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定年後の夫の育て方(2)「お疲れ様、ゆっくりしてね」って言ったじゃない

定年後の夫の育て方、第2回です。
以前の話はこちら

第1回の簡単なあらすじ
理科系夫(りーくん)「子供も独立したし、自分の心身をすり減らすから会社辞めてもいい?」

あつこ「・・・・・(え?ほんとに?やっと2人暮らしになって自由にのびのびしたかったのに・・・まあ、仕方ないか)」

(さっと内容を知りたい方のために)
第2回の簡単なあらすじ
りーくん(家族に退職記念ランチをしてもらった。お疲れ様といわれて、ようやくたっぷり寝られるようになった。これからゆっくりしてと言われたのに、雲行きが怪しい。。。)

あつこ(なんか、家事をして、フルタイムで働きだして、前より大変なんだけど。疲れが抜けない)


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退職祝いランチ


理科系夫、2019年8月末日付で退社。

明けて、9月1日のお昼は
ホテルのレストラン。
家族4人で夫の退職祝いランチである。
(夫、あつこ、はるちゃん(長女)、なっちゃん(次女)

39年間、家族のために働き続けてくれたことに感謝だ。

娘たちが幼いころには、幼稚園代だけで月8万(毎月4万×2)が出て行った。幼稚園は、夏休みも月謝があることにおどろいた。
若かったから収入も少なくて。
今みたいに児童手当もなかったし。

何を食べていたのか、今となっては思い出せないレベル。。。
安いものばかり探していたような記憶がある。
子供服もイトーヨーカドーばかりだった(西松屋とかなかったし)

なぜか2人とも中学受験をして、大学受験もして、
教育関係にはお金がかかった。けっこう切り詰めてた。

だから娘たちの結婚式の費用は、1円も出していない。
(お祝いは渡したけど)
パパとママにも老後っていうものがあるからね。


デザートプレートの文を考えてくれた娘たち。ありがとう。

大好きなパパへ happy Retirement 


パパとママ、二人だけでちゃんとやってかないと君たちを心配させちゃうね。


理科系夫の優雅な生活

退職後の夫の生活は、優雅だった。

夫は 濡れ落ち葉にはならないタイプだ。
パソコンに取り込んだ写真の整理をする。
動画の編集のしかたを在宅で学ぶ。
やりたいことがたくさんあるのだ。

※濡れ落ち葉とは ・・・濡れた落ち葉が地面に張り付いて取れないさまから、仕事も趣味も仲間もなく、妻に頼りきって離れようとしない定年退職後の男(Goo 辞書より)

あつこはフルタイムで働き出している。
朝は忙しくなったのだ。

一方、理科系夫はゆっくりとしている。

・朝の理科系夫
朝5時に起きて体操をし、
マインドフルネス(瞑想)をし、
英会話を聞き、
軽い散歩をし、
コーヒー豆を挽いてゆっくりコーヒーを入れて
その後はパソコンに向かって何やらやっている。

・朝のあつこ
洗濯機を回して
洗濯を干して
朝ごはんの用意をして(和食)
朝ごはんを食べて

食器を食器洗い機に入れるのは夫にお願いしている。
だって出社しなくてはいけない時間になってしまうから。
(適当なメイクで急いで家を出る)

・昼の夫
朝ごはんの片付け(食器洗い機・ナベや漆器は手洗い)
洗濯物の取り込み(たたまない)
お風呂のお湯を入れる(栓をして、ボタン押すだけ)
宅急便の受け取りもある。

・昼のあつこ
昼間は新しい仕事覚えるのに
神経を使っている。
新しくできた同僚のおしゃべりにも気を使う。


・夜の夫
夕方5時にはお風呂に入って、
体操をして、
パソコンに向かっている
夕飯食べる
テレビを少し見て
パソコン向かって
10時には寝る

・夜のあつこ
あわただしくお夕飯の用意をして
夕飯食べる
お夕飯を片付けて

お風呂に入ったあとはもうクタクタ。
トイレ掃除は週末にしよう。

ーーーーーーーー
この時間の使い方の差!

39年間働いて
疲れているのは分かるけれども。
でも、なんだかこれって・・・
これって・・・・不公平じゃない?

あつこの怒りが、ほんの少しずつ積み重なっていく。


やってあげてる、と思ってる

「食器洗いって手が荒れるんだね?
だからゴム手袋を自分用に買ってきたよ。」

キッチンに L サイズのゴム手袋がゆれて下がっている。

どことなく得意げに見えるのは、
食器洗いを「やってあげている」という優越感。

そんなこと今ごろわかったの?
と心の中で思いつつ。
「そうなの?」というのがやっとだった。

まだ会社勤めの39年の疲れが取れていないだろうし。
だって退職してまだ1ヵ月くらいだから。

ようやくゴミ出しを

朝ゴミを出す時間も惜しい状態になってきた。
やっぱりメイクぐらいちゃんとしたいし。
実は理科系夫、今までごみを出したことがるのはたったの2回だ。
わたしがつわりだった時と
40度近い熱を出した時だ。

出さない理由は

スーツはボクの戦闘服だ。
仕事に 集中したいから
ゴミ出しなどの家事には関わりたくない

が、この理由は退職した今、完全に消え失せた。

自治体が発行したゴミ出しルールブックを示して
出し方を説明した。

さすが理科系。
マニュアルがあると強い。

何回か失敗はあったが、ゴミ出しができるようになった。
資源ゴミと生ゴミの区別もできるようになった。


妻の不満がじわじわと。。

ところが、ゴミ出しのほかは、状況はあまり変わらなかった。

働いてくれた39年間の重みを感じつつ
ゆっくりしてほしいと言う気持ちは確かにあったが。

慣れないフルタイム勤務で疲れが溜まってきていたあつこ。
だんだん理科系夫に優しくできなくなってきた。

食事の時に、ぶっきらぼうに返事をしたり
黙り込んでみたり。

さすがの夫も感じたのだろう。
退職してひと月以上経った頃、こう声をかけられた。

理科系夫「何か怒ってる?」

あつこ「怒ってないけど。
でも、時間がなくて疲れてる」

沈黙する夫。

あつこ「もう少し家事をやってもらいたいの」

怒りを含んだ声になってしまった。

理科系夫「だってこれからは
ゆっくりしていいって言ったじゃない」

確かに、そんなふうに言った。
言ったんだけどね。

続く
音声配信でもお話ししています。
文章とはまたちょっと違った情報あります。ぜひ。


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