見出し画像

極端な愛着スタイルが生み出される要因

ボウルビー(Bowlby)は,愛着についての理論を打ち立てた発達心理学者です。愛着というのは,人類が進化してくる中で敵から身を守るために組み込まれたシステムであり,養育者(多くは母親)とのやりとりの中でパターンが形成され,その後の人生においてもそのパターンが影響を与え続けるということも仮定されています。

そもそも愛着というのは,とても苦痛に満ちた経験をしたとき,たとえば危険であるとか恐怖を抱くとか不快な感覚になるとかといったときに,養育者との近い関係性を維持したり,そういった関係性を回復したりする傾向のことを指します。そのパターンが繰り返されることで記憶され,新しい場面に遭遇したときにもそのパターンが自動的に生じるようになります。この取り込まれたパターンのことを,内的作業モデルと呼ぶこともあります。


ここから先は

1,338字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?