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小説関連ブログをやっていたらイラスト投稿サービスを運営しているIT企業にTwitterを通して転職した非エンジニアの話

タイトルがめちゃ長くなってしまいました、こんにちは。あとーす(@ATOHSaaa)と申します。

僕は、2018年4月からピクシブ株式会社福岡オフィスで働いています。

本当は1年くらい経ったら書きたいなと思っていたのですが、筆不精に任せていたら2年くらい経っていました。

このエントリでは、主にピクシブ に入社する前と後でどのように変わったのかを書いておきたいと思います。

入社前の話

僕は久留米市という福岡県で3番目に大きい市で生まれ育ちました。豚骨ラーメン発祥の地です。

そのあと、熊本の大学に進学したことではじめて県外へ出ることになります。ちなみに、専攻は日本近現代文学です。

クリエイティブておもしろいこととインターネットが好きだったという理由で、熊本にある制作・印刷会社に営業として新卒入社しました。先輩との同行営業や納品係を通して「こいつ営業っぽくないな」というのが伝わったのか、2年目になるタイミングでWebディレクターに配置転換となりした。

Webディレクターとしては、上司につきながらコーポレートサイトやECサイト制作のディレクションをやっていました。あとは、たまにWebコンテンツ用のライティングも少々。

この2年間を通して、仕事の基本的な回し方を見れて、印刷・制作・Webの基本的な知識を得られたのが良かったかなと思います。ただ、この組織において明らかに僕は「無能」で、関係性もうまく作れなかったので少し転職を考えていました。

ある日Twitterで

話は前後しますが、僕は大学4年生の終わり頃から「蓼食う本の虫」とういブログメディアを運営しています。小説を書く人に役立つことを中心に、文芸にまつわる情報を発信しているサイトです。更新ペースは若干落ちていますが、今でも細々と運営を続けています。

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2017年くらいからDMM TELLERをはじめとしたチャット小説サービスがいくつか誕生しており、新しい文芸作品の形として個人的にも情報を集めているところでした。そんな折、2017年10月にピクシブ発のチャット小説アプリ「pixiv chatstory」がリリースされ、そのレビュー記事を掲載しました。

僕の周りでもチャット小説に注目しはじめた人が増えてきている時期で、リリース直後にレビュー記事が出せたのはとても良かったなと今でも思います。

そしてそれから数日後、TwitterのDMに一通の連絡が来ました。なんでもピクシブ福岡オフィスのマネージャーをしている人とのこと。このメッセージを受け取るまではよく知らなかったのですが、ピクシブでは2017年に福岡オフィスを立ち上げ、pixiv chatstoryは福岡で開発しているということでした。

そして、福岡オフィスには基本的に開発職の人しかおらず、テキスト文化に馴染みのあるビジネス職の人を探しているという話を聞きました。そこから、とりあえず年内にピクシブの福岡オフィスへ遊びに行くことに。

当時の福岡オフィスはまだ人も少なく、そもそもお休みの土曜日だったためにほとんど人もいなかったのですが、壁と床がカラフルで、なるほどIT企業ってこんな感じなのか……と妙に感動したことを覚えています。

その後、福岡オフィスのメンバーと話す機会を得て、この職場だったら楽しく働けそうだし、自分がこれまで培ってきたものを生かせるのではないかと思い、ビジネス職の中途採用に応募しました。

前述したように僕は小説とインターネットが大好きなので、もちろんピクシブの小説投稿機能があることは知っていましたし、何度か使ったこともありました。また、何かしらクリエイターさんを支援できる仕事がしたいなと思っており、新卒で就職活動をしているときにもエントリーシートを送ったという経緯があります。しかしその時はエントリーシートで落ちてしまい、色々あって熊本の印刷会社に就職したのでした。ここまで淡々と書いてきましたが、最初にTwitterでDMが来たときはめちゃめちゃ嬉しかったです。

そして何度かの面接を経て、冬のまだ寒い時期に内定をいただきました。最後まで内定をいただけるかどうかは分からなかったので、メールで連絡をいただいた時はとても嬉しかったのを覚えています。

ここで、ちょっと僕の個人的な思いや活動の話をさせていただければと思います。

小説を書くのも読むのも好きだけれど

僕は小学生の頃から本を読むのが好きでした。はじめは図書館にあった偉人の伝記シリーズにハマって全巻読破したことを皮切りに、『ズッコケ3人組』や『かいけつゾロリ』などを読み、森絵都やあさのあつこなどの児童文学を経由して、様々な本を読むようになりました。学校帰りの古本屋で何時間でも時間を潰せましたし、家の本棚に自分の読んだお気に入りにの本たちが増えていくのがとっても楽しみでした。

