見出し画像

2023年に買った音楽制作関連機材

<<<課金記事にしていますが、全文読めます。>>>
※課金部はお礼メッセージのみです


前提

2022年2月に筆者は新スタジオへの移行を完了した。スタジオ移行を経て機材購入量は縮小し、機材導入の波はしばらく鳴りを潜めていた。しかし、2023年に入り、機材の早期導入が最も長く機材使用期間を伸ばし有効活用するための良い方法であるという認識へ方針転換して設備投資を再開するに至った。

気づけば壁に棚を取り付けるためのフックを打ち込むハンマーの音がスタジオから聴こえていた… 準備は万全である。

成果物生成三訓。

  • 良い環境が、良い成果物を生み出す。

  • 修練による語彙拡張が、良い成果物を生み出す。

  • 試行錯誤が、良い成果物を生み出す。

以上を忘れないように。

購入した機材群

Moog One

年始にネットで検索していたらどこにも取り扱いがなく、あるネットショップでのみ在庫残数1になっていたところを購入した。円安が進み発売当初より10万くらい高くなっていたけども、キャッシュフローなど諸々を考慮して今が買い時と判断して購入した。

元箱をカバーする保護箱から出すのに苦労した。本来は2人がかかりで出さないといけないところを1人でがんばった。元箱は部屋のドア幅よりも大きい。

大きすぎる箱

肝心の機能について。とりあえず音はいいけど、プリセットのロード時間が気になる。Prophet10に比べるとワンテンポ確実に遅い。うるさいと言われているファンの音は起動時以外は気にならない。3ティンバで音作りできるのでレイヤした音色を1から作るのは結構手間がかかる。普通に1ティンバでオシレータ3つ使って音作りして最終段にエフェクトをかけるだけで普段欲しい音は作れる。複雑なやつが欲しければプリセットを買った方が早い気がする。

繰り返しになるけども音はいい。Eventideの空間系がデジタルながら普通に気持ちよくかかる。自分はフルアナログでの出力にこだわりはないので、内蔵エフェクトをかけても全然問題ない。

ややバギーなところがある。アップデートするまで音が鍵盤押しても音が鳴らないバグがあった。連続していて弾いていると突然一音欠けてしまう事象だ。アップデートで直ったので一安心だったが、治らなかった場合ショックが大きかっただろう。今でも稀にMIDIが鳴りっぱなしになることがある。最近の機材はMIDIパニックがあまり発生しない印象なので驚いた。120万円以上するのにね。

テキスト入力に鍵盤を使うのが独特だ。USBキーボードを繋げられるようだけど、そこまでして入力する気概はなく、音色保存時に毎回鍵盤でアルファベットを探っている。

とりあえずこれらがあったらもういいかな…

電源を落とした後にバキッというような強めの木が軋む音がするのも気になるところだ。別に何かが壊れているわけではないのだが。筐体後部のファンの排気口は暖かい程度で木部も特別熱せられている様子はない。今のところ放ったらかしている。

ややネガティブなことも並べ立ててきたが、さすがのMoogということもあり音圧というかボリュームが大きい。目盛りが5,6くらいでピークに達する音色もある。繊細な音色の場合はボリュームをあげる。SIRINやGRANDMOTHERも持っていて、グランマも大概音の圧が強いと思っていたけどもMoog Oneはよりさらに圧が強い気がしている。そういえばMoog機材のオシレータ基本波形比べしてないな…(唐突)

鍵盤に関しては黒鍵がツルツルした普通の黒鍵ではなく、梨地でマットな仕上げになっており質感が良い。これはかなりいい。

基本的にアナログポリシンセはもうこれで買わなくていいなという気持ちになったので、細かく散財することがなくなって最終的にコスパが良いのでは?と思っている。

Roland TR-808

MIDI改造済み、キックのロングディケイ改造のものを購入。安心の某店で買ったので万が一壊れても多分大丈夫だろう(適当)ということで。TR-08やTR-8Sも持っているけど流石の実機感がある。各チャンネルのつまみをフルにしなくてもしっかり鳴る。TR-08はつまみをフルに回しても一杯一杯な音色があったりする。当然のことながら可搬性は最近のモデルの方が圧倒的に良い。まあこれはほぼ音楽史上の骨董品に近いので… 触れる骨董品。ベンヤミンの言うアウラが大事だからね。

Lindel Audioの7X-500(API-500互換)をかけて使っている。ちなみにサイズはかなり大きい(TR-8Sより一回り大きい)ので場所をとる。

TRIGGER OUTから出した信号でモジュラーシンセなどと同期させても楽しい。フォーン端子からミニプラグに変換するケーブルがあればOK。クロックの怪しい乱れは時々散見される。まあ、それもグルーヴです。厳密なタイミング処理をしたい場合はMIDIを使ったほうが早そう。

