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戦闘のストレスをシミュレーションで測定する

戦争などの戦闘や戦闘に関連した活動に参加することで,精神的・身体的緊張や,プレッシャー,心理的苦痛を示すことを「戦闘ストレス」といいます。

実際のセント活動を経験すると,多くの兵士たちはその後に苦痛を訴えることが知られています。古くは,戦争神経症と呼ばれたり,シェルショックと呼ばれたり,ベトナム戦争以降はPTSD(心的外傷後ストレス障害)と呼ばれるようになりました。呼び方は変わってきていますが,戦闘を経て多い名ストレスを経験する点は同じです。


自尊感情がストレスを軽減する

自分自身の状態や価値を,自分自身で主観的に評価することを,自尊感情(self-esteem)といいます。自尊感情が高い人は,ストレス要因を経験したときに健全な対処方略を実行すると考えられています。

一方で,自尊感情が低い人は,ストレスの原因を過剰に認識してしまい,ネガティブな感情から回復することが難しくなってしまうと考えられています。


実証的な研究

とはいえ,兵士たちを研究対象とすることもなかなか難しいものです。混乱のさなかに都合良く,戦争の前後で調査や実験を行うわけにもいきません。また,一般の人々を戦闘に参加させるわけにもいきません。

そこで,XR(クロスリアリティ)シミュレータを使ってみてはどうでしょうか。

XRは,AR(拡張現実),VR(仮想現実),MR(複合現実)を総合した呼び方です。兵士たちに実験に参加してもらい,XRを使ってシミュレーションのなかで戦闘を行うことで,戦闘のストレスを測定してみるというわけです。こちらの論文を見てみましょう(The effect of self-esteem on combat stress in engagement: An XR simulator study)。

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