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『天使の翼』第12章(63)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

 『近くの村まで連れてってあげる……村と言っても、人間たちが何やら地面を掘り返してる所だけれど』
 鉱山町に違いなかった。……すぐにエリザとお別れとは寂しかったが、ありがたい話だ。わたしは、余計なものは置いてくことにした――水の入った背負い鞄、食糧もそんなにたくさんはいらないだろう、救急キット……ちょっと迷ったが、捨てていくことにする。
 エリザが、前脚を伏せて、首筋を傾げてきた。
 (よし、乗ってやる!)
 首筋の鱗が先刻のようにバリバリと開いた。
 わたしは、その中に、包まれるようにして跨った。
 「あったかい!」
 そして、鱗がバリバリと閉じて、わたしは、完全にエリザの皮膚の一部と化した――落っこちるような気がしない……両手を首に回していたが、別段しがみつく必要はなさそうだった……

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