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ビジネスを考える

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#ライフスタイル

持続可能性と親和性の高いコト消費の時代

 日経電子版の記事【指輪に人工石…消費で社会貢献 「ハレの日」にも 「買う責任」を意識】は、改めて、私達が持続可能な社会の実現に向けて出来るコトは何なのか考えさせてくれます。  集中豪雨や熱波などの異常気象、目に余る海洋プラスチックごみ問題……人間の営みが自然環境などに及ぼす影響の大きさが、いよいよ目に見えて明らかになりつつある今、人間社会の営みを持続可能性のあるものに適合させる必要が、私達消費者に意識され、即座の行動が自覚されるようになってきている事は間違いないでしょう。

キャッシュレスネイティブ?~利便性の時代の『不便益』~

 日経電子版の記事【「不便が楽しい」 博報堂、逆転の発想で販促コンサル】は、利便性の追求される時代に、『不便』である事がかえってユーザーのベネフィットになるような、『不便益』について改めて考えさせてくれます。  昨今は、プロダクトに関する説明に『利便性』が登場しないものはない、と言っていいくらい、『利便性』の観念が私達の生活を支配しています。――速い・簡単・おいしい、ワンタッチ、オールインワン、万能選手、自動化、時短……。文字通り枚挙に暇のない『利便性』ですが、はたして、本

ユニット化するモビリティー~近未来の車は皆トラックになる!?~

 日経電子版の記事【MaaS時代の自動運転車、居室を車体から切り離す 自動運転が作る未来(36)】は、自動運転の未来を展望したリポートですが、そこに登場する『分離型車両』には興味深いものがあります。  『分離型車両』は、『ユニット化したモビリティー』、あるいは宇宙ステーションのように『モジュール化したモビリティー』とでも呼べるものです。記事に登場するユニットをピックアップしてみると―― ▶『ユニット化したモビリティー』① 『駆動(走行)ユニット』・・・スケートボード ②

復権するプロダクト~レコードは何故蘇ったか?~

 日経電子版の記事【レコード復権、若者つかむ 10年で生産枚数11倍に】は、文字通りV字回復するかの勢いのレコードに関する興味深いリポートです。  絶滅の危機かと思われていたレコードの復権の裏には何があるのか、何がユーザーの心に刺さっているのか、結局は顧客体験価値の問題に帰結すると思われます。そこで、改めて、レコード・CD・ストリーミングの体験価値を整理してみると―― ▶体験価値の対比(1)レコードの体験価値   ① アナログ音源特有の音質   ② 音楽を聴くための一連の

ストリーミングに見る書斎型から図書館型に変わるサービス

 日経電子版の記事【ストリーミング、聴き放題広がる 楽曲選びより気分で消費へ 先読みウェブワールド】は、改めて、サービスのあり方が、ダウンロード型からストリーミング型へと、所有より体験重視のコト消費の度合いを深めている事を思い起こさせてくれます。  (音楽)消費のダウンロードからストリーミングへの変遷は、書籍に例えるなら、特定の書籍を買って自宅の書斎に蔵書を増やしていく『書斎型』サービスから、その都度自由に書籍を閲覧できる『図書館型』サービスへの移行と言えそうです。  そ

持続可能性高める『BOPIS(ボピス)』の躍進

 日経電子版の記事【月額制弁当テークアウト 客にも店にもメリットで拡大】に登場する「月額制弁当テークアウト」は、「月額制」という特殊性はあるものの、「ネットで購入して店舗で受け取る」サービス=『BOPIS(Buy Online Pick-up In Store)』の一形態に違いありません。  まず、記事などから、この「月額制弁当テークアウト」のメリットを整理してみると―― ▶「月額制弁当テークアウト」のメリット(1)ユーザーのメリット   ① 受取日時を指定できる。   

メモ帳はバトルフィールド、一つ一つのメモはキャラクター

 日経電子版の記事【メモ振り返れば「宝の山」 並べて連動、新発想】は、様々なメモ術のリポートで、改めて、「メモとは何ぞや」、メモの本質について考えさせてくれます。  結論から言うと、表題にも記したように、『メモ帳』(または、そのページ)は、ゲームの戦場、将棋盤のようなもので、一つ一つの『メモ』は、ゲームのキャラクター、将棋の駒のようなもの、だと思います。  『メモ帳』のページという名のバトルフィールドで、『メモ』という名のキャラクターが、私達の思考の流れに合わせて動き回り

ポケモンGO、やっぱりそうだったか!

