宗教を信じることと幸福感や精神的健康
精神的な健康の文脈では,長い間,宗教を信じることは精神的健康に悪影響を及ぼすのではないかと考えられてきたそうです。この考え方は,フロイトの考え方にまでさかのぼることができるそうで,宗教的の父親的な権威主義が悪影響を及ぼすというイメージがあるようです。
宗教と幸福
宗教を信じることと幸福感の高さや,精神的健康の高里の関連については,それなりに関連の証拠があるようです。しかし,宗教性というのはそれほど単純な内容の構造からなるものでもなさそうで,宗教性やスピリチュアル性の内容によって幸福感との関連は変わってきそうです。
宗教性やスピリチュアル性の定義についても,多くの議論があるようです。
宗教性というのは,共有された新年や儀式,信仰共同体の一員であることを指して使われる言葉です。スピリチュアリティは,より個人主義的な信念や儀式を強調するために用いられます。宗教性とは,宗教に関する共同体メンバーで共有する価値観や信念でもあります。
神の表象
一口に神をどのようにイメージしているか,といっても,内容は様々です。ひとつは,認知的または教義的な側面と,感情的または経験的側面に分けるというやり方です。前者は,神がその人によって概念的にどのように捉えられているかを問題にするもので,後者は個人的に経験した神との関係をどのように考えるかという問題です。また,ポジティブで肯定的な神のとらえ方と,ネガティブで否定的なとらえ方を考えることもできます。
愛着スタイルの応用も考えられます。神に対する安定した愛着,不安を伴う愛着,回避的な愛着などです。加えて,神の支配つまり神がどの程度の力をもち,支配を及ぼし,導きを与えるかという観点からの信念もあります。
メタ分析
神に対するとらえ方と,精神的健康や幸福感,またパーソナリティ特性との関連はどのような形になるのでしょうか。メタ分析で検討した研究があります。こちらの論文を見てみましょう(God representations and aspects of psychological functioning: A meta-analysis)。
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