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カミーノ1日目 サン・ジャン・ピエ・ド・ポーからロンセスバリェス 25.2km

6月3日:ついに始まるカミーノ!サン・ジャン・ピエ・ド・ポーからピレネーの山を越えてロンセスバリェスまで。どんな道なのか、どうやって歩くのか、何もわからず25.2km(距離はCaminoアプリに準じて記載)を歩く。ゴールが見えなくてひたすら上りが続く、長い長い1日だった。

33日間のスペイン巡礼 ”カミーノ” の振り返りnoteです🚶‍♀️
前回の記事はこちら



7:00 アルベルゲで朝食

前日チェックインする時に、朝食いるか聞かれとりあえずつけた。7€。

6時ごろから目覚ましをかけはじめ一回目を覚まし、周りはまだ寝てる様子なのでもうちょっと横になってようと15分くらいダラダラする。7時に朝食なので、6時半には身支度を開始。昨日リュックから出したものを順番にまた詰めていく。

歩く格好に着替え、寝袋をしまい、荷物をパッキングして、ここまでで30分かかる。

起きてよく見ると、もうベッドが空になっているところがいくつか。そんなに早く出ていくのか!

荷物を全部持って、靴も履いて1階のカフェへ。

パン、カフェオレ、フルーツ、ヨーグルト。
いつも朝食そんなに食べない人だけど、今日はたくさん歩くからパンを3枚くらい食べた。

りんご1人一個あるから、これも食べる。
ナイフで上手に皮を剥いて食べている人を真似して食べてみる。

パーソナルトレーナーが日本を出発する前に、歩くときは準備運動入念に。特に足首回すのと、スクワット、ブルガリアンスクワット、あとはリュックを背負う前に肩甲骨も動かしておくといいので両手を上げ下げする運動、これを毎日やると怪我しにくいと教えてくれたので、初日はしっかりやった。

行ってきますー!


8:00 サン・ジャン・ピエ・ド・ポー出発

どんな格好で歩くのかもまだわかってないので、Tシャツに長袖パーカー着て、リュックに入りきらない(この時はまだ気合いが足りてなくて詰め込めなかったけど、後からちゃんと入るようになる)レインウェアのコートをウィンドブレーカーみたいに羽織っていた。絶対暑い。

昨日もらった地図を見ながら道順に沿って進んでいくと、巡礼者たちが何人か歩いている。

「Buen Camino!(ブエン・カミーノ)」という合言葉を歩いているときに掛け合います。日本語だと「良い道を〜」という意味になるけど、山登りしてる時に「こんにちは」と挨拶するのと一緒だと思う。

こういうのはじめはちょっと恥ずかしいよねw

フランスの小さな街から山に向かって歩くと、景色がずーーーっときれい!!写真に全部収めたいけどキリがないほど。

これ見ただけでもうカミーノ来てよかったと思うレベルできれい。

所々に羊や馬、牛たちがいたり。

ゴールがどこだかわからないけど、ただ目の前に道があるから歩いていくという感じで進む。

日本人巡礼者に出会う

歩いていると、なんか理解できる言葉が聞こえてきて、日本の方ですか?と思わず声をかける。

真ん中が世界一周中のアキコさん、右が初一人旅のミカさん。

日本人がいる、日本語が話せる。
それだけで安心感が違う。
初日にして最高の出会いだったと思う。

1時間くらい歩いて、もう荷物重いし、暑いし、疲れたな、休みたい。

歩き慣れてないから、すぐバテる。
経験者からはそのうち慣れるよと言われ、これが慣れるってどんなレベルよ、ほんとかよって思った。

「ちゃんとしなきゃマインド」が強い

手元の地図を頼りにルートを見たり、給水ポイントを確認しながら水を飲む量を計算したり。

ガチガチに昨日言われたことを、その通りになぞる。すぐに地図を見て、今どこか確認したりする。

ルートを間違えないように、ちゃんとたどり着けるように、とにかく「ちゃんとやらなきゃ」マインドが強く出てくる。

ただ景色を楽しみながら歩けばいいのにと今なら思うけど、私の性格からして、「ちゃんとやる」のがひとつ自分の価値だと思っている節がある。このマインドとどう付き合っていくかがこの旅のひとつのテーマになったと思います。

