六月十四日・十五日@ブダペスト

六月十四日

朝起きてジョギングしようかと思うが、結局九時ぐらいに起きたので断念する。朝ごはんはここのところビーガン用のダークチョコレートのグラノーラに普通のコーンフレーク、残り物のクラッカーを割って牛乳を注いで食べる。昨日の夕ご飯の残りをタッパーに詰めて、大学へ向かう。

久しぶりに朝から土砂降りでバスに乗る。案の定大混雑。ハンガリーでは、バスに乗った時チケットを中の機械でバリデート(時刻の印字)をしなければならないが、混みすぎてその機械の場所までいけない。ついには目的地までそのままついてしまった。悪いなと思いつつタダ乗りしてしまう。ちなみに地下鉄を除いて、トラムやバスなど、ランダムに乗ってくるチケットをチェックする人に会わなければタダ乗りができるシステムになっている。タダ乗りが見つかった場合はもちろん罰金。

大学に着くもさっぱり集中できず。もはや何をしていたのか思い出せないが、多分マストドンをしながらパソコンの整理をしていたように思う。ずっと自分のオフィスにあるWindowsのパソコンを使っていたが、いよいよラボ配属が決まり、プログラミングなども本格的にやらないといけなくなったので、自分のパソコンでメインで働くように設定する。ほとんど必要なものはクラウド上で管理しているのでデータを移行させることはないが、Windowsのパソコン上のいらないデータを全部削除するなど。来年度の一年生がまたこのパソコンを使うのである。

夕方、同期がラボミーティングで発表するというので、私の研究室とは違うが聞きに行く。話の内容は、赤ちゃんがどのように行為者(Agent)と順序だった行為(ordering)の関係を認識しているかという話。多分論理があんまり理解できていないので説明がうまくできないが、赤ちゃんは行為者(例えば人間)が順序を作る(バラバラに散らばった物体を、順序立てて並べるなど)をすることを期待しているが、非行為者(例えばボール)が順序を作ると(予測していないので)驚くという。この同期はこの発表後に産休に入り、一年のお休みになる。三人目のお子さんを出産するのだ。家庭を持ち、子どもを育てながら博士課程をするなんて本当に尊敬だ。

その後、ピアノの練習をする。地道にやっているが、びっくりするほど上達が見えない。個別の練習曲はだんだんできるようになっているが、とにもかくにもドビュッシーのベルガマスク組曲のプレリュードがもう二ヶ月ほどやっているのに未だに詰まらずに弾くことができない。趣味だが、辛い。モチベーションを保ちながら続けることは難しい。

六月十五日

朝、またゆっくり起きてしまいジョギングは断念する。いつも通り朝ごはんを食べ、朝からうっかりパソコンでマストドンを開いてしまい、色んな人と会話を楽しんでいるうちにお昼になる。どうせならお昼ご飯を食べてから大学に行こうと思い、洗濯を一回回し、お昼ご飯の支度をする。二・三日前に作ったイエローカレーを食べ終える。

お昼ご飯後、どうせならと溜まってた洗濯物のアイロンをかける。洗濯が終わった物を干す。ぼーっとするなどを繰り返しているうちに二時半ごろになる。そこから大学へ向かう。

今日は先輩がトマトライティングクラブという、ポモドーロメソッドを使ってみんなで集まって文章を書いたりコードを書いたり、とにかく仕事をするという集まりを企画していたので、最後の一時間半だけ参加する。今日の夕方のピアノのレッスン前にリストの楽譜に指使いを記入して行く。非常に退屈な作業である。一時間ぐらいかかって指ふりを終える。

夕方はピアノのレッスン。ここ三週間ほどは先生が二ヶ月ほどの休暇に入るので、週二回のレッスンとなっている。先生がお金を稼ぎたいのか、本当に私のためを思ってたくさん課題を出してくれるのかよくわからないが、夏の間にやることが非常に多そうだ。どうせやるなら、博士課程の間にものすごく上達したいなと思うし、先生もすごくうまくなれるよと励ましてくれる。

家に帰りいつも通り適当にオーブンで野菜を焼き、牛肉の塊を焼いて食べる。いわゆる米や小麦のような炭水化物は最近夜食べなくなった。ずっと食べていないと特に食べたいとも思わなくなってきた。