【中東欧、女子一人旅】ボスニア・ヘルツェゴビナ、サラエボ②
サラエボは見どころが多すぎる。この記事が長すぎるって方はTeahouse Džirloだけ読んでください。
レストラン
○Sac
ブレクの専門店だ。ブレクとは、旧オスマン帝国領の国々で食べられる、チーズや肉が詰まったパイである。
こちらは肉のブレクである。手袋と一緒に写すことでその大きさを伝えたかったのだが、美味しさが伝わりにくくなっている気がして残念だ。しかしとても美味しく、見ての通りボリューミーなので、大満足だった。甘くないヨーグルトと一緒に食べるのがおすすめで、相性抜群だ。
○Sedef
こちらでは、伝統的なボスニア料理をいただくことができる。美味しいうえに安価なところが魅力だ。
こちらは、お料理と水で13KM(兌換マルク)、日本円にして約900円だ。メニューは多く、私は色々な料理がワンプレートになっているものを選んだ。これにパンがついてくる。特にほうれん草のペーストのようなものが美味しかった。全体的にソースがパンによく絡んだ。
ここのお店は大変おすすめなのだが、少し場所がわかりにくい。どう考えても地図の位置に店がないのだ。私のように雪が降り頻る中路頭に迷う人が出ないよう、少し説明する。
大通りに面する「路地」以上「道」以下の場所に、看板が立ててある。こちらは見つけやすいのでまずこれを見つけよう。その路地らしき場所は怪しい雰囲気ががんがん出ているのだが、ここをぐんぐん進んでいくと、なにやら門のようなものがある(おそらく開いている)。そこを道なりに曲がる。するとようやくsedefの看板が見えてくる。sedefは、大通りに面している別の店の完全な裏に位置しており、入り口が道に面していないのでとても見つけにくくなっているのだ。行く時は、勇気を持って路地を進もう。
大通りに面している路地と看板
○Nanina Kuhinja
サラエボの中心地にあるこちらのお店は、観光地ど真ん中ということもあり少々お高めなのだが、料理は絶品である。私の注文したブラウンシチューはさらさらしているのに濃厚で、シチューに入っているにんじんは、ほっぺたが落ちるほど美味しかった。私は今までこれほど美味しいにんじんを食べたことがなかったし、今もあれを超えるものには出会えてない。空いていれば外の景色を見ながら食事をすることができ、とても気持ちが良い。
シチューとパン、オレンジジュースで19KM(兌換マルク)、日本円にして約1300だ。
ボスニアで料理についてくるパンは、たいていピタパンのようなパンだ
○おまけ
有名なボスニア料理にクレペ(Klepe) とチェバプチツィ(ćevapčići )がある。こちらを美味しくいただいたお店(Bosna)が閉業してしまったようなので、料理だけ紹介する。
クレペとは、ボスニア風水餃子である。ニンニクと玉ねぎがたっぷり使われており、ヨーグルトのソースをかけて食べるのが特徴だ。英語圏では、ボスニア風ラビオリと言われているようだ。水餃子の方がしっくりくる。チェバプチツィとは、東欧諸国で食べられる挽肉とパン(ピタパンに似ている)の料理で、よくケバブに似ていると表現される。ケバブと違うのは挽肉を使用している点で、肉々しさが際立っていてとてもおいしい。ボスニア・ヘルツェゴヴィナを訪れる際はぜひ食べて欲しい。
右がクレペ、左がチェバプチツィ
カフェ
○Teahouse Džirlo
ボスニアといえば、コーヒー文化である。ボスニアがオスマン帝国の支配下にあった際にコヒー文化が広まり、独自に発展した。しばしばボスニアンコーヒーとトルココーヒーは同一視されがちだが、実は違う。トルココーヒーはコーヒーと砂糖を一緒に水に入れて沸騰させるが、ボスニアンコーヒーはまずは水を沸騰させ、その後にコーヒーを入れる。砂糖は鍋にもカップにも入れない(便宜上、鍋と書いたが、使用するのはdžezva (Cezve:ジェズヴェ)。下の写真のコーヒーが入っている器であり、トルコやボスニアで使用される。真鍮や銅でできている)。
ボスニアンコーヒーの飲み方は以下だ。
①コーヒーの上部に浮いているコーヒーの粉の部分をスプーンですくい、そして落とす。これを何度か繰り返すと、ジェズヴェの底にコーヒーの粉が沈む。
②ジェズヴェからカップにコーヒーを移す。しかしカップの中でコーヒーの粉が散らばっている上にまだ熱いので、すぐには飲まず、30秒から1分待つ。
③決してカップに砂糖を入れてはいけない。砂糖を入れるとかき混ぜる必要が生じるが、そうすると粉がまたカップの中で散らばってしまうからだ。甘さが必要になったら、角砂糖を少しコーヒーに浸してそれを少しかじる。そしてコーヒーを飲む。またかじる...。これをくりかえす。また砂糖のほかに必ずついてくるのがrahat lokum 、ターキッシュデライトだ。ナルニア国物語のエドマンドが大好きなあれである。こちらも甘みが欲しい時にかじる。
④グラスに入っているのはシャルべ(sharbat)で、砂糖、レモン、シナモン、グローブが入った伝統的な飲み物である。口直しに飲む。
この店の素晴らしい点は、このボスニアンコーヒーを完璧な説明とともに飲むことができるところだ(2.2KM(兌換マルク)、日本円にして約150円)。上記の飲み方もほとんどお店の方が説明してくれたものである。また店内や店構えがとってもおしゃれなところも見逃せない。小さい店内だがセンスが隅々まで行き届いている。そして何より、店主がとってもユニークなのだ。画家のダリを思わせるような方で、お客さん全員に話しかけ会話をする。すごく楽しい方だということがすぐにわかる。店主の写真のマグネットも売っていたので、いかに愛されているかがよくわかった。店主の写真はないので是非足を運んで確かめて欲しい。
店内の様子
外観
○ Zlatna ribica
オスマン帝国時代をイメージしたカフェである。タイムスリップしたかのような感覚に襲われる。ライティングや調度品、全てのものが完璧にオスマン帝国なのだ。本当に素敵なお店で、是非ここでオスマン帝国時代のボスニアに想いを馳せてほしい。おしゃれなカプチーノ1杯3.5KM(兌換マルク)、日本円にして約240円。
店内の様子
壁もおしゃれ。店内の壁全面がこんな感じだ。ため息が出る。
外観
○Tito
ユーゴスラヴィア時代の指導者ティトーにインスパイアされたカフェである。本生地のサムネイルもこのカフェの内装の写真であり、でっかい「Tito」のライトがとてもかっこいい。下の写真はバーカウンターを写したもので、緑のライティングが渋くてかっこいい。ここでお酒など飲んでみたいものだ。コーヒーは1杯2.2KM (兌換マルク)、日本円にして約150円。
ここはサラエボの旧市街の中心地から少し離れた、ボスニア・ヘルツェゴビナ歴史博物館のま裏にある(鉄道駅の周辺だ)。なので、博物館に行く際にはぜひ訪れてほしい。店の外には人は誰もおらず、しーんとしていたのに、店内は人でいっぱいいでとても活気があった。客のほとんどが若い人だったのも印象的だ。今もティトーが人気の証なのだろうか。
外観。入りにくくて困った。
なぜか横浜のダーツショップTitoが出てくる、地図はサラエボなのに
サラエボは紹介するものが多すぎて困った。結局食べ物の紹介で終わってしまったが、いつかこの複雑な歴史も紹介したいと思う。