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甘いお菓子と甘くない恋愛の話

バレンタインが近づくこの季節
私は毎年、チョコレートの祭典へ行く
毎回行くようになってもう五年程だろうか
「絶対に買うお店」が年々増えてゆく

20代を全て捧げた大恋愛を終え
サイクルが比較的短くなっている今は
毎年と言っていいほど渡す相手が変わる
自分では移り気なつもりも
飽き性なつもりもなく、ただ
ある日突然終わってしまう自分の気持ちに
慣れも感じ始めているような。

どこか恋愛に対して冷めているのかと思えば
そんなこともないんですけどね
今も、強く激しく燃え上がっているし
まぁある意味燃え上がるからこそ
燃え尽きてしまうような気さえして
もう少し穏やかに恋愛を楽しめないものかと
割と本気で悩んでいたりもするんです

(今の彼、なんて言うのは嫌なので彼くんと書きますが)
彼くんはなんというか、私中心だけど私だけじゃないというか
選択肢の中から選ばれている感じがするんです

今までの恋人は精神的に不安定だったり
生活に困っていたりする人が多くて
ある日突然私と出会って、私しか見えなくなってしまったような
そんな依存と執着に塗れた恋愛をしてきました
私自身も自覚があるほどのメンヘラだし
同じくらい恋愛に比重がある方がいいよねって
そう思っていたんですけどね

友達期間が長かった彼くんはしっかり
私の特性を把握しつつ受け流す術もあり
私のことが大好きだと言ってくれる反面
私が居なくても生きていける感じがちゃんとあります
だからこそ選ばれている、と思えるし
選んでくれている彼くんを大事にしたい、尊重したいと思うんです。

毎年、バレンタインには平均すると大体10個くらいチョコレートを買うのですが
職場や家族の分を除いて、そのほぼ全てが彼宛になります。
賞味期限が短いものもあるので、2月になったら一気にドドンと渡すのですが、私の恋愛もこれと同じだなと思いました。
好きだから、という感情に支配されて何もかも、渡しすぎてしまう。

与えて与えて、見返りも求めず注ぎ続けて
ある日突然、グラスが割れていたことに気付く
その頃にはもう手遅れで
依存と執着でベタベタにコーティングされた
誰も食べられないものの出来上がり
そうなったら最後、捨てるしかない。

彼くんにも同じように、最初から何もかもを与えて注いでしまっていて
あぁこれはあまりよくない恋愛の形になってしまうかもしれないと思っていました
でも、なんか、違う感じがして
何が違うのか上手く言えないんですけど

彼くんは全部をくれるんです
でも、できないことは出来ないってちゃんと言ってくれるんです
そんなの出来ないんだったら当たり前じゃん、って思うかもしれないんですけど
私の今までの恋愛にはなかったものです
だって今までの人たちには選択肢がなかったから、私といるために自分を変えてくれる人が多かった
私も、変わってくれることを当たり前のように受け入れていたし
ある意味それが見返りを求めることになっていたのかもしれません

彼くんと付き合ってまだ三ヶ月ほど
それでも一度、大きな喧嘩をして
その時にはっきり、出来ないことは出来ない
と言われて突き放されて
でも、突き放す=さよなら、でもなくて
感情をぶつけ合うのでもなくて
ムキにはなっているんだけど話し合いをして
出来ないことを言うんじゃなく
出来ることをお互い尊重していくために
距離を置いたり別の選択肢を探したりするんだよって
恥ずかしい話、この歳になって初めて
そういう風に恋人に諭されて、嬉しくなって
喧嘩しているのに何故か笑えてきてしまって

あぁ、選ばれてるなぁちゃんと
この人の人生に必要とされてるなぁと
実感出来る大事な喧嘩になりました。

今年のバレンタインも、2/14を待たずして
既に10種類のチョコレートを渡しています
一応今回はもう、増える予定は無いかな
ホワイトデーまでじっくりゆっくり味わいながら、お返しに期待しています。笑。





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