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良くしようとするのはやめたほうがよい

知らないNGOから届いた一冊の本。
『良くしようとするのはやめたほうがよい』という変なタイトル。
どうやら妻が出国前に注文したものらしい。

パラパラと数ページ読んでいたら止まらなくなった。
自分で買ったわけでもないのに、こんなことは珍しい。
どうしてだろうと思って考えてみると、たぶん著者の村田さんが、自分の失敗をとても冷静に告白しているからだと気づいた。

自分の失敗で不幸になった人がたくさんいる、もしかするとその結果死んでしまったかもしれない人もいる、そして自分の息子についても。
自分の深い後悔を、言い訳もなく、語っている。
だからこそ、村田さんの言うことに、耳を傾けたくなる。

そうでなければ、村田さんの主張は、そこらの自己啓発本のように、理想という情報を並べただけに見えたと思う。
きっと、すぐに忘れる。
でも、村田さんの言葉にはストーリーがある。
だから一気に読んでしまった。

横浜のドヤ街、寿町。
ここで村田さんは数多くのアルコール依存症者や不登校児と関わった。
村田さんが主張する「良くしようとするのはやめたほうがよい」という言葉は、読了後により心に響いた。

本書は1992年に発行されたが、今は流通していない。
でも、すごい反響が続いているので、あるNGOが出版元に交渉をしてネット販売を始めたそうだ。

このタイトルでググると、驚くほど多くの人がブログで感想文を書いていた。
Amazonでも売っていない本なのに!

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