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なぜ、大量の「映えスイーツ」が韓国から誕生したのか?

 日本の食シーンに大きな影響を与える韓国。
一昨年に話題となり今や食卓にも浸透したチーズタッカルビはその代表格ですが、近年爆発的な勢いを見せているのが「韓国スイーツ(韓国カフェ)」
 ピンクやミントカラーのマカロンアイスレインボー柄のミルクレープや、綿あめソフトクリーム、花壇に見立てたケーキなど…、いわゆる「インスタ映え」するスイーツの面々。日本にはない斬新でテーマパークのようなカフェは、一瞬にして日本の若い女性を中心に話題になっています。





なぜ、このような「インスタ映えスイーツ」が韓国から誕生したのか?
なぜ、日本やハワイでも台湾でもなく、韓国なのか?

今回はそんな、韓国スイーツの考察です。


ローカル感が見当たらない、韓国スイーツ。
”奇抜さ”が韓国スイーツのアイコンに。

 個人的に韓国スイーツの特徴として強く思うのが「ローカル感が全くないこと」。こちらも人気観光地となった台湾では、産地の果実マンゴーを使ったマンゴーかき氷やパイナップルケーキもあります。台湾のタピオカドリンク発祥の「春水堂」だって、元は台湾伝統のホットティーが始まり。
 そんな台湾と比べても、スイーツに韓国感は存在せず、「東京なのか、韓国なのか?」と写真だけでは判断できないこともしばしば。
 ちなみに韓国には「チャメ」と呼ばれる夏の果実があったり、日本のデコポンに似ているハルラボンというフルーツがありますが、韓国果実推しのスイーツにはなかなか出合えません。
 
 韓国スイーツの作り手としては、ローカル感は元々不要。なぜなら元々韓国女性向けにカフェ開発をしているためです。そんなカフェに飛びついた日本の女性たちは、ローカル感がないスイーツでも「奇抜さ(インスタ映え」」というのが、韓国っぽいと位置づけて気持ちを高揚させているようです。

「食べ物で遊ばない」というブレーキは、存在しない。

 もし韓国スイーツのようなものが、日本で誕生したのか?と問われたら私は「NO」と回答します。
 日本だったら「食べ物で遊ぶな」とコアターゲット外の客層から反感を買うことも予想できますし、作り手内部のやり取りの中で「やりすぎじゃないか・・?」という反応でインパクトの中和化が想像できます。 

 韓国には、そのブレーキが存在しなかった(または突破した)、圧倒的な意識の違いがあるのでしょう。この目的に対して惑いなく実行する感じ、何かと似ていませんか? 韓国女性の美意識と通じるところがありそうです。

韓国スイーツとコスメは同じ延長線上にある。
ミレニアル世代に愛された国、コリア。

 食に限らず、韓国カルチャーは日本で絶大な人気です。伊藤忠の調査でも、10代20代女性がファッションで参考にしている国の1位に韓国がランクイン。若年女性向けの雑誌JELLYには「韓国っぽ」の総特集されています。

 中でも突出して日本に浸透しつつあるのが韓国コスメ
美容大国で誕生したコスメティックは機能性が優れていて、パッケージもかわいい。そして割安。
よく男女間の購買行動で、男性はスペック購入、女性は感覚購入と言われますが、美容に関するコスメティックの場合は女性もスペック購入が強いのではないでしょうか。

韓国コスメを眺めていて思うのは、韓国スイーツとの類似性です。一瞬コスメティックというより玩具かと思うパッケージの数々。
韓国スイーツも韓国コスメも、日本市場なら躊躇してしまうぐらいの玩具感があって、それがインスタ映えするという定義で受け入れられています。

人もモノも外見優位の韓国は、
当然ながらSNS時代を爆速で駆け上がるはず。

 韓国では容姿はとても重要視され、就職試験の結果や結婚など人生の様々な場面で影響を与えると聞きます。そのため、韓国人の美意識はとても高くて場合によっては整形手術も厭わないのだとか。

 素朴な質問として儒教国家の韓国が、どうして父母からもらった身体にメスを入れることに合意が得られれるのか?と韓国の友人に聞いたとき「父母からもらった身体だからこそ、美しいままでいたいのよ」的なことを言われて、ほーう。なるほど。と思ったことを思い出しました。

 美しくなるという目的に対して、手段を選ばない国の韓国。
それは、人だけではなく、コスメもスイーツも同様で「映える」目的のためならば、これまでの食やメイクの既定路線をダイナミックに突破することに躊躇はないのかもしれません。

日本の食トレンドはいい意味でもある程度は、保守的になります。韓国と日本でも、トレンドの生まれた方が違う背景に、文化的・社会的背景があるから面白いですよね。


韓国や台湾に近い国に住めてよかったな。と思った私の感覚。

私が一番好きな国はベトナムです。ベトナムカルチャーの時代がもうすぐ確実に到来すると確信もしていますが、韓国や台湾の食トレンドを見ているとき「あぁ、韓国や台湾に近い、日本に生まれてよかったな」と自然と思った瞬間がありました。
 Japan is Bestではなく「韓国も台湾も近くて、日本も心地よいから、日本在住でハッピー」。という感覚。
この感覚こそ、イマドキなのかもしれません。

政治的にいろいろありますが、平成も終わりますし、そろそろ新時代の「アジアの姿」が言語化されてきてもいいのではないかなと、私はフラットに思います。

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渥美まいこです。 いただいたサポートは、食トレンド調査に大切に使わせていただきます。感謝…。

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食トレンド研究家/家庭料理ジャーナリスト 「食べ物・料理」をあらゆる角度から紐解いてます。 Twitterでは毎日料理や食べ物の歴史を[#フードストーリー]として発信しています。ベトナム料理が大好きな1986年生まれ。
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