途次お会いできるとは思ってもみませんでした」
ローラは、目を細めて指揮官の顔を見ている……男として見直した、というよりは、彼の意図を探って――
「とりあえず、二人の端末を返してあげたら」
さりげない一言――さぐり――
「これは失礼」
言いながら、彼は、わたしとシャルルの端末を返してくれた――別に深い意味はなかったのか?……話の流れが、ケインからそれていく――
「ケインのパトロンって誰ですの?」
この割り込み、ちょっと強引かしら。
「デラ殿下ですよ」
指揮官がもどかしそうに答え、わたしとシャルルは、驚愕した……もちろん、ケインがわたしの兄と決まった訳ではないのだが……
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