まあ、でもちゃんとしてるから、言われたことに対しては気をつけることができるという良い点ももちろんある。

見逃しそうになった給水スポットも、地図を見ていたので発見。

いつもの海外旅行では水は飲めると言われてもボトルで買うことが多いのだけど、今回はそんなこと言ってられないし、別に飲めるから飲む。ただそれだけ。

この後も外の蛇口のほか、ホテルの水道水とかを毎日ボトルに詰めて歩いてました。

KEEP GOING

黄色の矢印の他にも、落書きに励まされたりする。

この辺りまでは上り坂もあるけど、まだ景色を楽しみながらハイキングをしている感じで、3人で話しながら歩く。

カミーノで話すことは、お互いの自己紹介とカミーノを歩く理由が鉄板。

人それぞれいろんな理由で歩きにきているので、話を聞くのが面白い。そして、自分の話をするときは、人に話してるんだけど自分に返ってくるような感覚もあって、話すことによって思考を整理するような感じになったりする。

10:30 オリソンで休憩

出発前に読んだブログで、初日の山越がきついから、体力に自信がない人は初日にここに泊まって、2日間に分けて歩くといいというのが書いてあった。

それがここ。出発して1時間半くらい経ったところなので、1日目は足慣らし的に距離短めにして、無理をしない計画を立てるなら選択肢としてありだとも思う。

最初はこの水汲み場の造形も素敵〜!ってはしゃいでたのに、いつしかそれくらいじゃはしゃがなくなったし、写真も撮らなくなったw

後ろにあるのはカフェでここで休憩する人たちもたくさん。私たちはトイレ休憩。

汗びしょびしょ

道の途中にはカフェがあって休憩したり、軽食を食べたり、カミーノのオアシスになっている。たまに山歩きの時はしばらくカフェがないこともあるけど、街を歩いているときは街に必ずあるので、次のカフェ見つけたら休憩しようという歩き方をしたりした。

さ、また歩き始めよう。

天気が良すぎる。

空が青くて、山の上からの景色がきれいで、静かで。

12:00 お昼休憩

そろそろお腹すいたね。
途中にキッチンカーがあると聞いてたからお昼を持たずに歩き始めてしまったのだけど、どこにもなくて!
ミカさんにパンを分けてもらった!

この写真を撮るくらいまだ余裕がある。

このパンのおかげで歩き切れました

まだまだ道は続く。

不思議なもので、上り坂の一番上まで行って、やっと着いたと思ったらまた次の坂が現れる。登っても登っても延々と上り坂。やばい、エンドレス。
人生と一緒だな。
あそこが頂上かなと何十回も思いながら登っては、ああ、また違った…の繰り返しは正直しんどい。

早くゴールに着きたいから、地図見て残り何kmか確認するんだけど、山登りのアップダウンを考慮しない徒歩の所要時間を見ても何の参考にもならない。でも見る。余計にしんどくなる。

もうやだ上り坂。

でもまだ1日目だし、笑って話せるくらい元気もあるし、頑張る。ガンバレ!

ゴールがどこだとか、後何キロとか、後何時間とか、気にして歩くとしんどくなるから、ただ前に進むことだけを考えて歩くのがいい。

カミーノそのうち慣れるよという言葉は、きっとそういうことなんじゃないかなと。

14:00 残り10km アスファルトの道から山に入っていく

ロンセスバリェスまであと10km!!!

と言われましても、あと10kmがどんなものなのかわかってないから、ここからがどんどんながーく感じてしまう。

あそこが頂上かな(だといいな)。と思うけど、そんなはずはない。

でもここ以上に高い場所見えないから、これ以上登るってことはないよねと思うのよ。ほんとに謎。なんでこれより高い場所が見えないのに、ずっと上り坂が続くのか!!!

そもそも私なんで歩いてるんだろうか。って何度も思う。

何の碑かわからないけど撮っておく

山肌を歩くってこういうことなのかな。

え、え、何かの骨。
これ、亡くなって骨になったのかな。大自然すぎるわ。

14:30 国境を越えて水飲み場

この辺りでフランスからスペインに入ったはず。

eSIM切り替えて引き続き電波入る状態。通信会社のカバー範囲をサイトで検索したら、ちゃんとカミーノの道はカバーされていた。さすがに国境付近の山の上は電波弱かったけど、基本カミーノ中は電波良好。

最後の水汲み場所からしばらく距離があいたので、水がそろそろなくなるところだった。この水冷たくておいしいー!生き返る!!

葉っぱが腐葉土みたいになってふかふかの道を歩く。

また新しい山が見えてくる。また登るのか。
あの前に見える山を越えるのか・・・。はあ。

この小屋は緊急時にこもる避難小屋かな?

