素人がポッドキャスト配信を2年間続けて分かった”継続のための3つのヒント”
(誰にも聴かれなかったらどうしよう……。)
そんな不安を感じていたポッドキャスト配信ですが、2年間が経ち、累計再生数は5万回を超えました。
ご感想をいただく機会が増えたり、ポッドキャストだからこその出会い(話を聞きたい人と直接話せる)も増え、今では続けてよかったと、感じられるようになってきました。
でも、この2年間で何度もくじけそうになったことがありました。
ポッドキャスト配信は継続が難しく、ほとんどの配信者は7話程度でやめてしまうそうです。
「誰にも聴かれないおしゃべりをし続ける」ことは、かなりの精神力がないと続けられないですよね。
この記事では、ぼくが2年間ポッドキャストを継続することができた3つの理由について書こうと思います。
ポッドキャストを始めてみたけど、もう心が折れそう。続けられそうにない。
そんな方の参考になれば幸いです。
1.ポッドキャストを続けるための原動力は?
世の中でポッドキャストを聴いている人は少数派であり、拡散もされないので、配信初期はまったくと言っていいほど聴かれません。
もう、泣きたくなるくらい聴かれません。
どうやって聴かれるようになるかは、こちらの記事にまとめていますので、気になる方はこちらもチェックしてみてください。
諦めずに続けていくと、再生数が少しづつ増えていきます。初期は1つのエピソードの再生数が一桁でしたが、2年目の今、平均視聴数は100回を超えました。
ここまで来るのが長かった……。
赤丸で囲った部分が平均視聴数です。
2021年1月21日に始めて、現在(2023年1月24日時点)までの合計再生数は55,770回。
1週間で訪れるユニークリスナー数は477人。1話あたりの平均視聴数は141回です。
スタートから現在までの視聴数の推移です。なだらかに増加しています。
ポッドキャストを2年間続けて思うのは、継続のために必要なものは「原動力」だったなということです。
なぜ、このポッドキャストをやるのか?
なぜ、続けるのか?
ポッドキャストを続ける理由を見失い、続ける気力がなくなりそうになることが何度もありました。
再生数一桁の配信を続けていると、こんな疑問が心に浮かんでくるんです。
そんな疑問に押しつぶさそうになったことが何度もあったんです。
noteならどんな記事にも誰かが一回はスキを押してくれますが、ポッドキャストにそんな優しい機能はなく、無情な視聴数が表示されるだけです。
初期の放送では、ぼくが調べた夫婦関係改善方法について話していましたが、個人の体験なんてたかがしれており、すぐにネタ切れしました。
ネタ切れ防止のために始めたのが、質問箱と夫婦関係相談でした。
質問箱でお悩みを募集し、それに応える「お悩み相談コーナー」を作り、noteメンバーシップを使い、個別に夫婦関係に悩む方にアドバイスをするサービスも始めました。
ぼくにとって、これがポッドキャスト継続の強い原動力になったんです。
人の夫婦関係の悩みを聞くと、ぼくが抱えていた悩みとは全然違うことに気がついたんです。
さまざまな夫婦関係の悩みを知ることができ、どこでつまづきやすいかも知ることができました。
これは番組を作る上でかなり参考になっていて、お悩み相談を受け、その答えを考え続け、考えた内容をポッドキャストにまとめることも増えました。
それから、思いもしなかったことなんですが、相談者さんのお悩みを解決したいという気持ちがどんどん大きくなり、調べ物をする機会が増えていきました。
相談を受ければ受けるほど、自分が何も分かっていないことに気がつかされるんです。
相談者さんと二人三脚で番組を作ってきたとも言えます。
質問箱に送られる悩みに答えたい。直接相談をしてくれた方の悩みを解決したい。もっと知りたいことがたくさんある。
そのためには、いったいどうすればいいのか?
