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『天使の翼』第11章(82)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

 「次は、あなただ」
 シャルルの身分証に何の不備もないことは分かっているが、心拍数が確実に上がる。ふとローラを見ると、彼女も本番に強いのか、いつものようになまめかしく足を組んで――今は体に張り付くようなパンツルックだが――ふんぞり返っていた……
 シャルルと指揮官の間に、わたしの時と同じやり取りが繰り返され――そういえば、わたしはまだ端末を返してもらってない!――次はローラの番と思いきや――
 「あなたには武術の心得があるようだ」
 その言葉が引き金となって、その場の緊張が一気に高まった。隊員二人も、反射的にシャルルとの間合いを計り直していた……
 「僕にですか?」
 ――シャルルという男性は、初対面の人にどう映るのだろうか。女性の目には、まず真っ先に彼の美貌が飛び込んでくる。すぐに、落ち着いていて、キラキラと輝くような知性の持ち主であることも感じ取れるだろう……そのことが、逆に、男性の目には軟弱と映りかねない……。でも、指揮官の目はごまかせなかった。

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