見出し画像

子どもの感情コントロールを育てる"おにぎり脳"

「ちゅうしゃ、イヤだーー!」

そう言うと、4歳の三男はぼくの腕から抜け出し、診察室から脱走しようとした。

ぼくと看護師さんで暴れる三男を押さえつけ、なんとか注射を打つことができた。

家に帰るあいだ、シクシクと半べそをかき続ける三男は、ぼくにしがみつき離れようとしなかった。

子どもが生まれると、こんなことが増えますよね。

道で転んで泣いたり、雨が降っているのに外で遊びたいとぐずったり、菓子を買って欲しくて泣いたり、寝る直前の真っ暗な廊下が怖いと言ったり。

小学生になると、学校で友だちからイヤなことを言われたと言って泣いたり。

うちの子たちは一日に一回は泣いてると思います。

子どもたちが自分で感情コントロールをしてくれたら楽なのになーと思うのですが、どうもそう簡単ではないようです。

学芸大の元教授であり「ちゃんと泣ける子に育てよう」の著者である大河原美以さんが書かれたの中にこんなことが書いてありました。

子どもの感情コントロールは、「恐怖・不安・痛み」を感じたときに、親から抱きしめられることでできるようになる。

そんな単純な話なのかな?

それって、甘やかしているだけなんじゃないの?

甘やかしとなにが違うの?

と、思ってしまったのですが、きちんとした脳科学的な根拠があるようです。

人間の脳って、簡単に分けると三つの層になっているそうです。

一番奥に「脳幹部」があり、それを包むように「辺縁系」があり、さらにそれらを包むように「皮質」があります。

おにぎりの具が「脳幹部」で、ご飯が「辺縁系」で、海苔が
皮質」と考えるとわかりやすいかもです。

具である脳幹部は生命維持に関わっている部位で、ご飯である辺縁系は「怖い、痛い、イヤだ」などの感情に関わっていて、これらは意識して動かせないそうです。無意識で動いているんだそうです。

そして、海苔である皮質は、理性と認知に関わっています。ここだけ人が意識できる部位です。

子どもが「注射こわい!」と感じるのは、脳幹部と辺縁系からの無意識のシグナルであって、「命を守るためのサイン」なんです。

「このままだと命があぶない!」と、脳が無意識に反応し、その情報を上の層である皮質に送ります。

すると、皮質が「じゃあ、逃げようか」とか「これはそんなに危なくないから、ちょっと様子見ようか」と分析と行動の指示を出します。

その皮質の指示で、子どもが逃げ出すという行動をとるわけです。

つまり、人の感情コントロールは、白いご飯の辺縁系と海苔である皮質のやりとりで行われているんです。

問題なのはここからで、子どもが「不安や恐怖」を感じたときに、親が抱きしめてあげることで、子どもの脳幹部と辺縁系から安心感と安全感が湧き上がるようにできています。

すると、子どもの脳は「危機回避できた」と判断し、不安や恐怖がおさまっていくんです。

では、ここで抱きしめられないとなにが起こるのか?

子どもの脳(脳幹部と辺縁系)は、「命を守るための本能的な行動」を取るようになります。

それが、三つのFです。

Fight(闘争)
Flight(逃走)
Freeze(固まる)

この三つのFが、子どもを「落ち着かない子」や「問題児」と呼ばれる子にさせ、さらには大人になったあとに、自身の子育ての困難さを生んだり、こじれた夫婦関係を生み出したり、依存の問題を引き起こすとも言われています。

三つのFとはなんなのか?

なぜ、これらの行動が子どもに大きな影響を及ぼすのか?

どうすれば、子どもの心と脳を健全に発達させることができるのか?

親であるぼくらはどうすればいいのか?

ポッドキャスト「アツの夫婦関係学ラジオ」で詳しくお話しします。

ぜひ、お聴きください。

アツの夫婦関係学ラジオ

#435 脳科学的根拠から考える”子供の感情コントロール”発達メカニズム

Spotify

Apple Podcasts

Amazon music

Amazon Audible

Google Podcasts

Anchor

※「アツの夫婦関係学ラジオ」は毎週月曜木曜の朝5時配信です。

参考文献:子どもの感情コントロールと心理療法


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?