ひたすら考え続け、本で調べ、時には専門家の方にインタビューを申し込み、話を聞きに行きました。
どうすれば相談者さんの悩みが解決できるのかという思い、調べ物をするなかで永遠に湧き出る好奇心。
それが、ぼくが「アツの夫婦関係学ラジオ」を継続する原動力になったんです。
この原動力を見つけたことが、ポッドキャストを2年間継続できた大きな要因だったと思っています。
2.改善することを楽しむ
続けるためには「自分が楽しむ」ことが一番大切だと思うんですね。自分が楽しくなければ続かないですから。
1年目を超えたあたりから、収録を何度も聞き直すようになりました。すると、いろんなことが気になってくるんです。
聞き苦しい口癖、声の大きさや抑揚、なかなか本題に入らないもどかしさ。
気になった点を次の収録で直し、放送が最後まで聴いてもらえるよう、ひたすら改善を繰り返しました。
Anchorのアナリティクスでは、リスナーがどこで離脱したか簡単に分かるのですが、ここにも改善のヒントが詰まっていました。
以前の記事に書いたように、第一回目の放送は開始13秒で半分のリスナーが離脱し、11分11秒でほぼすべてのリスナーが離脱しています。
よっぽど聴き苦しいんだと思います……。
2年経った今では、6〜8割の人に最後まで聴いてもらえるようになりましたが、地道な改善を繰り返した結果だと思います。
何もどう分析したらいいか最初は分からなかったですが、とにかく自分の放送を聴きまくり、違和感を感じるポイントを探しまくりました。
周りに直接コメントをくれる人がいるなら、聴いてもらってフィードバックをもらえるとすごくいいと思います。
ぼくはたまに妻からフィードバックをもらいましたが、人からの意見は自分では気づけないものが多いので、とても貴重でした。
感想をくださいと番組内でお願いすると、たまにいただけることがあるのですが、これが本当に参考になるし、なにより続ける励みになるんですよね。
飛び上がるほど嬉しくて、(あぁ、続けていてよかった!)と心の底から思えるんです。
どう改善したらいいかわからない場合は、自分が好きなポッドキャストやVoicyを何度も聴いて分析してみるといいと思います。
冒頭に何を話してリスナーの興味を惹きつけ、中盤の話をどう盛り上げ、最後はどうやって締めるのか?
ぼくは、Voicyなら「学びの引き出しはるラジオ」、ポッドキャストならオトマーケを参考にしていました。
尾石晴さん(以前のお名前はワーママはるさん)の「学びの引き出しはるラジオ」は、冒頭のつかみ、中盤のしっかりした話の組み立て、最後の締め、声の抑揚、直接話しかけられているような親密性、リスナーとの距離感、どれもこれも絶妙に計算されているので、めちゃくちゃ参考になります。
オトマーケは音声広告を仕事にされている方(オトナル代表 八木さん)がやられているだけあって、音質が異常にいいです。
いったい、どうやってあんなキレイな音を作るのか全然分かりません。惚れ惚れするような美しい音なので、ずっと聴いてしまうんですよね。
オトマーケの構造は、メインストーリー(主題)とアフターストーリー(個人的な話)に分かれており、これはVoicyでやられている方はあまりいないと思います。
おそらくポッドキャスト特有(ラジオからの流れ?)なのだと思います。
ぼくは夫婦関係改善に関することだけ話しているのですが、それだけだとぼく個人のパーソナリティについて知ってもらえないので、オトマーケを参考にアフタートークを番組の最後に1〜5分だけ入れています。
番組を聴いていただけている方と直接お話をすると、アフタートークで話したことを覚えてくださっていて、親密さを感じるポイントになっていることも分かりました。
そうやってひたすら改善を繰り返し、徐々に最後まで聴かれるようになっていく。その過程を楽しめたことが、ポッドキャストを続けられた要因の一つだなと感じています。
3.収録、編集、配信を楽しむ
ぼく、noteの記事を書いているときって、すごく楽しいんです。
冒頭にこのシーンを入れたら気になってくれるかな?
こういう言い回しにしたら離脱せずに最後まで読んでくれるかな?
このタイトルなら気になって読んでくれるかな?
いろんなことを考えながら書いているんですね。
その過程がすごく楽しくて、もちろん毎回うまくはいかないんだけど、記事を書くという作業自体を楽しめるようになると、続けやすいなって思うんです。
ポッドキャストも同じで、収録、編集、配信を楽しめるようになってからは、続けることに抵抗感が少なくなったんです。
特に、自分が心から話したいことを、「これを知らないなんて、みんなもったいない!」と熱量を持って話すときは収録を楽しむことができ、聴いてもらえる回になっている気がしています。
話すときは、特定の誰かが目の前に座っていることをイメージしているんですが、これはかなり効果的だったと思っています。
ポッドキャストって一人語りじゃなくて、会話なんですよね。
聴いている人は会話しているつもりで聴いているんです。
ぼくには夫婦関係の相談を直接してくださる方がいるので、その方を思い浮かべながら、その方に直接話しかけるつもりでしゃべっています。
もしくは、その相談者さんのパートナーに聴いてもらいたい話を収録することもあります。
その方のために収録している回もあるので、配信後にその方にリンクをお送りすることもあります。
特定の誰かのための話が多くの人の心に刺さるのは、話に具体性があるのと、その人のためという熱がそこにあるからだと思うんです。
「具体的な誰か一人」を決め、その人に話す手法は、話し手の強い思いが思いっきり入るので、やっていて本当に良かったなと思っています。
次に編集ですが、これは一年目を過ぎたあたりから始めました。
ZOOMでインタビュー収録をした場合、編集が必要になり、ぼくはAdobe Auditionを使っています。
毎月2,000円ちょっとの課金が必要なので、無料ソフトでもいいとは思いますが、ぼくは他のソフトをプラグインとして使っているので、これを使っています。
2年目あたりから音質が気になり出し(口の中の音や息継ぎの音が気になってきた)、値段が高いので迷ったのですが、izotope RX10という音質編集ソフトを買うことにしました。
Adobe Auditionにプラグインとして入れています。
これがものすっごく優秀なソフトで、今まで気になっていた雑音をすべて消してくれたんです!