届いてからとりあえずYMO版の千のナイフのパターンを打ち込んで、はいはいこれこれ!というのをやっておいた、一応。

あと、MIDI改造のスイッチのポジションの都合上Decksaverが浮く。

KORG NTS-2

PATCH&TWEAK with KORGという本付きのものを滑り込みで購入した。オシロスコープはモジュラーシンセのモジュールとして欲しいと思っていたけど、長年放置していた。忘れた頃にこれが出てきて値段もお手頃なのでとりあえず手に入れた。monologueの時も波形が見えて便利だったのをおもいだした。時折シンセの音を入力している。

書いていて思ったけどmonologueの時、という表現がもう「過去」の出来事のことであり、機材の回転の速さを感じるのであった。


写真や図版が充実している

オシロスコープはもちろんいいのだが、付属のPATCH&TWEAKがなかなか面白い。ARP2600やvolca modular、MS-20などのパッチ例を図説している。英語で書かれている本ではあるが教科書的にも使えるのでお勧めしたい。

YAMAHA CS01

Dorian Conceptとかが弾いているイメージのモノシンセ。ベンドが半分(上げ方向)しか効かない仕様だったりやや癖はあるものの、出音は普通に良い。ルックも良い。

ブレスコントローラーが欲しいが生産終了しており高騰している。新品が定価で買えるなら欲しい。最初極性と電圧が合っている家に余っている電源アダプタを適当に繋いでみたものの、内蔵スピーカーが鳴らなかった。YAMAHA純正のアダプタにすると内蔵スピーカーが鳴るようになった。グリッサンドが滑らかじゃなくて離散的に変化するのも面白い。音作りは機能が少ないなりにできる。

Roland RS-09

フルポリフォニックなビンテージキーボード。ストリングとオルガンキーボ
ードという立ち位置かな。


古き良きキーボード

ハードケース付きを購入。TONEにガリがあったので内部清掃と接点復活剤でやや調整できた。本当はメンテナンスに出したい。通電していたらそんなにガリが出なくなった。

音作りの幅がそんなにあるわけではないけど、鍵盤はしっかりフルサイズ37鍵で演奏のしがいはある。ENSEMBLEスイッチをオンにするとコーラスがかかっていい感じの音になる。STRINGSとORGANを両方オンにするとかなりシンセっぽい。

オルガンの音は野球場の合間のオルガンの音とか、最近だとスプラトゥーンのアサリのゴールが開いてる時の曲を思い出させる。ドローバーが4本あるのでオルガン的な音作りができる。ドローバーを4本下げるまたはORGANスイッチをオフにするとオルガンの音は出ない。STRINGSは4'と8'のスイッチがあり両方オンにするとオクターブ違いの音が同時に出せる。

CV、GATEなどの入力系は皆無なので鍵盤演奏しない人は特に買うメリットはないかもしれない。

MOTIF-RACK ES

昔MOTIF ES 6を使っていて10年ほど前に譲ったのをラック版で買い戻した。ハードオフで購入したけど、やはりYAMAHA特有のダイヤルの怪しさが残る。値が逆流する現象。昔持っていたMU100Rの時も思ったけどやっぱり発生する。

Mac版のUSB MIDIドライバがRosetta対応のものでなんとなく入れるのが嫌で、RME Fireface UFX+ → KAWAI MAV-8 → MOTIF-RACK ESという流れでMIDIケーブルを繋ぎAbletonからコントロールしている。今鳴らしても全然問題なく使える音が多い。

音色をAbletonから変えやすくするためわざわざm4lデバイスを作った。実装が雑なのでもっといいものがあればそれを使いたい。

Teenage Engineering EP-133 K.O.II

年末に差し込んできた新アイテム。最近は全くお手頃でない価格の機材をリリースしていたTeenageから299ドルで…? 見た目が良いのでとりあえず即本家サイトから注文したところ、すぐ届いた。フェーダーが普通に壊れていたけど千石ネットで同じようなフェーダーを買って自分で交換したら動いた。フェーダー以外にもスピーカーの配線と基盤の接点やそもそもケーシングが微妙だったりする。

サンプラーとしては普通に良い。単体機ではDigitaktとかSP-404mkII、モジュラーシステムではASSIMIL8ORを持っているので正直サンプラーはダブつき気味(だが電池駆動でスピーカー内蔵なのとブラウザからサンプルをドラッグ&ドロップできる気軽さが特筆すべき点かな。曲の作り込みはDigitaktの方が便利な気がする。USB-CでOP-1 fieldと繋いだりPCと繋いだりUSB-Cの利便性が高い。

