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ある声かけ~バスケワークショップでの記録~

バスケワークショップの一環として、テーマを自分たちで決め、試合にのぞんでもらっている。その日のテーマの一つに、「5:5で攻める」と言ったものがあった。

あまりバスケに馴染みのない人は不思議かもしれないが、特に小中学生のバスケにおいては、上手い子が一人で1:1で攻め切って勝ててしまうような状況はよくある話で、そうなると他の4人の子たちは特に何もせずにでも勝ててしまう。でも、それだと他の子たちの上達もなく、結局はその1:1が通じなくなったレベルで勝てなくなってしまい、チームとしても何も残らない。これまで長年、特に小学生のバスケを見てきた中で、けっこう良く起こっていることであった。

そこである意味当たり前だが、5:5の中の選択肢の一つとして1:1があるくらいの感覚を持って、バスケワークショップでは練習している。

それでも試合が始まると、やはりこれまでの積み重ねもあり、ついつい1:1をしてしまう子も少なくなかった。ある時、自分たちで「5:5で攻める」と決めていた試合があった。

ただその中で1:1ばかりしてしまう選手がいたので、予定より早く交代してもらい、その理由を一緒に出ていたメンバーと考えてもらった。

検討したのち、その理由を共有してくれた。その他の要因も含め、かなり的を射ていたので、少し補足しつつ、「自分たちで決めた『5:5で攻める』ができていなかったのは誰がいけないのか?」という投げかけをし、再度仲間同士で話してもらうと、あるメンバーが、その冒頭、こう1:1をしてしまい交代となった仲間に声をかけてくれた。

「俺たちも、それ(5:5ではなく1:1だけで攻めてしまっている)に気づいて声をかけなかったのがいけないよな」

ここから変わっていった。結果的にかもしれないが、今は独りよがりの1:1、その他のメンバーがないがしろにされた1:1は見なくなってきた。

こういった素敵な場面に出会えて、結果的に成長と言う変化が起こっていること、本当にうれしく思う。

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