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運がいいと思うから悪いことをするダークな人

汚職ということばをパソコンの辞書で調べると,「公務員が職権や職務上の地位を利用して,個人的利益を図るなどの不正な行為を行うこと」と書かれていました。公務員だけでなく,議員や私企業で働いていたとしても,自分の特別な権利を利用して,横領や不作為,収賄や天下り,違法な謝礼などさまざまな行為によって,私的な利益を得ることを指します。

とはいえ,どこまでが問題のない行為で,どこからが問題のある行為なのかについては,境界は曖昧であるように思います。

いずれにしても,個人的な利益のために公権力を乱用することは,国全体を考えても政治的な安定を損ないますし,経済成長にとってもマイナスですし,社会的な不平等を拡大させます。


暴力と不平等の人類史

こういった話で思い出すのがこの本です。私たちの社会は平和な世の中が続くと徐々に不平等が蓄積していき,戦争や革命,天変地異や疫病の流行によって社会が崩壊すると,平等な社会がスタートするというサイクルで進んできたという話です。

太平洋戦争の前の日本はとても経済格差が大きかったのですが,戦後は平等な状態からスタートして,徐々に格差が大きくなってきました。それでも戦前に比べれば,まだまだらしいのですが。

どんな人が汚職をしやすい?

さて,どんな人が汚職に手を染めやすいのでしょうか?

なんとなく,自分の利益のためにいろいろな策を練ろうとする人や,他の人の利益をあまり重視しない人が汚職をしやすいというイメージがあるのではないでしょうか。パーソナリティ特性で言えば,やはりダーク・トライアドがそこに相当しそうです。

ダークな性格と汚職

では,本当に汚職をするような傾向とダークな性格たちには関連があるのでしょうか。関連はありそうなのですが,ひとつ工夫をしている研究を見てみたいと思います。この論文です(Does the Dark Triad of Personality Predict Corrupt Intention? The Mediating Role of Belief in Good Luck)。

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