喜びや楽しみ。大きく変わる。人に与え、人からもらう。ガツン!と心。
母校である専門学校の文化祭があったので、印刷会社さんへの挨拶前に立ち寄る。プレゼンテーション大会が行われていた。「colors」という共通テーマにて、作品をつくり、クラスから代表1名が抜擢される。抜擢された者が、学科(グラフィック科とかインテリア科とか)を超えたプレゼン大会を行う。というもの。
アート科学生の作品。「お母さんの『心』を、お母さんがつくってくれるお弁当に置き換え、カラフルに表現しました」。やわらかなフェルトでつくられた、おにぎりやおかずは実に可愛らしい。印象は悪くない。しかし。何かが足りない。「この作品に対し、何かご意見のある先生はいらっしゃいますか?」進行役スタッフが言う。審査員でもあるプロダクト科の先生(ご年配の方です)がスッと手を挙げる。
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……まさかこの場でこんないい話しを聞けるとは思ってもいなかった。一人、静かな感動を覚えていた。私の印象に残る弁当といえば、セブンイレブンバイト時代、良く食べていた、廃棄の「炭火焼牛カルビ弁当」。その中には、肉の旨味を引き立たせる「タレ(心)」が包まれている。コンビニ弁当なんだけど、全く飽きないんだ。あれ。悔しいけど。
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心から感情が生まれる。名刺制作を行っている時、紙面に登場する喜怒哀楽の表現について考えてみた。「怒」「哀」は何となくわかるのだが、「喜」「楽」の違い、は何だろうか。喜びは、うれしい、にこやかな感じ。楽しみは、うきゃー! みたいな、オシッコちびっちゃうぐらいの感じ。これをパートナーに話したら、逆じゃないの? 喜びは、突如現れた、めちゃくちゃ嬉しい出来事、楽しみは、なんだか楽しいね〜、優しい雰囲気。
まあ、でも。喜びでも楽しみでも。オシッコちびっちゃうぐらいの感情の盛り上がりは、誰かと分かち合わないと生まれない。あっぶねー、ジーパンでまだ良かったよ。カーキ色のパンツだったら終わってた。笑い過ぎて、ちびっていた。小学生。社会科見学。バスの移動中。友だちが披露した、先生の理不尽なセリフシリーズを見た、その瞬間。
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人の感情、喜びや楽しみにつなげる企みには、準備が必要だ。感情を大きくしようとすればするほど、準備は大変である。そう、大変。大変ってのは、大きく変わろうとすること。変えようとすること。だから、大変なのだ。大変じゃない動きは、小さな波しか起きないだろう。感情もそう。
さざ波も大波も。大変な毎日であればあるほど、理想の自分にガツン! と近づいている証拠。「そもそも、何のために、これをやってるんだっけ?」 “忙殺” というクソみたいな言葉の上から、包みこんでくれる大事なこと。それこそが、人に与えて、人からもらう「心」ってもんよ。
教えてくれるのは、お客さんやパートナーであることが多い。で、気づくのは、自分自身である。デザインは人に向けたもの。だからこそ、人とつくるのだ〜。がうがう。
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