学生も政治家もみんなとりこ!バンコクの昔ながらの中華麺
やっぱり、あの店しかないよね。
プロイさんとオーさんは、互いの顔を見合わせてそう言った。
友人にさそわれて、パーティに参加した。知らない人ばかりのパーティでいささか緊張したが、優しいご夫婦からおいしいヌードル屋を教えてもらい緊張の糸がほどけた。
人見知りな私は、初対面の人たちと何を話そうかこまっていた。そうすると、友人がいきなり、タイのヌードル、すなわちクイッティアオについて話しはじめた。
クイッティアオは、タイ人にとっての国民食で、日本人におけるラーメンやうどんみたいな存在。
これなら、なんとか話がもつだろう、と。
これが意外と会話のきっかけになり、その場にいた人がおいしい店など、いろいろ教えてくれた。
有名なクイッティアオの店は、数あるのに、誰ひとりとして同じ店の名前をあげない。
興味深かったのは、どこか遠くの有名店ではなく、生活圏にある町のうどん屋みたいなお店ばかりがあがった点だ。
家や学校、または、会社の近くにあって、サクッとランチができるようなお店ばかり。クイッティアオは、それだけ生活に根付いた食なのだろう。
プロイさんとオーさんは、学生時代から通っていたという、クイッティアオ屋を教えてくれた。
絶対、気にいると思うから、いってみてね、と。
すべての人にオープンな店
ブアイおじさんの昔ながらの中華そば
創業30年のお店らしい。
友人と待ち合わせをして、教えてもらったその店に足をはこぶ。昼前だというのに、お客さんでいっぱいだった。
席に通してもらってからも、ひっきりなしに、テイクアウトのお客さんもやってくる。中には、ベンツで乗りつけてくる人の姿も。
目と鼻の先には、Polo Clubという富裕層の会員制スポーツクラブやフットサル施設もあるので、富裕層から学生まであらゆる人がこのお店にくるようだ。
一時期、タイ国内を賑わせた首相候補のピター氏もこの店の常連さんだそう。
学生から富裕層、政治家まで、すべての客層にオープンなところが、タイの屋台の愛すべきところである。
苦手なはずの豚肉がうまい
汁なしの中華そばください!
わたしは、プロイさんおすすめのメニューを注文した。もちろんパクチーなしで。タイと関わって20年以上たつが、いまだに、パクチーは苦手だ。
目の前に出されたのは、豚肉がゴロゴロ入った中華麺だった。わたしは、麺に入っている豚があまり好みではないが、おススメということで注文してみた。
麺と具をぐちゃぐちゃにかき混ぜる。ひとくち味見して、唐辛子とお酢を入れて好みの味付けにする。
調味料で好きな味付けにできる自由さが、また、クイッティアオのいいところ。
ご、ごめんなさい。プロイさんとオーさん。
苦手なんて言ってすみません。
豚肉がめちゃくちゃおいしい。外はカリカリで、中はトロトロ。あの特有の豚臭さがいっさいない。
さらに、豚のツミレがもうフワフワで、くさみもクセもなくいくつでも食べれそう。
じっくりあじわっているうちに、友人は、もう一杯おかわりしていた。
平たい中華麺ではなく、ママー(インスタントヌードル)バージョンだ。これもまた違ったおいしさがある。
友人いわく、汁ありより、汁なしのほうが断然うまいらしい。
どうやら、豚が有名なおみせらしく、ガパオライスも人気メニューなようだ。次回は、ガパオライスもたべてみたい。
カスタマイズできる魅力
おなじメニューを注文しても、味付けは十人十色。
それがクイッティアオの魅力である。
わたしは、乾燥唐辛子と酢をこれでもかと入れる。からくて、すっぱい、刺激的な味が好み。
友人は、バランスよく、唐辛子と酢に加えて、砂糖とナンプラーもいれていた。マイルドな味。
それに、店によって、調味料の特徴があるのも、またおもしろい。組み合わせ次第で、七変化をとげてゆく。
クイッティアオは自由な食べ物だ。
みなさんも、タイを訪れる機会があれば、是非、カスタマイズして、お好みの味をみつけていただければと思う。
店舗紹介
ブアイおじさんの昔ながらの中華そば
ก๋วยเตี๋ยวโบราณเฮียบ้วย
メニュー
おススメは、記事でご紹介した汁なし中華そば。
บะหมี่แห้งต้มยำ
トムヤム味の汁なし中華そば
友人が2杯目に頼んだのは汁なしインスタント麺
มาม่าแห้งต้มยำ
トムヤム味の汁なしインスタント麺
みんなたのんでいたのが、ホロホロのチャーシューのガパオ。見るからにおいしそうだった。
กระเพราหมูตุ๋น + ไข่ต้ม
煮込みチャーシューのガパオライス(ゆで卵付)
他のメニューを試したい方は、以前の記事に注文の仕方を書いたので、是非ご参照あれ。
お店の雰囲気を見たい方は、タイ人が紹介するYouTubeをご覧ください。
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