書く方も小学生の頃からはじめ、中高と書き続け、大学に入ってからは文芸サークルに入りました。もちろんその過程でさまざまな小説投稿サイトに作品を投稿し、こういうサイトはいったいどういう人たちが運営しているんだろう、と思いを馳せたりしていました。

小説家になりたいなと思っていた頃もありましたが、僕の中では「20歳までにデビューできなかったら諦めようかな」という思いがありました。それは、僕の大好きな作家の一人である綿矢りさの存在が大きかったと思います。彼女が早熟すぎるというのはもちろんですが、20歳までに彼女に近づけなかったら、小説家になるのなんて無理だろうという思いがずっとあったのです。逆に言うと、それまでは小説家になれなくても安心かな、という気持ちもありました。

そして僕には才能もなければ特に努力することもなく、大した小説を書けずに歳をとっていきました。文学研究の道に進もうかなと考えたこともありましたが、大して頭もよくなかったし、これから文学研究の道にすべてを捧げる勇気もなく、結局その道も早々に断念してしまいました。

大学3年生になる頃、この先どうするべきかなと考えていました。好きなものといえば、文学とインターネット。

だったら、この2つを掛け合わせれば良いのではないだろうか……? 実作でも研究でも何も残せないのであれば、僕はインターネットを使った新しい試みで文学に爪痕を残せるのではないか。

そんなことを考えながら様々な試みをインターネットで行ってきました。140字小説というジャンルに挑戦したり、小説を書く人のためにTwitterでbotを作ったり、文芸を愛する人たちで更新するWebサイトを作ったり、オンライン上での非同期的な読書会グループを作ってみたり……。振り返ってみれば、成果を挙げたものもあれば、全く振るわなかったものもあります。もともと飽き性なので、同じことをずっと続けるというのもなかなか難しいものでした。そんな僕が、休みながらでも良いからずっと更新していこうと思って立ち上げたのが「蓼食う本の虫」というサイトでした。

まだ大きな成果を挙げることができたわけではありませんが、この活動は僕にさまざまな出会いや経験をもたらしてくれました。そして個人的には、ピクシブへの転職へと導いてくれたのが個人的には何よりも大きな成果かなと思います。

入社してから

入社してからは、福岡オフィスのビジネス職として、主にpixiv chatstoryの開発ディレクションや企画を行っておりました。とは言うものの、自分に何ができるのか、あるいは何をすれば良いのか分かっていない部分も多く、デザインとエンジニアリング以外はなんでもやる、みたいな感じで仕事をしておりました。

チャット小説は新しいテキスト文化としてとても注目していた分野だったので、ユーザーさんの声を聞いたり数値を見たりして様々な機能開発ができたのは楽しかったです。

残念ながら、pixiv chatstoryは2019年7月31日をもってサービス終了となってしまいました。

その後、福岡オフィスでは他の部署の手が届かないところを解決する遊撃部隊となりました。僕もビジネス職として、さまざまな部署の方々と仕事をする機会に恵まれることとなりました。具体的には、サービスクローズのディレクションを行ったり、社内用CMSの作成を手伝ったり、福岡オフィスで現在行っているCM組織の立ち上げに携わったり……。

チャット小説サービスに携われなくなったのは残念ですが。だからといってモチベーションが下がったわけではありません。遊撃の仕事を続けていくうちに、pixivに投稿されている小説の中からおすすめを選んで紹介するという仕事ができるようになりました。

ピクシブには、「創作活動がもっと楽しくなる場所を創る」というミッションがあります。僕はテキスト系のサービス開発から離れてしまいましたが、このミッションにはとても共感しており、この目標のために毎日働けるということが楽しくて仕方がありません。

おわりに

長々と書いてきましたが、昨年の4月にピクシブ株式会社へと転職して福岡で働いてきましたというお話でした。

これからも、創作活動がもっと楽しくなる場所が創れるように精進して参りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします!

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演劇と猫を撮り、文芸同人誌を編集し、小劇場の制作をしています。カレーとお酒と芋けんぴが好きです。pixiv inc.福岡オフィスではたらいています。
Twitter→@ATOHSaaa

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