RIZAPのイノベーション・エコシステム
多くの企業が継続的にイノベーションを創出できるエコシステムを模索する中、この記事「システム投資の結果にもコミット RIZAP支えるIT部門」は、RIZAPがIT部門である業務システム部を中心としたイノベーション・エコシステムをいかに機能させているかを教えてくれます。RIZAPにおける業務システム部は、間接部門ではなく、企業の競争力を高める戦略部門なのです。RIZAPにおけるイノベーション、データの徹底活用(収集・活用・システム化)は、どのような仕組みで担保されているのでしょうか――
【1】ダイバーシティー
記事によると、IT活用で有名な複数の企業から「多才な人材を一気に集めた」(高山部長)とあり、出身母体が異なり、価値観や仕事の仕方の異なる優秀な人材がアイデアをぶつけ合ってイノベーションを生み出していく、というダイバーシティーのチームになっている。
【2】情報共有
いくら多彩な人材が集結しても、お互いのコミュニケーションが促進されなくてはダイバーシティーの効果はない。そのようなチームビルディングの為に――
①社内SNS・・・他ユニット、他部に関することでも、アイデアを自由投稿、議論してイノベーションを育む環境を作っている。
②情報共有サービス・・・本部と店舗、現場の連携強化にもITを活用。
【3】現場主義
RIZAPの業務システム部は、各ユニットで企画から開発、保守・運用まで一貫して担うことによって、現場と一体化している。工程別の編成では届きにくい現場の声が吸い上げられていると考えられる。
【4】スピード感
各ユニットによる一貫体制は、案件単位で投資額・回収額・KPI(重要業績指標)を月次確認することで、投資対効果の責任を明確にし、撤退も含めた対応をスピード感を持って行える。
【5】オープンイノベーション
記事にもあるように、RIZAPの業務システム部は、内部だけでなく外部にも開かれており、ベンチャー企業と共同で企画・開発することによって、スピード感をもって今までにないものを作り出せる。
このように、RIZAPの業務システム部は、ダイバーシティーな一気通貫型(企画⇒開発⇒保守⇒運用)チームであり、そのフレームワークの特性を生かして、情報共有・現場主義・スピード感・オープンイノベーションといったイノベーション・エコシステムの主要な要素を実現していると考えられます。このようなエコシステムが、目的ドリブンで課題解決に走り出した時、いかに大きなリターンが期待できるかは想像に難くありません。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28948350T00C18A4000000/
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