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愛着と自尊感情との関連はどれくらい?

割引あり

自尊感情(self-esteem)とは,自分自身に対する肯定的または否定的な評価であり,ある個人が自分自身についてどのように感じているかを表すものです。

自尊感情が高いということは,自分自身のことが好きで,高く評価しており,自分を受け入れる傾向が強いということも指します。


自尊感情

自尊感情と一口に言っても,その中身には複雑な要素がからみ合っています。たとえば,自尊感情の要素の中には,出来事に付随して上下する部分があります。一方で,出来事によってあまり変動しない部分もあります。前者は随伴性自尊感情とか,随伴的自己価値とか,いくつかの名前で呼ばれます。後者は本来感と呼ばれることがあります。

いずれにしても,自尊感情の高さは精神的健康の良好さや,さまざまな性交と関連しています。

愛着

特定の相手との情緒的な絆のことを,愛着といいます。

安定した愛着には,愛着の対象となる相手の存在が不可欠です。安定した愛着をもつ子どもは,養育者の近くにいたいと望み,危険や恐怖を感じると愛着の対象となる養育者の元に戻ってきます。

安定した愛着をもつ青年や成人になると,愛着の対象となる他者との親密な関係の中で,信頼感を抱き,積極的なコミュニケーションを営み,受け入れられているという感覚を含む,持続的な愛情的な絆があることを報告します。このような関係は,親密な友人関係や恋愛関係,夫婦関係などに反映します。


愛着と自尊感情

直観的に,安定した愛着と自尊感情との間にはどのような県警が見られるのでしょうか。意外とこのあたりの関係については,よくわかっていない部分もあるようです。

そこで,過去の研究結果を統合するメタ分析で両者の関係を検討した論文を確認してみましょう。こちらの論文です(Associations of Self-Esteem With Attachment to Parents: A Meta-Analysis)。

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