4年前に実家の畑を借りて、ブドウの苗木を植えました。
ワイン好きが高じて、「いつか自分でもワインを作ってみたい」と思い、最初の一歩がブドウ栽培です。

ブドウ

4年前10本だったブドウですが、その後、都市を追う毎に植え足して、今は68本になっています。7種のブドウを植えていますが、どれが一番育つかちょっとした実験です。
1年目は10本ほどをほぼ単に植えただけ。当時は経験もなさ過ぎて、順調かどうかもわかりませんでしたが、10本全部生き延びました。この時点で、実家の庭に植えた甲州(白ブドウ用品種)はとても元気に育ち、今でも一番の木です。
2年目は更に30本加えて50本になりました。この年は感染症が発生し、実家に近寄ることができず、植えて以来まったく世話ができませんでした。そうしたら7月には長雨があり、畑が数日水没。よちよちの木たちは水に呑まれてしまい、翌年見たときには3本が枯れて、3本は生き残った者の樹形づくりがうまくいかず、すごく斜めに育ちました。庭の木は順調だったものの、夏からはコガネムシに葉を齧られてぼろぼろになりながらも初収穫ができました。
4年目は20本加えて67本になりました。この年は隔週くらいで帰省して手をかけることができました。軽い病気はあったものの、まぁまぁ順調に、、、と思いきや、1本はカミキリムシの幼虫に芯を食い荒らされ、そして、思い出したくもない8月後半にはイモムシが大量に発生して葉という葉が食べられました。気温が高い時期だったので、いくつか新芽が出たものの9月までイモムシは治まらず、ダメージが残りました。庭のブドウは相変わらず順調、20房近い収穫がありました。
5年目の今年、5月に病気が蔓延した際には消毒したものの手遅れ、ちょうど開花の時期だったので、果実にダメージが残りました。その後もいろいろやってきています、、、

お世話して

ブドウの木は、その畑のことはもちろん、周辺環境を含めた生態系の中にあることに気づきます。日照時間、降雨量、湿度、温度は、天の恵みですが、過剰も過少も植物にとっては望ましくありません。虫は近くの里山からやってくるし、病気のもとになるのは菌やウイルスは、土や空中にいます。畑の境界なんて、所詮は人の定めたもので自然はそんなこと気にしません。
ブドウは、冬が終わる頃には新芽が動きだします。春には芽が育ち、花を咲かせます。夏にかけて葉を茂らし実を育てます。秋に実が熟し、養分を幹に蓄えます。冬には歯を落とし、伸びた新梢がしっかりとした枝になります。天地自然の織り成す季節に合わせて、ブドウが生きることで、このサイクルができています。しかも、ほぼ同じ環境にいるのに個体によって、特徴があります。ブドウの木は挿し木で増やすクローンなので品種が同じならDNAも同じなのに、それでも個体差があります。病気に強かったり弱かったり、湿気に耐えられたり、そうでもなかったり、虫を寄せたり寄せ付けなかったり、こんな違いがあります。私にできることは成長を阻害する要素を少し薄めたりする程度。ブドウの成長はブドウ自身の力、それを育む自然の力です。

植物のすごさ

ブドウは、どんな環境であっても、自然の巡りに合わせて変化し、成長を続けます。時には環境変化に耐えきれず枯れることもありますが、DNAが同じにも関わらず、個性を生かして環境変化を乗り越えます。人ができることは、植物そのもの、自然そのものの働きに比べたら、微々たるものです。どんな環境にあっても、黙々と、全力で、そして淡々と成長を続ける姿にはあこがれます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?