自分のネガな部分と向き合わなきゃいけないと思っていた

毎回上り坂の写真を撮って思うこと。この傾斜が全く写真だと伝わらない。
平坦な道に見えるけど、これが結構斜度があるんです。

これが最後ののぼりだと思いたい。もう上り坂無理。

この時、というか、カミーノを歩く前から「カミーノを歩くなら今までの人生を振り返って、内省して、膿を出し切って新しい自分になる」みたいなイメージを持っていて、自分のネガな部分にどっぷり浸かって、そこからどうしていくかを考え”なきゃいけない"とか思ってたんですよ。

せっかくこんな大きなチャレンジをするんだから、何か大きなものを”得ないといけない”、自分のダメな部分を向き合わ”なきゃいけない”。そんなことを思っていたので、必要以上に自分と無理やりに対話をしようとしていた気がする。

”なきゃいけない"はやらされている言葉なので、それが出てくる時は本当にやりたいこととは違うってことなんだけど、無理やりにでも向き合ってここから何かを得ようとする気持ちの方が強かったな。

ネガな部分とはいえ、悪いことというよりも自分が触れたくないことっていう方がいいかもしれない。

この時はね、たまに思ってしまう「結局誰も助けてくれない。頼れるのは自分だけだから、なんとか頑張らないといけない」という考え方で、それに対して、そんなことないよな〜、なんでそう思うのかな〜という内省をした。

リアルタイムに書いてたnoteの抜粋>
ただ、ほんと途中マジでつらいと思って、なんでひたすら歩いてるのか、なんで歩いてしまったのか無駄なことを考えて歩く。
毎日歩くと慣れるとはいえ、しばらく毎日なんで歩くって決めたのか自分に問い続けると思うわ。
でもね、後戻りはしたくないので、とにかく小さくても一歩踏み出す。
自分で自分を鼓舞しながら歩く。

このひたすらに続く上り坂が本当にきつくて、がんばれ!がんばれ!と自分で自分を励ましながら歩くんだけど、その時に、過去にもしんどい時って何度もあって、その度に周りの人が励ましてくれたな〜とか、応援してくれる人がたくさんいるな〜っていうのを思い出したの。

リアルタイムに書いてたnoteの抜粋>
今までというか現在進行形で、周りが自分のことを応援してくれてるよなぁと改めて認識して、胸が熱くなりました。
どうした急に?って感じだけど、自分は1人じゃないし、応援してくれる人がたくさんいるなぁと思って、変に1人で頑張る必要はないよなと思ったのでした。
これが今日1番の心の動きかな。

そしたら、急になんか込み上げてきて、自分がたくさんの人に支えられていること、みんなから応援されていること、自分は1人じゃないこと、それを忘れないように、1人で頑張らなくてもいいと思ったのでした。

16:00 おそらく山頂

ようやく山頂か。もう16時。歩き始めて8時間経ってますけどw

1時間に1回ペースで休憩しっかりして歩いていたから時間かかってるんだけども、もう周りに他の巡礼者がほぼいない。

途中、パラリと雨がちらついて、慌てて雨よけのカバー出したり、レインウェア着たり、ざーっとくるのに備えたけど、すぐに止んでよかった。

雨の中を歩くのってどんな感じなんだろうという好奇心もあるんだけど、ここでザーザー降り来たら結構心折れそう。

カミーノの正式ルートはこの上のの写真の左側を通るルートなんだけど、結局真下に戻ってくる迂回するような道なので、ショートカットして少し急な坂を降りていく。

みんながショートカットするもんだから、もう道になっちゃってるw

かなり急な坂。

そろそろ街に近づいてきたので、山道が終わり、森の中に。

小川も綺麗だな。

平地になってもまだしばらく続くのですが、どうにかこうにか宿に到着!

17:30 ロンセスバリェス到着

ミカさんはあらかじめこの宿を予約していて、私も空きがあるならとついていった。

予約なしでアルベルゲに泊まるのは当然今日が初めて。どんな感じなのか。
空きがなかったら、もう3kmくらい先の次の町まで歩く必要がある。それは嫌だ…。

このアルベルゲはベッドが183台もある大きなところ。
スタッフに空きがあるか聞いたら、もちろんあるよ!予約なしでも大丈夫だよ!って言われたので、ほっとした。

でも日によっては満室になることもあるらしく、あとで出会った巡礼者がこの宿に入れなくて次の町まで歩いたという話も聞いた。よっぽど予約なしで大丈夫だと思うけど、不安な人は予約するといいと思う。

17時半に着いて周りには人がいなかったけど、レセプションには同じくらいに到着した巡礼者たちがチェックイン手続きに15人くらいは並んでいた。

道の前には姿が見えなかったけど同じくらいの人たちこんなにいたのね。

並ぶ前に、クレデンシャルにスタンプを押してもらう。
記念すべき2つ目のスタンプ。いきなりマス目無視。主張強め。
このスタンプ『星の旅人たち』でも同じ形で変わってないんだな〜って思った。