GENELEC 8331A

モニタースピーカーとしてYAMAHAのMSP7をずっと使っていたが、同軸スピーカーに興味が出てきて購入したもの。出る周波数帯域はMSP7とそこまで変わらないけど、同軸なのでやや整理されてすっきりとした出音に感じる。ちゃんと混ざっているというか。ちなみにMSP5もかつて使っていたけどMSP5と比べるならばもちろんMSP7や8331Aの方がいい。

唐突な余談になるけどもスピーカー単体で、となるとIK Multimedia iLoud MTMの方が圧倒的にコスパは良い。当然のことながら値段が安くても別に音が出ないわけではないから(むしろ単体ならスペック上低音はMTMの方が出る) 8331Aはこだわりとか気持ちよさみたいなのを追求したい人向けという感じはする。ただ、補正なしでも普通にいい感じに鳴るのは8331Aかなという印象。とはいえGenelecの音が嫌いな人もいるからまあ好みの問題だ。

ちなみにGenelecは8010も持っている。こちらは完全に携帯用で低音は出ない。8010はとにかく小さいので海外ツアーにも持っていったことがあるくらい便利。でも携帯用途ではMTMがそこそこの小ささで40Hzまで出るので今ならMTMを持っていくかなあ…

真ん中にひとつだけ丸

8331Aに話を戻す。先に述べた聴感上のスッキリ感が今までで一番しっくりきているので当面8331Aで問題ないと思っている。同軸スピーカー枠でいっときmusikのRL906も検討していたけどもスタンドの問題や納期、価格など色々考慮すべきところがありスコープ外とした。

4月に発売した新作のミックス、マスタリングも8331A + 7350APMメインで行った。

GENELEC 7350APM

8331Aの低域補強用に購入したサブウーファー。MSP7の時は同じくYAMAHAのSW10を使っていた。7350APMは金属ベースの筐体のおかげで安定感を感じる。SW10は筐体が木なので物理的に接触などで削れることもありそういう不安が無いのも良い。ウーハーの外装削れる状況ってどういうこと?という疑問もあるが不測の事態で削れるものは削れるのだ。

GLMで8331Aも含めて音響補正できるのもよい。そこまで音量を出さなくてもちゃんと機能してくれている。8331Aと組み合わせることでホームスタジオでもベニューでがっかりしない程度のミックスがきちんとできる。廣島電力でやったようなイーヴンキックな曲も上手く行ったし、普段作っているアンビエント、エレクトロニカのような曲でも機能している。

大きくて重い

MSP7+SW10よりも小音量でミックスしやすい印象。(筆者の感想です)

床に直接据え置くと掃除の時に不便なので無印の台車に乗せている。

TASCAM Series 8p dyna

うちのスタジオには機材がたくさんある。シンセ、ターンテーブル、ギター、ベース、マイク、API500互換…これらを取りまとめるのにMADIを使って入力を増やしているがダメおしで入力数を増やすために購入したのがこれ。価格がお手頃。出音は特に問題ない。コンプがついている。全チャンネルファンタムを個別にオンオフできるのが嬉しい。(コンデンサマイクはもちろんのことDIにアダプタなどを繋がなくても給電できる)

メインのオーディオインターフェースのRME Fireface UFX+のADAT二系統を使い96KHzで8ch入力している。XLR端子になっているのでDIやマイクを繋いでいる。既存のMADI機材と、この8p dynaのおかげでついにホームスタジオで96KHz/52chの同時録音が可能となった。それについてはまた別の記事にまとめたいと思う。

各チャンネルのファンタムのオンオフが便利、上が8p dyna

筐体にアースを取り付けられるので、アース付きのタップにアース線を繋いだところ、ボリュームを上げた時のエレキギターのノイズが軽減した。多分これは繋いでおいた方が良い。

サウンドハウスで注文した1Uのラックケースがなかなか来ない。早くケースに納めたい。

TASCAM Portacapture X8

フィールドレコーディングやライブなどで音割れなしに録音するために購入したレコーダー。前はRolandのR26を使っていたけど32bit録音はできなかった。付属のマイクで十分いい感じに録音できるので助かる。まだ買って日が浅いので来年はこれをもってたくさんフィールドレコーディングをしたいと思っている。

テーブル中央の液晶が光っているものがX8、視認性も良い

先日もライブの際にこれを持ち込んで録音してみたところ、現場のスピーカーでかなり音量が大きく感じた部分も波形が大きくなるだけで割れてはおらずきちんと機能していた。

8チャンネル録音できるのでRODE NT-4を引っ張り出してサラウンド録音してみたいなとも思う。

TASCAM iXZ

Twitterのスペースでオーディオインターフェースの入力が機能しないので、マイク入力でライン入力できるようにできるこれを購入した。というかNさんより検証を頼まれた。ライトニングからイヤホンマイク端子に変換した状態で使うので確かにこれで裏技的にミキシングした音をマイク入力から入れつつモニターができる。

いろいろがんばった割にスペースによる配信はそんなにせずに今年が終わりそう。

iXZは多分一般的には電池で動くので便利!とライトニングじゃないからiPhoneでバスパワーできなくて不便!の間にあるデバイスになりそう。ちなみに筆者は普段のiPhoneでの録音ではライトニングでバスパワー接続できるLine6のSonicportかTeenageのTX-6、OP-1 fieldを使っている。これらは充電バッテリー内蔵のデバイス。あれ、iXZの出番は…?

