知能指数と運動をする程度との関連
コロナ禍では,外出が自粛されるなかでどうやって運動をして健康を維持するかというのは大きな課題になっていました。
広い公園やサイクリングロードでは,ランニングやサイクリング,ウォーキングをしている人たちがとても多いのですけれどね。私の家もサイクリングロードの近くなので,天気の良い日の人出の多さは,なかなかです。
こういう状況になると,そもそも「動こう」としようとする人と,なかなかしようとしない人との差がさらに大きくなっていきそうです。
この「体を動かす」という傾向の研究は,physical activity(身体活動)というキーワードで検索すると見つかります。
性格と身体活動
どのような性格(パーソナリティ)が身体活動に関連するのかという研究も,これまで行われています。
たとえば以前に紹介した論文では,勤勉性や開放性の高さが身体活動量の多さに影響することが示されていました。
知能と身体活動
パーソナリティと並んで重要な個人差特性が知能です。知能検査で測定された知能指数(IQ)は,身体活動量に関連するのでしょうか。縦断的な調査から両者の間の因果関係を検討した研究があるので,見てみましょう(Physical Activity and Intelligence: A Causal Exploration)。
分析の対象になったのは,オーストラリアのクイーンズランド大学の調査プロジェクトに参加した人々のデータです。合計で7223名の妊婦が調査に参加しており,妊娠18週目,そこから子どもが生まれて4,5日目,生後6ヶ月,子どもが5歳,14歳,21歳のときに調査が行われています。この研究では,子どもが14歳の時と21歳の時のデータが分析対象となっています。
14歳の時に知能検査が行われています。そして21歳の時に,激しい運動,激しくない運動,ウォーキングなど運動に関する質問が行われています。
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