四月二十日@ブダペスト

最近朝の目覚めが悪い。なんか変な夢をみているようだ。一昨日は明確に覚えていたが、今日の朝は思い出せなかった。

朝は延期になっていた指導教員とのミーティング。十時から。十分前にスカイプするためオフィスを出て本部キャンパスの喋ってもいい場所に行く。適当に歩いていると奥の方に机を見つけ、誰もいなかったのでそこに座る。机のさらに向こうに哲学か何かの博士課程の研究室があり、外から中が丸見えな造りになっていた。向かって右側の研究室では、私に背を向ける形でFacebookを見ている学生が一人(大画面のせいで何を見ているかわかる)。左側の研究室では、何があったのか知らないが、部屋の中をぐるぐる歩き回って発狂している(少なくともそう見える)学生が一人。

指導教員を楽しませて見ようプロジェクトということで、今日は自分の研究の新しいところ(二つの分野の融合)を喋って見たら、すんなり納得されて、あんまり知的興奮を与えた感じではなかった。当たり前過ぎたのか、特に面白くない分野の融合だったのかわからないが、たくさん質問がくる方が興味を持たれている気がするのは私だけだろうか。ただその融合を説明するために作った図解がいまいちだったようでコメントをくれた。近々バーチャル研究室の方に書こうと思う。研究者を喜ばせるのは難しい。

午後はトマトライティングクラブに参加。今日は二人だけ。しかも既にこの方法に慣れてきたのか、初回ほど捗らなかった。でもだらだら自分のオフィスでやっているよりかはマシか。ドイツ人の先輩が休憩中に何か見て笑っているので、「何見てるの?」と聞くとユーリオンアイスだよ!と興奮気味に言われたが私の知らない日本のアニメ。

帰る途中、ネットでオーダーしておいたシルクプリントのTシャツを取りに行く。男性のサイズしかなかったが、デザインが好きでSサイズを買ってみる。

ピアノ習い始めようと思い立ち、今日は六時半からお試しレッスンに参加する。ギリシャ人の先生(リスト・フェレンツ音楽芸術院の大学院生)に習うことにする。ギリシャの人に今まで会ったことがなく、友人から「対人距離が近くて情熱的」と聞いていたが、まるで反対のシャイで落ち着いた人だった。確かにレッスン中は距離が近かったが、レッスンでは先生が私の右から教えるために弾いたり、私が弾いてる間に助言したり歌ったりとやりとりが密なので、特に違和感はない。

ちなみに私のピアノ歴は五歳の時から十年。高校に上がるときにやめてしまい、さらに大学に入って一人暮らしを始めて部屋にピアノがなくなったことで、全くと言うほど弾かなくなった。今ブダペストに引っ越してきて、学部に三つの電子ピアノと一つのグランドピアノがある。いい環境なので、もう一度一から習い始めようと思ったわけである。ちなみに私の研究分野(どうやって先生は専門技術を生徒に教えているのか)なので、フィールドワーク的な要素もある。

指を個別にはっきり動かす運動とかショパンのワルツを弾いて、具体的にたくさんできないことがわかって面白い。さらに自分の研究にも刺激を受けた。今日のレッスンが楽しかったので、来週から週一で通うことにする。