 日経電子版の記事【ポケモンGO 始まりはエープリルフール ポケモンGOのつくり方(1)】は、多くのユーザーの心に刺さり大ヒットしたポケモンGOの開発にまつわる、とても興味深い内容です。  私は、この記事の肝、とでも言うべきくだりは、次の一節だと思います―― そこに流れていたのは「ポケモンチャレンジ」と題された動画で、スマホを手に岩山や砂漠を探検するひとたちの姿だった。岩陰にスマホをかざすとポケットモンスターのキャラクターが画面にあらわれる。ボールを投げてポケモンを捕まえ

3Dプリンティングが変えるメーカーとユーザーの距離

 日経電子版の記事【3Dの技術活用 アジアは注力を ビベク・パタク氏 国際金融公社東アジア太平洋地域担当ディレクター】は、改めて、第4次産業革命のアクセラレータ『3Dプリンティング』のポテンシャルを考えさせてくれます。  文字通り、物質を積層的に(3次元に)プリントしてモノを作る『3Dプリンティング』は、テクノロジーの進歩と共に、その基本的な概念でできるコトが増えていけば、驚くべき技術革新『ディスラプション』となることは間違いありません。  その最大の特徴は、例えれば何も

食の3Dプリンター

 日経電子版の記事【柿の種を自分好みに調合、亀田製菓が専用装置】は、とてもさりげない記事ですが、『食の未来』を予感させるような内容を含んでいます――それは、『食のカスタマイゼーション』です――。     普段、私達は、外食でレストランに行ったり、加工食品を買って帰った時に、その味にちょっと残念な思いをする事が少なからずあります。理由は色々あるでしょうが、その一つ、最も大きなものに「自分好みでない」という現実がないでしょうか?――もっと辛ければいいのに、もっと大盛ならいいの

『音マーケティング』のポテンシャル

 日経電子版の記事【森永アイス、KFCチキン 「音フェチ」動画でヒット】は、『音』をブランディングやプロモーションなどマーケティングに活用する、『音のマーケテイング』に関するリポートです。海外ではASMRマーケティング(ASMRとは、ごくおおざっぱには、心地よい気持ち良いと感じる音などの感覚)などと呼ばれているようですが、あまり馴染みがないので、ここでは、簡単に音を使ったマーケテイング、『音マーケテイング』と呼ぶことにします。  記事では、日本ケンタッキー・フライド・チキン

コモディティ化の呪縛~誰も何も考えなくなった時にチャンスが~

 日経電子版の記事【感動体験を売る バルミューダ社長、家電ヒットの極意】は、コト消費の時代のモノづくりのあり方を見事に言い当てていると思います。     そもそも、第4次産業革命の時代は、テクノロジーの進歩によって、モノの高度化+均一化+低価格化というコモディティ化が進行すると同時に、消費者の体験重視のコト消費が進行する時代です。  そこでは、消費者は、自らの生活の大部分はコモディティ化したモノの利用で満足しつつ、ある部分では徹底的に体験価値にこだわる、と言う現象が起き

リユースのラストワンマイル

 日経電子版の記事【中古品、近所で売れる マンション玄関や喫茶店】では、2018年10月に施行された改正古物営業法によって、買い取り場所の規制が緩和され、車両型移動式店舗・大規模マンションのエントランスなどでの買い取りができるようになった状況がリポートされています。  この状況は、記事にもあるように、リユースを巡る環境を著しく改善するのではないでしょうか。  リユースを巡っては、積極的に不要になった中古品を売り出す人がいる一方で、消極的な人が多数存在するのは間違いない、と

インターネットの紡ぐ文化~魅力の再発見と多様性~

 日経電子版の記事【「観る将」増やした将棋中継 携帯配信で伝える迫力】は、昨今の将棋ブーム、「観る将」に果たしたインターネットの力を物語るリポートです。  このところ、SNSをはじめとしたインターネットの負の部分――ディープフェイク・フェイクニュース・ヘイトスピーチ・ステルスマーケティング・フィルターバブル、等々――がクローズアップされがちですが、本来、誰もが比較的容易に情報発信できるネットの世界、①低コストと②双方向性、そして③モバイルでの利用を顕著な特徴とするデジタル