メーカー不明 ゴング

ツアーの途中で立ち寄ったカンボジアのシェムリアップの楽器店で購入した、おそらく真鍮でできた円形の板。中心以外曲げ加工はあまりない平坦な板だが、独特の音がする。叩くとコンコンいい、ディケイ、リリースは短い。いわゆるゴーンというような音は出ない。そのため擦ったり、他の物を当てるなどした方ががいい音、面白い音が出るように感じている。

直径20cmほど

これを買ったのはアンコールワット遺跡近くの田舎道の途中に立っている倉庫兼一軒家みたいな楽器店だった。店の人からは全然売り込もうという気概は感じられなかった… むしろ同行した日本語を喋れるタクシードライバーの方が売る気満々だったような… ぶっちゃけぼったくられているとは思うが最近舗装されたばかりと思われる道や自国通貨ではなくてドルばかり流通している状況を見たらネゴるのもなんだかなあという気持ちになった。

Native Instruments KOMPLETE 14 COLLECTORS EDITION

いわゆるNIへのお布施。ライブラリが多すぎて使いきれていないけどBatteryとKONTAKTをよく使っている。昔はReaktorを結構使っていたけど、最近はあんまり触れていないなあ。Pro53ディスコンはいまだにちょっと恨みがある。

同様のお布施としてはWavesとiZotopeもあるけども、毎回どのタイミングで課金するか迷う。大体MacのOSがアップデートされたタイミングになっているような気はしている。

Universal Audio UAD Guitar FX Bundle

無料のLA-2やPolyMAXをダウンロードしていい感じじゃんと思い、つられて49ドルで買ったセット。確かにかかりと仕上がり音がいい。これはまだ買って日が浅いのでワークフローにあまり取り入れられていない。

Rolandのテープエコーを模したGalaxyはフィードバック値を上げた時の飽和した感じが好みである。話が前後するけどもEP-133の内蔵ディレイはフィードバックを上げまくるとなんともいえない変な音になる。フィードバックを上げすぎないほうがいいかもしれない。

Glitchmachines Tactic

Trorezさん、XimotoさんおすすめのVSTがブラックフライデーで800円!にということでZoomで通話しながらその場で購入したグリッチエフェクト。グリッチは今まで手作業で作ってきたけど、これ使えばすぐにできて楽〜!圧倒的に楽。ランダム性でコントロールできなくなってしまうので、それがいいという考え方もあるし、プロダクションにおいてはオーディオに書き出した方がいいかも、みたいなところはある。

サンプルにあえてIDMぽくない音を入れるとちょっと違った雰囲気のグリッチが作れる。

Ableton上で再生中に録音しながらツマミをマウスでぐりぐりしたり、ビートを1/16、1/32、1/64… のように変化させるだけで変化に富んだビートが作れて面白い。作ったところから波形を切り出してさらに編集すればある程度コントールしやすくなる。もちろんオートメーションを書いても良い。

まだ動画を一本撮ったきりだけど、今作っている曲にも取り入れていたりする。今後も制作に取り入れていきたい。

Dreamtonics Synthesizer V

ポストVocaloidということで試しに買ってみた。適当に歌詞を打ち込むだけでかなり仕上がりが良かった。別名義で楽曲を投稿してリアクションを楽しんだりもした。

最近はアンビエントなトラックにボーカルを当てるのに使ってみたところ、歌い方を調整することでフィットした。今後、他のライブラリも買い足して歌物の制作量を増やしたいなと思う。

リテイクも簡単にできるし、全体の歌い方の調整もパラメータを調整するだけですぐに変えられる。非常に便利。Vocaloidの方も持っているけど、とりあえずいい感じになるのはSynthesizer Vかなと思う。


まとめ

今年もめちゃくちゃ買ったけど良質なアウトプットができるようになったのでよし。来年はスタジオを建てます。

可能な限り毎日動画をアップしています。XInstagramでやっています。

また、下記ポストのリンクより音源を購入していただいたり、曲を聴いてもらえると嬉しいです。

有料記事部分は特に何もありませんが課金してもらえると来年の機材導入と制作が捗ります!

ぜひ応援をよろしくお願いします!!!

ここから先は

49字

¥ 1,000

いただいたサポートは新規コンテンツの制作に使わせていただきます!