11. 初回レッスンですべきこと
初回レッスンのいちばんの目的は、渾身の良いレッスンをして、
「この先生でこれからもレッスンを続けたいな」
と生徒さんに思ってもらうことです。
そして、もう一つの目的は、レッスンを続けるとしたらどんなプランでやっていくのが生徒さんにとって最適かを見極め、それを伝えることです。
レベルごとに3つのタイプの生徒さんに分けて、私が普段していることをご紹介します。
1) ゼロから日本語を始める生徒さん
全く日本語がわからない状態でオンラインレッスンを始めることに不安を感じている学習者の方が多いです。とびっきりの笑顔で不安を解きましょう!
まずは簡単なあいさつでウォーミングアップです。「こんにちは」のように知っている言葉が出てくると、生徒さんは安心します。
次に文法ですが、私は英語と似た言葉が多い「国名」を使って、「ミラーさんはアメリカ人です」etc. の文作成、否定文、疑問文と答え方を教えます。(これでちょうどトライアルレッスンの30分になります。)
国旗の下にアルファベットとひらがな、またはカタカナで言葉を書いた絵カードを用意し、生徒さんがわからなかったら、すぐ見せられるようにしています。ストレスなく文作成できるようにするのがポイントです。
私が作成したワークシートには、日本語は一切記載していません。絵と英語のキーワードだけです。初めての生徒さんでも「文字に頼ることなく会話ができる」ということを体験してもらっています。そして、
「私の文法のレッスンは、こんな感じでたくさん話しながら進めます」
と、自分のティーチングスタイルを紹介します。
私のシラバスは「みんなの日本語」に基づいていて、レッスン中にテキストはほとんど使いませんが、著作権の関係で、絵カードを見せるためには学習者が私と同じ「みんなの日本語 本冊」を持っている必要があります。ですので、その旨も説明し、テキストをまだ持っていないようであれば、買っておくよう伝えます。
最後に、何か質問はないか、必ず聞くようにしています。
2) 既習者だけど、まだ初級の生徒さん
初級のいろいろな文法を使った質問をして、自分のシラバスのどの地点からスタートするのがベストかを見極めます。
私の文法コースは「みんなの日本語」に基づいているので、「この人は助詞が弱いな」と感じたら第5課あたりから、「〜があります/います」は言えるけど、数量詞が使えていなかったら第11課から、という感じで判断します。
一通り会話した後、生徒さんにとって最適と判断したプランを説明し、使用するワークシートのデータを参考に送って見せます。1)と同様、テキストをまだ持っていないようであれば購入を促し、最後に何か質問はないか、必ず聞きます。
3) 1時間フリートークができるレベルの生徒さん
私は中級以上の文法コースは設定していないので、このレベルの生徒さんは必然的にフリートークになります。もし、中級以上の文法を集中的に勉強したいと言われたら、他の先生を勧めます。(今のところ、言われたことはありませんが)
楽しくおしゃべりして、間違いがあれば直したり、もっと自然な言い方があれば紹介したりします。
このレベルになると、「勉強」というよりは、楽しく話しながらお互いのことを知る、という感じです。
フリートークのレッスンでは、私は何も準備しません。自分で何か使いたいものがある生徒さんには、事前にシェアしてもらっています。テキストをスキャンしたデータや、一緒に読みたいサイトのURLなどです。文法コースと違って、内容はフレキシブルなので、生徒さんがレッスンで何をしたいのか確認します。
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初回のレッスンがすごく盛り上がれば、次のレッスンも予約してもらえる可能性が高いです。中には、通話を終了する前に「また予約するね」と言ってくれる生徒さんもいます。最後に「またね!」と言われると、
「上手くいったんだな〜」
とうれしくなります。^^
レベルが高い生徒さんは、1人の先生だけでなく、いろんな先生との会話のレッスンをローテーションで受けたりもしているようです。
人は感情で動きます。初回レッスンでは、まずは楽しんでもらいましょう!
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