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弟がいるか妹がいるかで性格は変わるのか

自分のきょうだいが男か女かで,自分のパーソナリティの形成に影響を受けると思いますか?世の中にはいろいろなことを考える人がいるもので……

◎きょうだいは互いに学び合うので,妹がいれば女性的な性質が,弟がいれば男性的な性質が強くなる
◎兄弟姉妹はライバル関係なので,アイデンティティの形成過程でそれぞれ分化していく
◎父親は息子と,母親は娘と過ごす時間が長くなるので,男女はそれぞれ分化していく

などなど,さまざまなことが言われているようです。というか,きょうだいが似ていても似ていなくても,どちらでも適用できてしまう理論が存在していて便利に使い分けられているようにも思えます。

実際は?

こういうときは,実際のデータを分析してみるのが一番です。できれば複数の国のデータが検討できるといいですよね。それから大規模なデータを分析することができれば,なおよいと言えます。

では,世界中の9つの国でとられた大規模なデータセットを統合して,下のきょうだいに男がいるか女がいるかでグループをつくってみましょう。そして,本人のパーソナリティ特性や女性性(女性らしいとされるパーソナリティ傾向)について,違いが生じるのかどうかを検討したらどうなるでしょうか。実際に何らかの違いが生じるのか,それとも差はないのか……こちらの論文を見てみましょう(No Evidence That Siblings’ Gender Affects Personality Across Nine Countries)。

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