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定年後の夫の育て方(1)ボクはもう、働かなくてもいいかなあ・・。


はじめに

【定年後の夫の育て方を再開します】
・定年夫婦のきしみ、小さな感情の揺れを中心に書いていきます。

・仲良し夫婦、と言われるのですが最初からそうだったわけではありません。一番の大事件はドライブ先の置き去りでした(彼に言わせると、置き去りにするつもりではなかったらしい)

・あつこは、よい主婦ではありません。掃除も洗濯も不得意です。一番嫌いなのはアイロンがけです。必要最低限やりながら、還暦を迎えました。今までの32年間、あつこの家事がカンペキでなかったことが、理科系夫の静かな怒りにつながっていきます。

・理科系夫の気持ちを時々投稿します・・・理科系夫から直接聞き取りました。私も知らなかった彼の気持ちです。
「収入を確保するのは、重き荷物を背負って、山道をあえぎあえぎ登っていくようなものだった」と初めて聞きました。
あつこの今までの家事に対する苦情(ジブンハ、カンペキジャナイクセニ、ヒトニダケキビシイ)も今回初めて聞きました。←noteが書けなくなりそうなので、途中でさえぎり、最後まで聞きませんでした。

・定年夫婦は100組あれば100通りです。
雑誌などでは、熟年離婚だの家庭内離婚だのひんぱんに取り上げられています。しかし実際そのように行動できる人は、周辺では多くない印象です(酒乱やDVは論外です)。

・あつこ夫婦が離婚せずに済んだ過程が、どなたかの参考になるかもしれません。そう願ってシリーズ再開します。
原則として、毎週土曜日に書きます(今日は理科系夫の話を聞いているうちに夜10時過ぎてしまいました)

流れを一部ピックアップすると(予定・変更有)
・辞めたい
・退職お疲れ様でした
・え?本当に働かないの?サラダぐらいは?
・なんで洗濯取り込めないの?買物できないの?
・寝室分ける
・とりあえず和解
・置き去り
・冷戦状態
・話すきっかけは
・すんなり和解にはいかない
・さらなるきっかけ
・意地悪なわたし
・やっぱりわたしから言うのか
・とりあえず
・今の家計をセキララにいうと
・情報開示
・国民健康保険にしなければよかった
・いまのあつこ家
・妻の働いたお金はだれのもの?
・続けるために
・・・・

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再雇用2年目の終わりに


「ボクはもう、働かなくてもいいかなあ」

夫がそう言ったのは 2019年の7月の始めだった。
夫62歳。

再雇用1年目がそろそろ過ぎようとしていた。
再雇用契約は、1年ごとに更新される。
同じ部署の同じ仕事だったこともあり、
当然3年目も契約するものだと思い込んでいた。

次女のなっちゃんが結婚準備のために家を出た。
気軽な2人暮らし。
あつこは、これからいろいろなことをやるんだと計画を立てていた。

ジャパニーズビジネスマン

彼は理科系である。
高度成長時代のジャパニーズビジネスマンだった。
そのころ、24時間戦えますか…というコマーシャルがはやっていた。
彼も毎日4時間ほどの睡眠で、休日出勤までこなしていた。

誠実な対応が彼の一番の武器。

睡眠時間は相変わらず少なかった(平均4-5時間)。
再雇用前と比べて、ほとんど変わらない仕事の重圧があった。
62歳という年齢での健康状態を、てんびんにかけて考えたという。

「このままの働き方では自分の健康状態に自信が持てない」
と言い切る彼の姿に
それでも働いて・・・とは言えなかった。


最後のひと月


理科系夫の会社員としての最後のひと月は、結構忙しかった。

退社を惜しんでくださる客先も多かった。

「夫さんがいたから、安心して取引ができました」と言われたときには
理科系夫、鼻の奥がツンとなった。
それなりに心を砕いていた取引先だったからだ。


社内では、長く新人教育にも関わっていたため、
若手社員から「もっといろいろ教えて欲しかった」と言われた。

転職もしたが、同じ業界に身を置いて駆け抜けた39年間。
社内、社外を問わず、こうやって声をかけてくれる人たちがいることがありがたい。


職場からのプレゼント

職場からのプレゼントは、妻である私にもあった。

夫婦でペアのサーモスのボトル。 
両方とも名前入りである(夫の名前は隠して撮影)

夫婦でウォーキングを始めた、という話を聞いたチームの人が選んでくれた。

Enjoy happy walking!
2019.8.29 は、夫の最終出社日だ。

ボトルに刻印できるとは知らなかった。

夫が書いた職場へのお礼メールに、私の感謝の言葉も入れてもらった。


「世界でたったひとつのボトルをありがとうございます。
名前入りで、色もきれいで気持ちが明るくなります。
このボトルと一緒にたくさん歩きたいと思います。

いろいろと夫がお世話になり、ありがとうございました。 あつこ 」


妻が働く

ちょうど前のパートを辞めたばかりだったあつこ。
9月からは夫婦とも給料がない。
大変だ。働かなくちゃ。
どんなに少しでもお金があったほうがいいし。

駆けまわって、とりあえず派遣(事務)の仕事をゲット。
3か月ごとに更新の、不安定な職場だ。
ぜいたくは言ってられない。

こうして2019年9月、
62歳の理科系主夫が誕生することとなった。


理科系夫、りーくんの本音

あつこに
「もうボクは働かなくてもいいかなあ」
と相談の形で話をした。

だが、心の中ではもう気持ちが決まっていた。
やめる、と。
あつこが反対しても、ボクは会社をやめただろう。

当たり前にもらえていた給料がなくなる。
あつこが嫌がる気持ちはわかるが
金銭がもらえるのは、自分の努力の賜物だ。
もう嫌だと思いながら頑張ったこともあった。
55歳過ぎに早期退職を選ぶこともできた。
退職金が多くなるけどそうはしなかった。
子供たちがまだ学生だった。

再雇用制度があって、63まで働けた
(当時、夫の年齢だと再雇用応募は63歳までだった)

一年ごとの契約ではあったが、仕事がうまくいかない時もあった。
会社の事情や業界の変化が大きかった。
それがストレスになってきて、プレッシャーも増してきた。
生産性を追求されることに、働く意欲が薄れてきたんだよね。
昔だと、再雇用の人は簡単な仕事をやっていればいい、という認識があったけど、今の時代は違うから。やはり利益を上げないと。
(あつこ注:夫の会社は数字管理が厳しい)

もう自分にはこの状況にいるのも疲れてきたし、
今後、やりがいのない仕事を無理して続けるのは避けたかった。
今まで家計を支えてきたという気持ちもあったし、
自分でやめてもいいだろうと思ったよ。

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