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香妻陣一朗、LIVゴルフメンバーに

 この話、結構衝撃的でした。

 LIVゴルフ来季の出場権をかけた予選会、LIVプロモーションズが8日から3日間の日程で、アラブ首長国連邦のアブラビゴルフクラブで開催。
 日本の香妻陣一朗が残り2枠をかけた3人のプレーオフで競り勝ち、来年のLIVゴルフ出場権を獲得しました。
 プレーオフ1ホール目、香妻のミスがあったものの3人ともパー。2ホール目で相手選手がミスをしてボギー。このホールをパーで終えた香妻が勝ち上がりました。
 

 このニュースの題名にもある通り、「ゴルフ人生」が一気に変わるターニングポイントになりました。


1.LIVゴルフとは

 成立した経緯

https://ja.wikipedia.org/wiki/LIV%E3%82%B4%E3%83%AB%E3%83%95

「2021年に設立した組織であり、サウジアラビアにより投資。グレッグ・ノーマンとも関わりがあり、また招待シリーズの運営も行う」。

 世界の強豪の1人であった、オーストラリアのグレッグ・ノーマンが「PGAツアーにも負けない、世界の強豪を集めた新しいゴルフリーグ(ツアー)を設立しよう」ということが目的で、ノーマンが選手時代にもこの話はありましたが、他の選手達が乗り気ではなく、立ち消えに終わりました。
 そんな中、サウジアラビアの政府系ファンドであるパシフィックインベストメントファンド(PIF)がオーナーとなり、ノーマンを最高責任者に就かせて世界の強豪選手達を集め、2022年からLIVゴルフがスタートしました。

 「LIV」とは、ローマ数字の「54」を指します。

 競技方法

 LIVゴルフは3ラウンド54ホールのストロークプレーで争われます。
 メジャー競技や世界の主要ツアーで採用されている、2ラウンド終了して成績の悪い選手をふるいにかけるカット方式はとらず、出場全選手が3ラウンドを完全に終了させる方式です。

 LIVゴルフは個人戦と4人1チームでストロークを競うチーム戦もあります。チーム戦は各日4人のうち成績の良い3人の記録を採用して1日のチーム成績とし、3ラウンドで最も良かったチームを優勝とするシステムです。

 1試合における個人戦とチーム戦の成績をポイント換算し、ポイントの高い選手が年間王者になります。
 また年間のチーム成績に応じたトーナメントを最終戦に実施、トーナメントに優勝したチームが最優秀チームとなります。

※2022年、2023年はこの競技方法でしたが、来年以降はチーム数の変更や日程が若干変更になったこともあり、競技方法が変わる可能性があります。

 スタート方法は、”ショットガンスタート”を採用しています。
 世界のツアーでは2人または3人が1組となり、1番か10番からのスタートのみという試合がほとんどですが、LIVゴルフは18ホールの内12ホールから3人1組で同時刻にスタートします(2023年までの実績)。
 こうすることにより全体の競技時間を短縮させる、1日の内の気候変化による有利不利をなくすなどのメリットがあります。

 破格の賞金

 いつも伝えていますが、PIFの潤沢な資金で賄うツアーは超豪華です。

〇1試合当たりの総額は2500万ドル、個人戦優勝者には400万ドル。チーム戦優勝チームは300万ドル(1人75万ドル)。
 最下位でも12万ドルを獲得できる。

〇年間を通した個人戦(ポイントランク)優勝者には1800万ドルのボーナスが支給。

〇年間を通したチーム戦優勝チームには1400万ドルがチームに支給。
60%がチーム報酬に当たり、残り40%がメンバーに支給。140万ドルがメンバー1人に与えられる。

 ちなみに今年の個人戦優勝である、テイラー・グーチは個人戦で1732万ドル、ボーナス1800万ドルを獲得しています。

2.LIVゴルフのメンバー

 世界の強豪達が集まっています。
 ダスティン・ジョンソン、ブルックス・ケプカ、キャメロン・スミス、フィル・ミケルソン、バハ・ワトソン、ヘンリック・ステンソン、リー・ウェストウッド、イアン・ポールター、マーティン・カイマー、セルヒオ・ガルシア。
 そして今回移籍したジョン・ラームなど、世界の強豪が集うリーグです。

3.LIVゴルフのサバイバル

 LIVゴルフも競争があります。
 LIVゴルフ登録者全48選手(スポット参戦は除外)のうち、個人戦で年間ポイントランキングの下位4選手(チームのキャプテンは除く)は、問答無用で来年の出場権を失い、また予選会から勝ち上がり出場権を獲得しなくてはいけません。
 またポイントランク25位から43位までの選手、は来シーズンもLIVゴルフにいることはできますが、所属チームはキャプテンの一存によるものとなります。つまり、キャプテンがいらないと言えば所属チームを去らなくてはならず、新しいチームへ売り込みにいかなくてはならないのです。

 なおポイントランク上位24選手以内であっても、選手やキャプテンの同意があれば選手間どうしの”トレード”は可能です。

 有力選手をチームに入れて強化し、チームの収益も考える。キャプテンの采配も大きなカギになります。

4.香妻陣一朗選手の紹介

 さてここで、香妻陣一朗選手の紹介に移ります。

 鹿児島県出身、高校は宮崎の日章学園に進学し、九州アマ優勝や日本アマ3位の実績があります。18歳でプロ宣言をしました。
 2020年の三井住友VISA太平洋マスターズでツアー初優勝、その後2022年の東建ホームメイトカップで2勝目を挙げました。
 姉の琴乃さんも、ツアーで1勝を挙げたプロ選手です。

5.ジャパンゴルフツアーより稼げる?

 2023年のジャパンゴルフツアー賞金王に輝いた、中島啓太が稼いだ年間獲得賞金額は約1億8500万円です。
 LIVゴルフ1試合で、最下位になっても12万ドル獲得できます。今年はLIVゴルフ14試合が開催され(個人戦対象試合は13試合)、最低でも156万ドルが入ります。
 1ドル145円の為替レートとして日本円に換算すると、2億2620万円。ジャパンゴルフツアー賞金王でもなかなか達成できない年間獲得2億円超えの賞金を、LIVゴルフ13試合でずっと最下位でも獲得できてしまうのです。

※ちなみにジャパンゴルフツアー賞金王で、年間獲得賞金2億超を達成した選手は4人しかいません。

 尾崎将司(94、96)、伊沢利光(01)、松山英樹(13・新人)、
池田勇太(16)。

 来シーズンは12試合が開催されていることが確定しています。出場人数が52選手になり、賞金配分が多少違ってくるとは思いますが、賞金王獲得できるような賞金を稼げることは容易に考えられることです。

 香妻陣一朗の”人生が変わる”ターニングポイントとなる1日でした

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