第5回 これで飲みに行ける!ダンナの慣らし保育でワンオペ育児を乗り切る〜交渉術の基本


飲み会は仕事なのか?


これは永遠の命題です。


増してや連日となると、どうなの?
増してやワンオペ育児中だと、どうなの?


こっちがたまに「出かけたいんだけど」と言った時の渋い顔ときたら・・・


この手の話はツイッター上に溢れかえっています。
そして私が一番驚くのはほとんどの人がツイッターで愚痴るだけでダンナには言い返さずにあっさり諦めていること!
・・・はなっから交渉しないで引き下がるんだ。ふーん。
色々思うところはありますが、ここでは「言い返したい」前提の話ですので、絵空事とお思いでしょうが、そこんところヨロシクです。


さて、(曲がりなりにも)ビジネスパーソンである夫に留守番をしてもらうには、


「その選択が合理的であることを示す」ことが大事です。


※感情に訴えかけることは戦略として損です。というのは、たとえ心動いたとしても次回もそう感じるとは限らない(再現性がない)から。ゼロというよりマイナスでしょうね、次回はその手が使えなくなるという意味でも。


合理的・理に適うとは、
・金銭的、精神的、体力的にコストに見合うということ
・「やるのめんどくさい」よりいいことが必ず起こるということ
つまり、冷静に全ての状況を考え合わせるとやったほうがいいな、と思える状態である、ということです。

こう思わせて当日実際にやってもらうためには、十分に納得してもらう必要があります。
それには数字や確立した理論など理詰めで示すことです。


たかが飲み会のためにここまでやるのか、こいつ・・・という気迫を感じさせ、外堀を埋める。そのくせ最後は優しく持ち上げてお願いする。この交渉術を駆使していきましょう。

① 飲み会の必要性

これはあまり深く触れない方がいい。飲み会に理由なんて、いつだってあったためしがございません。ここは「行きたい」気持ちだけを言い切って、意思をしっかり伝えるところです。

② ワンオペ母を取り巻く周辺状況について

ここは数字で示します。「たまには息抜きしたい」といった感情論は「俺だって」で瞬殺されます。淡々とプレゼンに徹します。
例1)第一子の妊娠がわかってから4年5ヶ月飲んでいない
例2)「育児 ストレス係数」などで検索した論文などからグラフや図表を示し、育児からの一時的な効用がストレスに良い影響を与えることを示す
例3)母親のストレス低減が子育てに与える良い影響を示す

③ ワンオペの辛さを列挙する

<準備1>
嫌なこと、困っていることを全て書き出します。ポストイット1枚に1項目。
<準備2>
書き切ったら、並べ替えます。似た者同士をグループにします。
グループに共通することは何かを考え、グループ名をつけます。
「イライラの素」「時間が足りない」「食べたい寝たいトイレ行きたい」「24時間365日の束縛感」「非常時の物理的な無理ゲー」などなど・・・
漏れているものがないか、連想を広げたり、ツイッターやリアルな友人の話を思い出してチェックします。
同じグループのものは同じことが言いたいわけですが、枚数が多いということはそのグループのストレスをそれだけ強く感じているということです。枚数が多い順に伝えるべきでしょう。

④ダンナの慣らし保育〜落とし所を示す

こちらの要求を全部呑むのは恐らくダンナ側としての意地もあるでしょうから、こちらから妥協点を提示してあげるのも、交渉がうまくまとまる大事なポイントかもしれません。「9時には家に着くように、8時半には途中で抜けるから!」と、こちらからバーゲンしたように見せる。2回目以降の飲み会を実現させるためには、初回の値引きは大切です。子どもも大きくなるし、ダンナも慣れるし、徐々に滞在時間を伸ばしていきます。
要するに慣らし保育と一緒です。

⑤ダンナの不安感を軽減する

普段子どもの面倒を見ていない人ほど「泣かれたらどうしよう」とか「オムツ替えられない」とかが不安で、突き詰めれば「父親としての不甲斐なさを突きつけられるのが怖い」から逃げ回っているわけです。
ですので、昼間に子どもを連れ回して散々疲れさせ早く寝るように仕掛けておくのも大事ですが、「今回上手くできなくても父親としてダメなわけではないし、母親と同じようにできなくてもいい」ことを伝えるべきです。

大事なことは「もうやらない」と絶対に言わせない、ということ。

「楽勝じゃん。何がたいへんなの。お前が下手なだけじゃないの〜?」
何とでも言わせておきましょう。次も引き受けてもらうことがとにかく優先順位のトップです。


ここまで読んで、「たかが一晩外に出るためにここまでしなくちゃいけないの?」と思った人。


甘いです。


子どもに、何かをできるようになるよう仕掛ける時も、仕事で後輩を育てる時も、新しい試みを上司を説得する時も、同じことが必要で、これは当たり前のことなのです。


こちらが思うような行動を他人に取らせるというのは、それだけ難しいことなのです。


ただ、やるだけの価値はあります。ワンオペから脱出できるきっかけになるだけではなく、子どもへのコーチング力にも、仕事でのマネジメント力にも応用できるのですから。
美味しいビール、飲みたいでしょ?ワインリスト見て迷う楽しみ、思い出したいでしょ?

予約したお店のメニューをもう一回見て、頑張っていきましょう!
成功を祈っております。

ここまでお読み頂きありがとうございます。
次回は、言いたいことを相手にちゃんと伝える方法を考えたいと思います。


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ここまで読んで下さってありがとう! 働きたい主婦が能力を活かせる仕事に就ける世の中に変わっていくよう、あなたの声を聞かせてください。