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日常生活の中での失敗と不安の関係

割引あり

不安が強くなると,物事に集中できなくなってしまうということは,ありそうです。あれこれと考えることができなくなってしまいそうですよね。実際はどうなのでしょうか。


注意のコントロール

注意のコントロールや制御というのは,注意散漫に陥ることなく,効果的かつ柔軟に注意を調節して,目標に関連する情報に集中する能力のことを指します。

そして注意の制御がうまく行かないと,不安のレベルが高くなるともいわれています。注意がうまく働かないと失敗も多く,そのことが不安を喚起させてしまいそうですよね。

失敗

普段の生活の中で経験するささいな失敗を,認知的失敗と呼ぶことがあります。日常生活の中で注意のコントロールがうまく行かず,つい忘れてしまうとか,呼び間違えてしまうとか,見なければいけないことを見逃してしまうとか,そういうことはありますよね。他にも,約束を忘れてしまったり,人にぶつかったり,表示を見落としてしまったりすることも,日常生活の中での失敗にあたります。

皆さんはどうでしょうか?

こういう失敗を経験すると「年をとったな」と感じるのですが,同時に「大丈夫かな」と不安にもなります。

注意と不安

注意のコントロールと不安,このあたりにどのような関連があるのでしょうか。比較的大きなサンプルを用いてこれらの変数の関連を検討した研究があります。どのような結果が得られているのか,見ていきましょう。こちらの論文です(Elevated cognitive failures in trait anxiety)。

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