この辺疲れ過ぎて、写真全く撮ってない。

17時半ということは約10時間も歩いてたのか。休みの時間もあったけど長かった。33日の中で一番長く歩いた日でした。初日なのにw

初日にしてクライマックスは結構あってるかもしれない。

アルベルゲ:Roncesvalles Pilgrims' Hostel

チェックインの時に夕食と明日の朝食を頼む。
ディナーは12€、朝食は持っていけるようにしてもらった。

アルベルゲのベッドにはマットレスと枕が置いてあるだけなので、大体不織布のシーツをもらい、その上に寝袋を敷いて寝る。

この建物は3階建てて、予約していたミカさんは2階のちょっと綺麗な部屋で、予約してない私は地下の病院みたいなところに収容・・・じゃなくw 案内された。

わかってはいたけど、全身汗だく。洗濯は乾燥まで合わせて7€。
ミカさんと2人で割り勘して洗濯してもらった。

初日だし、あんまり勝手もわかんなくて、しかも疲れてるからお願いしちゃえって感じだったんだけど、普段は洗濯場でゴシゴシ石鹸で洗って干し場に干します。

アルベルゲ着いて、ベッドメイキングして、シャワー浴びて、洗濯するところまでが日々のルーティーン。

お楽しみのディナー

アルベルゲによって、ディナーがあるところとないところがある。
周りにお店やスーパーがないとアルベルゲにレストランがついていることが多い。

ここはベッド数も多いから、レストランも2つあった。

1皿目スープ。2皿目チキンか魚選べて、チキン。
ワインもテーブルに1本置いてあって飲んでいいということで、2杯くらい飲む。デザートはヨーグルト。おいしかった。

19時少し遅れてレストランに行ったら、時間過ぎてるよ!とちょっと嫌な顔をされた。え、意外と時間きっちりなのw?
20:30〜2回転目が始まるからってことだとは思う。

同じテーブルにはイタリア、韓国、香港の人で、それぞれが不慣れな言葉を使いながら少し会話。英語は少し話せるようになったけど、英語以外はさっぱりなので、多言語習得できたらいいな〜ってやっぱり思う。

ここのWi-Fi弱めだったけど、共有スペースはまだ使えるから、寝る前と朝早く起きて、小1時間PC開いて仕事をする。

アルベルゲは22時消灯、22時以降は共有スペース使えるのかわかんなくて、大人しく寝ることにした。で次の日、朝7時に朝食ピックアップできるから5時半くらいに起きて、6時から1時間くらい仕事する。

海外ノマドとしての巡礼

そういえば、まだnoteに書いてなかった気がするけど、この巡礼はPC背負って仕事をしながら歩きました。多少仕事量減らしてきたけど、ゼロではない。日中歩いて、夜時間あるし、疲れるだろうけど多少は仕事できるだろう、両立したいと思っていた。

この仕事を持ちながらの巡礼は、この後いろんな示唆をくれるのでした。

巡礼にPC持ってくる人は多くはない。
PC開いてると、びっくりされることが多く、え?それ持ってきてるの?仕事してるの?大変だね〜。という反応。

でも、仕事しながらだからこそ歩きに来れているというのも事実だし、仕事しながら旅をしているというと、羨ましい〜とも言われるので、良し悪し、好みですね。

とにかく、初日は初めてのことが多かったし、長く歩いたしてたくさんいろんな気持ちが動いた。

さて、明日からはどんな日になるのでしょうか!!

>>次回、2日目。早くゴールしたくて急いで歩いてしまう。

最後までお読みくださりありがとうございます!


★あつみのプロフィール
新卒から13年働いた大企業を退職して海外ノマド(フリーランス)に。マーケティングコンサルティング、コミュニティマネジメント、翻訳ライティング編集などをしています。
思わず誰かに話したくなる面白い経験が好きで、会社員しながら月イチで海外を決行したり、弾丸で旅に出るのが楽しすぎて旅レポを書くようになりました。会社辞めると決めてからコロナ禍3ヶ月海外は8カ国12都市を巡る。東欧ジョージアで開催された海外移住体験プログラム「ノマドニア」を経て海外ノマドに。
スペイン巡礼”カミーノ”33日間の体験をnoteで振り返り中。

Twitter:https://mobile.twitter.com/atsumiee
Instagram:https://www.instagram.com/atsumiee_/

★ありのままの自分でカミーノを歩く👟

★海外ノマドになるまで「ノマドニア」体験記

★コロナ禍3ヶ月の海外旅行、1カ国目パリ旅の記事まとめはこちらです💁‍♀️


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