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《連続投稿500日まであと5日》漱石のビッグデータ~思考という名のビッグデータ~
日経電子版の記事【漱石を最新技術で後世へ 東北大、デジタル化を開始】では、東北大付属図書館が、損傷が激しいなど、これまで一部の研究者のみに公開されていた資料も含め、所蔵する漱石文庫(直筆草稿・蔵書など)を、クラウドファンディングで募集した資金で高画質デジタルデータ化しようという事業がリポートされています。
記事で取り上げられた漱石はもとより、数多の『知の巨人』の歩み、その迷宮のような思考の履歴を辿ろうとすれば、いささかSF小説めいていますが、その脳をスキャンするのが一番かも知れません……
――しかし、現実には、故人であったり、プライバシーの問題もあり、そして、そもそも、そのようなテクノロジーがないし、消えていく記憶だってある訳です。また、仮に、脳を余すことなくスキャンできるテクノロジーがあったとしても、あまりにも複雑怪奇で解析不能かも知れない……
その点、『知の巨人』のアーカイブは、脳の代理を務め得る最も現実的な資料、ビッグデータと言えるかも知れません――
▶『知の巨人』のアーカイブ
① 直筆の草稿
② 蔵書
③ 構想メモ
④ 日記
⑤ 手紙
⑥ 蔵書への書き込み
⑦ 写真
⑧ ノート・カード・ファイル など
このようなアーカイブを全て丸ごとデジタル化することには、どのようなベネフィットがあるでしょうか?――
▶アーカイブのデジタル化のベネフィット
① 原本、原資料の経年劣化対策。
② ネット等で容易に一般公開できる。
③ 多くの人の目に触れることで、新たな気付き、思いもかけなかった
新解釈が。
④ 公刊されたモノからだけでは分からない背景が分かる。
⑤ デジタル化した資料をさらにデータベースとして整備すれば(文字検索
ができる、など)、人手はもとより、AIによる解析などで、知識の断片
がどのように繋がっているか等を明らかに出来る。
⑥ キーワードマップのような強力な分析ツールを入手できる。
など
『知の巨人』の思考に迫るべく、その(各所、各施設に散らばった)アーカイブを結集して、丸ごとデジタル化・データベース化することは、最も現実的かつ有益な『知の巨人』のビッグデータ解析へと繋がると考えられます。
何と言っても、デジタル化されておらず、網羅的でもない限られた資料・情報をいくら分析しても、その全体像は正確には分からず、それどころか、間違った解釈に陥るリスクすらあるのですから。
《連続投稿495日目。
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