六月十七日・十八日@ブダペスト

六月十七日

朝、いつも通りゆっくり起きる。朝ごはんは残りを全部食べ切るために、多めのグラノーラ、コーンフレークを混ぜたもの。朝からマストドン。そんなに没頭しなかったけど、それでも時間は消費してしまったと思う。

お昼から大学に行く。主にピアノの練習。指の練習曲を重点的にやっているとあっという間に一時間経ち、残りの一時間でベルガマスク組曲の第一番と第四番の練習。第一番は右手と左手を交差して行ったり来たりする動きがあるのだが、ここの速さがいくら練習しても間に合わない。手が小さいのも一つの原因だし、あとは単純にもっともっと練習して、左手を大幅に動かしてもピッチエラーしない指のコントロールが必要だ。第四番はゆっくり譜面を読みながら左手の練習だけをする。ショパンの告別は忘れないために弾いておく。

夕方、友人が私の家に来るとか来ないとか言っていたが、結局来ないことになったのでゆっくり夕方を過ごす。夜の十一時から久しぶりに両親とスカイプをし、終わった試験のこと、今度帰る夏の計画などを話し合う。最後に群馬で地震があったことが気になったので、そっちも気をつけてねと言う。まさかこれが本当のことになろうとは。

六月十八日

朝、マストドンを開いて寝ぼけ眼を開く。大阪で地震があったことを知る。ニュースを見ていると、まさに実家あたりが震源地であったため、びっくりして両親と弟に連絡するが、すぐに返信は来ない。三時間後に大丈夫だというメールがありホッとしたが、実家も食器が割れたり、一部壁が崩れたとのこと。ヨーロッパにいては、何をどうすることも出来ず、一日中ただただニュースをチェックする。

朝はまず九時からピアノのレッスン。今週は休暇前なので週二回。今日はベルガマスク組曲の第二番に指使いを振ってもらう。指使いを振ってもらうときはほとんどそれで一時間が終わる。

大学に行って今日こそはダラダラせずに仕事をしようと決める。自分の実験計画が正式に通ったので、倫理審査の書類をまず書き上げる。三枚のうち一枚をとりあえず先生に提出し、あと二枚はもらった参考資料が四年以上前のものだったので、このまま同じフォーマットで書いて仕上げていいのか質問しておく。あとは音楽の実験刺激を作曲家の方に作ってもらうために、必要条件の選定と、実験のためのMaxのプログラミングをしなければならない。

午後二時からはそのMaxのプログラミングのワークショップをラボの先輩にしてもらう。私と、もう一人大学四年生でインターンに来ているマックスと二人で習うことになる。Maxをマックスと習う、何ともおかしな状況。いつものことながら、この先輩の説明はわかりやすい。先日参加したRのワークショップもこの先輩が企画者だ。

ワークショップ後、他の学部で同じく博士をやっている日本人の友達から連絡が入り、急遽カフェでお茶のあとThe 3 minutes thesisという研究を三分で紹介するコンペを見に行くことにする。私の大学では今年初めての大会と言うことで、10人がエントリーしていた。自分の学部からは誰も出ないと思っていたが、驚くことに私の一個上の先輩が出場していた。全ての話が面白かったが、私はEnvironmental Science and Policyの農業や家畜の環境について発表した方に投票した。

家に帰り、地震の情報をまた見てみると余震が結構あるようだ。これで収束して行くことを願う。夜ご飯を食べたらまた横に寝転がってそのまま寝てしまった。関係あるのかわからないが、ジョギングを始めてから、こういう風に寝落ちをしても風邪をひかなくなった気がする。前はすぐ喉を痛めて、そのまま風邪のような症状になることも多かったが。とはいえ因果関係はわからない。