情報の巨人への挑戦

 3/26付の日経電子版の記事『国際データ競争勝ち抜く条件』は、ITビック5の圧倒的な情報量に対して日本企業がどう立ち向かっていくべきか、極めて簡潔に示唆に富んだ提言をされています。短いながらとてもインパクトのある内容だったので、私は、思わず時間をかけて頭の中を整理する作業に没頭してしまいました。このように、物事を突っ込んで考える機会を与えてくれるのは、新聞記事というものが持つ力の一つだと思います。

今回考えたのは、現在進行形の第4次産業革命にあって、そのコアとなるIoTが、モノに秘められているデータから出発して、最終的に一人ひとり個人のUX(ユーザーエクスペリエンス)の革新に繋がっていく過程です。その過程には、私が今まで全く気付いていなかったミッシングリンクや、課題、問題点が隠されていました――

【IoTのフロー】

(*必ずしもこの流れ通りにはならない)

①データ・・・まだ集められていない膨大(多種・多量)な情報。

②収集・・・最先端のセンシング技術がポイントとなる。

③保存・・・データセンター・クラウドサービスの海外依存度が高いという問題点。

 ●データの漏洩・停止のリスク

 ●反応速度の遅さが招くサービスの質の低下リスク

④共有・・・セキュアな流通が必須(センシティブなデータの保護と規制緩和のバランス)。

⑤分析・・・AIの解析力がポイントとなる。

⑥アイデア・・・分析からアイデアが浮かぶこともあるし、先にアイデアがあってデータの収集に入る場合もある。実際に新規事業が立ち上がるまでには、フローの行ったり来たりがある。

⑦AIプラットフォーム・・・アイデアを具現化する際、IoT端末と各種サービスをつなぐOSを使う場合。

         有名な例は、身の回りの生活家電をつなぐ音声AI。

         この分野では、ITビックが圧倒的に強くエコシステムを築きつつある。

⑧新技術・新素材・全く新しいサービス・ビジネスモデル

⑨新しい産業構造の誕生・今までにないUX

 データと日本企業がガチンコで出会った時に何が起きるのか、起こせるのか、IoTのフローの中には厳しい局面もありそうですが、日本企業の得意とするメカとエレキなど、強みのある分野に集中すれば、まだまだ勝機はあると実感できました。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO28491530T20C18A3KE8000/

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