特にMouth De-clickという機能が素晴らしく、口の中で発生する嫌な音をすべて消してくれるんです。
izotopeで雑音を消すようになってからは、音質に自信を持てるようになり、収録、編集、配信がさらに楽しくなってきたんです。
音質改善は気になってからでいいと思いますが、あまりに気になるなら思い切って改善することで、番組を続けるモチベーションになると思います。
ただ、こだわり過ぎると止まらなくなり、時間がなくなるんですよね。
ぼくは仕事も家庭(子どもが3人)もあるので、必要最低限の編集をするように気をつけています。
本当は効果音や音楽にこだわりたいんですが、それはこれからの課題でいいかなって思っています。
あまりに編集にこだわって続けられなくなると意味がないので。
ちなみにVoicyは配信者が音質加工をできない仕様になっているそうですが、加工が必要ないほどバックグラウンドでキレイに処理をしているはずです。
そうでないと、録音しただけの音があんなにクリアになり、雑音(口の中の音や息継ぎや唾を飲み込む音)が絶妙に消えるはずがないですから。
Voicyではなく、ポッドキャストをやる場合は、いずれ音質改善を含む編集をする時がやってくると思います。
はっきり言って手間とお金がかかるので、それを楽しめそうにない場合や、すでになんらかの分野で多くの人から支持されている方は、Voicyに応募された方がいいと思います。
ポッドキャスト継続のために参考にしたモノ
最後にぼくがポッドキャスト継続のために参考にしたモノをご紹介しますね。
先ほどの「学びの引き出しはるラジオ」と「オトマーケ」以外に、「Podcast総研」と「ポッドキャストが出来るまで(シーズン1と2)」をよく聴いていました。
ポッドキャスト制作を仕事にされている方たちの番組なので、ノウハウがかなり詰まった番組です。
ぼくがポッドキャスト制作で使っている物は、対面インタビューのために購入したマイク(SHURE SM58)、収録用機材のZOOM PodTrack
P4、編集ソフトのizotope RX10とAdobe Auditionです。
ただ、取材せずに一人で話すだけなら、マイクもZOOM PodTrack P4も要らず、スマホの録音アプリで十分だと思います。
色々揃えるのは音質が気になってからでいいと思います。
それから、音声配信者にとって本質的に大切なモノについて、Voicy代表の緒方さんがお話しされている放送があり、これはめちゃくちゃ参考になりました。
野本響子さんとの対談回です。これは絶対聴いた方がいいです。
緒方さんはVoicyパーソナリティの審査基準について、こう語っています。
リスナーさんからお金と時間を奪う(テイク)のではなく、より多くの幸せを与える(ギブ)人。
それがVoicyパーソナリティ審査の基準とのことで、これはポッドキャスト配信者にとっても重要なことだと思うんです。
ギブするモノ(何かに役立つヒント、単純に面白いエンタメ)は人それぞれですが、それが独りよがりになっていないか?本当に喜ばせているか?
リスナーさんからお金や時間を奪うことが目的になっていないか?
ポッドキャスト配信って、自分の人間性が問われるんです。
お前はギバーなのか?それともテイカーなのか?
それを常に心に留めながら配信することが、継続にもつながってくると思うんです。
ぼく、ポッドキャストを始めた当初は、自分の学びが誰かの役に立てばいいなという軽い気持ちだったんです。
だけど、相談者のお話を聞き続けるなかで、「どうすればこの人の悩みは解決できるんだろう?」と考えることが増え、いつしか「多くの人の夫婦関係の悩みを解決したい」と願うようになっていきました。
「どうすればこの人の悩みは解決できるのか?」という問いへの試行錯誤が、ぼくにポッドキャストを2年間も続けさせたんだと思います。
この記事が、ポッドキャストを続けたいと思う方のヒントになれば幸いです。
ぼくのポッドキャスト「アツの夫婦関係学ラジオ」のリンクはこちらです。番組のご感想をいただけると、ものすごく励みになります。
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※「アツの夫婦関係学ラジオ」は毎週月曜木曜の朝5時配信です。
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